ふしぎな日本人 ――外国人に理解されないのはなぜか (ちくま新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480074577

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  • 【書誌情報】
    『ふしぎな日本人──外国人に理解されないのはなぜか』
    著者:塚谷 泰生
    著者:ピーター・バラカン
    シリーズ:ちくま新書
    1,012円(税込)
    Cコード:0295
    整理番号:1629
    刊行日: 2022/01/05
    判型:新書判
    ページ数:304
    ISBN:978-4-480-07457-7
    JANコード:9784480074577

    日本の集団主義の起源は、米づくりにあった。日本人を知り尽くすバラカン氏とヨーロッパで活躍する実業家・塚谷氏が、日本独特の文化を縦横無尽に語り合う。
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480074577/

    【メモ】
    ・著者の一人Peter Barakan氏は、自身のサイトでもTwitterアカウントでも本書のについて情報を発信していない。なんならWikipediaも本書については更新されていない。
    ・筑摩書房サイトには、塚谷泰生氏の略歴(著者紹介文)は載っているのに、Peter Barakan氏の略歴が記載されていない。何故だ。

    【目次】
    はじめに(ピーター・バラカン)

    第一章 日本人ビジネスマンが感じたヨーロッパ社会
    1 「ノー」と言えない日本人
      仕事と観光では見方が変わってくる/最初の仕事は分厚い契約書を読むことだった/日欧の仕事のやり方の違いに驚く/答えが「ノー」でも交渉は終わらない
    2 異なる「正義」
      海外での自由を経験したら日本では暮らせない/お茶くみを命じられた女性はすぐに会社を辞めた/おもてなしは理解できない、サービスは有料と考えるヨーロッパ人/裁判で白黒つけたがる日本人/「和」の大切さを学校で教える日本/日本には推定無罪はないのと同じ/日本の常識は世界の常識とかけ離れている
    3 民主主義の違い
      欧州の民主主義は左右の振れ幅が大きい/国益に適うかどうかで判断するオランダ/日本の民主主義は振れ幅がほぼない/細かいことにこだわるから良いものができる

    第二章 バラカンが戸惑った日本と日本人
    1 「あと一〇日で日本に来い」
      日本行きのきっかけは夕刊紙の求人広告/日本語学科を選んだのは語学に興味があったから/敬語で理解した日本のタテ社会/会社員のときは定時で帰っていた
    2 人の発音を直すイギリス人
      英語の表記にカタカナを使わないほうがよい/カタカナ英語は通用しない/「日本語ではこうなっていますから」にビックリ/政府はケチで文化にお金を出さない/日本語は英語に訳せない言葉が多い
    3 「お疲れさま」としか言わない日本人
      電線が町の景観を悪くしている/日本には強い同調圧力があった/広い家なら日本家屋に住んでみたい/来日一週間で初めて地震を体験する/意見を言ってくれないので不満が残る
    4 日本の音楽を海外に紹介する
      音楽の輸入は簡単だが輸出は大変/海外のミュージシャンは耳コピーで演奏する/海外の人が聞きたいのは日本独自の音楽

    第三章 日本とヨーロッパに横たわる誤解
    1 「日本人は土地管理ができない民族なのか」
      日本人の行動は不思議がられていた/テレビが日本を面白おかしく取り上げる/大きな嵐でも犠牲者が出なかった
    2 日本人の集団主義は稲作がつくった
      ヨーロッパの畑には水路がなかった/部下から聞かれた質問にはすべて答えていた/稲作と日本人のアイデンティティに目を向ける/水の管理がいらないアジアの浮稲農法/日本の川は滝のような勾配/日本人に関する本を読みあさる/連帯責任はあり得ない/ヨーロッパで知った日本社会の歪み
    3 ヨーロッパに対する日本人の誤解
      ヨーロッパは狩猟民族の国ではなかった/ヨーロッパ人に言われる「日本人はアンクリア」という言葉/一度言っただけでは理解してもらえない/EU統合とその後のイギリスの離脱

    第四章 日本人はなぜコメを主食に選んだのか
    1 稲作の起源
      稲作が始まったのはおよそ三〇〇〇年前/コメを食べるようになって人口も増えた/コメは連作障害がなかった
    2 日本における稲作の苦難
      江戸時代に関東では土壌改良を行った/稲作のやり方は弥生時代とほとんど同じ/水温を高めてから田んぼに水を引く/日本地図を見て部下がビックリ/ジャポニカ種は脆弱で手間がかかる稲種だった/通貨はあったがコメはお金として流通していた

    第五章 日本人のアイデンティティを形成した稲作文化
    1 村八分の論理
      日本の稲作は今でも集団でなければできない/「一人でも反対したら橋はつくらない」/経済効率を考えるヨーロッパ、考えない日本/武士のメンタリティーが広まったのは明治以降/神道の結婚スタイルはキリスト教が下敷き/ルールを破ると科される罰「村八分」とは
    2 みんなと一緒が大切
      今でもみんなと同じが好きな国民/北欧は単なる寒冷地ではなく豊かな土地だった/共通認識がないと「言わなくてはわからない」/言わなくてもわかるは集団主義の特徴/村は造幣局、お金生産組織/今の雇用形態は日本人に合っていない
    3 なぜ自己主張をしないのか
      「つまらないものですが」は謙虚である証/言い訳を許さないのが稲作組織/会議の多さは共同意識の植え付け/海外の競争相手には日本のスピード感も、常識も一切通用しない/交渉ごとでは「ノー」で引き下がらない

    第六章 グローバル化の中で日本人はどこへ行くのか
    1 窮屈な日本社会
      日本には社会的な重しがあった/モチベーションがあれば人は変われる/外国では日本人とは何かを必ず聞かれる/集団稲作に全体主義的な傾向がある/民主主義、個人主義、エゴイズムがうまく区別できないのが日本人
    2 自分たちの社会を知る
      日本人は恵まれた食文化を持っている/都市はお金がないとエンジョイできない/日本を変えられるのは帰国子女/日本がどうあってほしいのかというヴィジョンがなければいけない/「なんで日本はこうなのか」を説明する必要がある/そんな現実があるのに、それでも日本人の目が覚めない

    おわりに(塚谷泰生)

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著者プロフィール

塚谷泰生(つかたに・やすお)
1957年埼玉県まれ。明治大学農学部卒業。日商岩井(現、双日)に入社。デンマークの日商岩井北欧会社取締役を経て1992年退社。オランダ、アムステルダムで日本食品流通・製造会社を設立し日本食店「串亭」を運営。現在は、機械、食品全般の輸出入、及び食品製造のコンサル業務を手掛ける。日本/東京商工会議所等で講演多数。福岡大学非常勤講師。著書『ヨーロッパで勝つ! ビジネス成功術』(ちくま新書)。

「2022年 『ふしぎな日本人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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