「超」入門!論理トレーニング (ちくま新書 1200)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480069054

感想・レビュー・書評

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  • ■ひとことで言うと
     ロジカル=演繹的=主張+事実+根拠に基づく論証

    ■キーワード
     ・日本語はプレロジカル(ハラ芸)
      →日本独自の「察する」文化
     ・論証の基本はクレーム+データ+ワラント
      →クレーム:「論証責任」を伴う主張
       →論証責任:How & Why(どのように、なぜ)を説明する義務
      →データ:クレームを支える客観的事実
      →ワラント:データを述べた根拠
     ・クレームへの反論方法は反駁 or アンチテーゼ
      →反駁:データ or ワラントの不備を指摘する
      →アンチテーゼ:より説得力のあるクレームを述べる
     ・論証は基本的に演繹型で
      →演繹型:クレーム→データ→ワラントの順
      →帰納型:データ→ワラント→クレームの順
     ・レトリック=論証のパターン
      →事実ベース(現状分析/エピソード)
      →定義ベース(独自定義/主張引用)
      →対比ベース(対象との比較)

  • 2回読んだけどよくわからなかった…。それくらい三角ロジックに無縁に生きてきたし非論理的な思考回路なんだと思う。他の本で学んでみようと思います。

  • 普段仕事場やプライベートのやりとりで
    うまく話が噛み合わない、議論になってないな…と感じることが多々あったのだが
    その原因がいままでうまく言語化できなかったのだが
    この本がそれをうまく解きほぐしてくれた気がする。
    クレーム(主張・意見)、データ(事実)、ワラント(根拠)の三角形を意識した
    コミュニケーションを心がけてみようと思う。

  • 日本語にはない英語のロジカルコミュニケーション
    三角ロジック
     ①クレーム=主張・意見・・・何が言いたいのか?
     ②データ =クレームの事実
     ③ワラント=データの根拠

    通常の会話や文章でも必ず①②③の順で言う。

     クレーム直接攻撃はタブー。
     反論はデータかワラントを突く。
     過去形は意見にはならない。現在との対比のみ。

    ひとつの段落=ひとつの三角ロジック。

    ワラントは省略されることが多く、
    論証データ(=レトリック)の組み合わせ。
     1.現状分析
     2.エピソード
     3.定義
     4.引用
     5.対比

    日本語では「言わぬが花」。
    はっきり言わず察してもらう「形式と情緒」。
    日本人の顔文字は言葉に裏があることを示したもの。
    日本人が英語をしゃべってもクレームを言わないから、
    何を言っているのか理解されない。

     英文書籍の和訳は
     レトリックがくどく感じられ、読んでいて疲れるのは
     そのためかもしれない。

  • 論理的な考え方・表現の仕方を、英語の持つlogicを基に明快に教えてくれる。
    自分を含め、日本人がいかにこれを不得手としているかがよく分かった。

    他方で、「ハラ」「察し」といったものが根底にあり、「愛(うつく)しい」日本語が滅ぶことのないよう、過度な英語教育・英語崇拝に警鐘を鳴らしてもいる。

  • ロジカルとは何かということについて、そしてそれに対してどのように接したら良いのかについて書かれています。日本人にはこのロジカルに弱いという弱点があり、それがなぜかということ、そしてそれは弱点であると同時に、実は他に長所として残されたもののためであるということが書かれていて、なるほど日本人としてこのように考えるとということを勉強させられました。相手にわかる文章の書き方、説明の仕方についても、具体的な問題文を解きながら学ぶことができます。ロジカル思考と英語は、それに対抗しなければならない時のための護身術として学ぶべきという見方は、非常に参考になり、また日本語の大切さに気づかされました。

  • 借りたが、読了に至らず

  • English Nativeの持つ「心の動き」(習性、習慣)として、無意識に従っている思考様式がある。それの思考様式、パターン、ルールに基づき、活用しているのが、言語としての英語である。

    日本人が、このEnglish Nativeの心の動き、思考パターンに沿わずに、英語を話しても、Nativeには通用しない、「英語もどき」となる。

    日本人は、明治時代に、英語を、現代国語として取り入れたが、英語の思考パターンまでは、取り込めずにいる。

    英語の思考パターンとは、「Claim」に対する、How, Whyを問う思考である。これは、相手の意見Claimを尊重するが、その内容を納得して尊重する(Logical)という、English Nativeの考え方である。

    ハラ芸でコミュニケーションする日本語(察する、みなまで言わない)で、「英語もどき」では、通用しない。

    日本語でも、Logicalである、相手と自分とで、納得、説得し、尊重しあう形態のコミュニケーションが重要になる。

    ハラ芸は、「非論理的」なのではなく、「前論理的」で、英語的なLogicalとは別次元のスーパー・コミュニケーションなのです。高Context(文脈)なコミュニケーション。

    英語は、言語体系の中に、Logicalを表現する仕組みを持つ。数表現、冠詞、時制など。「a」 が「新情報」の合図になっている。

    英語の発話において、3点セットの三角ロジックが、思考パターンであり、コミュニケーションのパターンである。三角ロジックとは、Claim-Data-Warrantの3つを提示するということ。(Warrantは、同じDomainを共有している場合は、省略される)

    Claimは、Claim(意見、意図、提案)と、明確に分かる「形」になっている。

    ①過去形は、Claimでない=Data,Facts, Evidenceである。
    ②現在形は、Claimになりうる
    ③Claimは論証責任がある「形」

    論証責任がある「形」(文の形式)とは、以下。

    a)助動詞can, may, must, will等の話手の主観的判断をしめす表現が入っている。
    b)形容詞 old, expensive, easy, ・・・等の話し手の相対的評価を示す表現が入っている。
    c)状態動詞 think, hope, want等の話し手の主観的内容を示す表現が入っている。

    反論は、Claim, Warrant, Dataを、Criticalに評価するところから。Counter-Evidenceや、Claimに対するアンチテーゼ(新たなClaim)の提示により反論する。また、Claimを止揚する、高い視点から抽象、統合するという反論もある。

    三角ロジックをベースに論証するパターンを、「レトリック」という。レトリックは、以下。

    - Description (時系列でのtransition, navigation)
    - Story - Scenario - Episode
    - Definition
    - Exemplification
    - Comparison - Contrast
    - Generalization - Abstract
    - Process Analysis

  • 私はこの本を論理的という意味を再確認させられた。
    海外に滞在した経験があるので、英語はそれなりに話せるし、独特の論理というのも理解しているつもりであったが、存外、日本語というものに迎合化しており、普段扱っている英語が似非英語となっていることに気づいた。
    また、常に論理性を持って議論を進めていると、言わぬが花を重視する日本人にとってはどのように映るのか気になった。今後、言語も文化も東西混合していく中で、コンテクストの高低がどれだけ意識の差を生むのかということも読んでいて派生的に気になった

  • 読みやすい。
    いわゆる三角ロジックの使い方の指南書。

    データ、主張、理由の三要素の構造体が三角ロジック。
    かなり使い勝手の良いものだと思えた。

    しかし、帰納型、演繹型は、ちょっとイメージと違う。
    論理学的な意味で使われているのではなく、単に結論前出しを演繹型、最後にまとめるものを帰納型と呼んでいる。
    う~ん・・・確かに「型」だから、それでいいのかもしれないが、それは単に構成の問題で、推論の方法論ではない。
    迂闊に論理学を知っていると、紛らわしいワーディングだ。

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著者プロフィール

横山 雅彦(よこやま・まさひこ):1964年兵庫県生まれ。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士前期課程修了。現在、関西国際大学准教授。著書に、『高校生のための論理思考トレーニング』『「超」入門! 論理トレーニング』(ちくま新書)、『大学受験に強くなる教養講座』『完全独学! 無敵の英語勉強法』『英語バカのすすめ──私はこうして英語を学んだ』(ちくまプリマー新書)、『ロジカル・リーディング──三角ロジックで英語がすんなり読める』(大和書房)などがある。

「2023年 『英語のハノン フレーズ編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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