- Amazon.co.jp ・本 (556ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480085269
感想・レビュー・書評
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リサーチとデザインの関係、そしてリサーチすることの意味についての参考例
・アルドロッシ「都市の建築」 ''The Architecture of the City
・ヴェンチーリ「ラスベガスから学ぶこと」 ''Learning from Las Vegas''
・クールハース「錯乱のニューヨーク」 ''Delirious New York''
この3冊の本で述べられている建築と都市の関係に関するリサーチは彼らのデザインと濃密に関係しているという。
そこではリサーチは単なる根拠付けという立場を超えて
デザインのプロセスそのものになっている。
リサーチ、デザイン片方だけに焦点を当てた本は無数にあるが、この3人の建築家のリサーチとデザインを理解することは僕らにとって非常に良い大きな意味を持つという。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
都市論、建築論の必読書。上へ上へと伸びる摩天楼が生成される背景的なメカニズムを描き出す。明確な理論的一貫性があるわけじゃなくて断章のかたちとなっているが、それが集積されることでニューヨークという特殊な大都市の姿が浮き彫りになるという仕掛け。
むかしななめ読みしたときはぴんとこなかったんだけど、今読むとすごくおもしろい。いかんせん基礎的な知識がないからアレだけど。
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街の生い立ちというのはとても面白いもので。
マンハッタン島は、インディアンから買い上げられたばかりの1800年に、その「究極的かつ決定的」なモデルが画定したそうだ。
南北に走る12本のアヴェニューと、東西に走る155本のストリートが決められ、島は2028個のブロックに分割された。つまり、建築物の最大面積が決まった。次に、法律で最大許容建設範囲が決まった。つまり、最も建物の容積を大きくとった時の形が定められた。日本の住宅街では北側斜線なんてのがありますが、東西南北斜線が決まった、という感じ。この建築外形はなんとなく角張ったH2Aロケットみたいな形です。
教会でも王族でも伝統でもなく、ルールと経済原理が支配した街では、あとは必然的に上へ上へと建物が伸びていったそうな。
かくして、摩天楼が生まれた、と。
東京の街はなんだかごちゃごちゃしていますが、でっかいビル作るにはジアゲから入らないといけないので、必然的に街に多様性が生まれている気がしました。マンハッタン、行ったことないのですが、見てみたいなあ。 -
丁寧に読む気を削ぐ、難解な表現のオンパレード。字面で意味を読み取ろうにも、誰が分かるんだろうという比喩。
著者がいいたいことを容量良くまとめたら、ページ数が1/5くらいで済むのでは。
テーマや断片が面白いのは間違いないが、それ以上に読む時間に比して得られる内容の少なさに、読了後、時間を捨てた気分がした。 -
建築を学ぶ学生さんより借りました。まっさらな土地にいきなり大掛かりな建造物ができる前哨戦を経て、マンハッタンにどかどかと摩天楼が計画されていく…。こんな国と戦争してたのか、と、別視点で恐ろしくなりました。面白いのに、面白かったのに、分からない言葉(ストレート及び比喩表現含め)が多くて、半分も理解できなかった自分が悔しい。もっと知識を積んでから、再チャレンジしたい一冊です。
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フロンティアとしての建築、都市計画のあり方を探るつもりで読んでみた。なぜなら、NYがフロンティアとして象徴的存在だから。
しかし、グリッドとして仕切られ、更にセントラルパーク(自然)と建築空間とが区切られた後の、束縛の解決を暴露的に批評している。
摩天楼は人類が天空を目指したバベルの塔ではなく、超過密都市故に生まれた分裂的錯乱とは面白い。
更にコルビジェ、ダリ、リベラ達の表現を抹殺してしまうマンハッタンの自我。恐るべし。 -
大衆的欲望の瞬間最高到達点。マンハッタン。
そこから何が見えたんだろう。 -
大衆性と形而上性、商業性と崇高さ、洗練と野性を融合するマンハッタン・・・面白かった!!
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ニューヨークの昔の建造物はもはやギャグの領域ではないだろうか?