ことばのエコロジー (ちくま学芸文庫 タ 7-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480085245

作品紹介・あらすじ

小さな言語が、大きな言語によって絶滅に追いやられるとき、民族は確実に崩壊する。そしてそれは自然破壊の一部でもあった。「いわゆる民族問題とは、私にとっては時事問題ではなく、人間の存在様式、その本質にかかわるものであって、そのかぎりでは永遠の、哲学的な問題である。」一貫して、言語と国家、言語と権力、言語による差別問題を問い続けている著者が、時には舌鋒鋭く、またある時はユーモアを交え、人間にとっても言語にとっても不可欠なエコロジーの観点から「ことば」をとらえなおしてみるという新鮮な試み。

感想・レビュー・書評

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  • 20010920

  • 著者がさまざまな場所に発表した論考やエッセイを集めた本です。

    フランス語で「言葉」(langue)という語は、「舌」という意味ももっています。このことが象徴的に示すように、言葉はそれを話す人にとって身体に根ざした「自然」なものとして存在します。それにも関わらず、言葉は社会的・政治的な磁場の中に置かれているという側面を持っています。それだけに言葉という現象は、民族と国家をめぐる問題の解きほぐしにくさを典型的に示しているように思われます。

    本書で扱われているさまざまな主題は、そうした問題の複雑さの中に分け入っていくということを具体的に知るための、格好の例題になるように思います。

  • 分類=言語政策。99年11月。

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著者プロフィール

一橋大学名誉教授

「2021年 『ことばは国家を超える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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