暗黙知の次元 (ちくま学芸文庫 ホ 10-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480088161

感想・レビュー・書評

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  • 難解過ぎる。なぜこれを買ったのかも思い出せない…

  •  「暗黙知」という言葉はご存知ですか。人は「言葉にできるよりも多くのことを知ることができる」とこの本では表現されていますが、人は必ずしも言葉では説明できないけれども、思考に基づいて様々な行動を表出させています。それを著者は「暗黙知」としています。
     この本では、暗黙知には機能的側面、現象的側面、意味論的側面、存在論的な側面の4つの側面があると説明されています。そして、暗黙知が発揮される仕組みや、暗黙知の構造が人間の動作を包括する仕組みなどについても論じられています。
     人の思考や行動を捉えようとする研究などでは、暗黙知という視点は欠かせないと思います。人の思考や行動などに興味・関心がある方は、ぜひ一度読んでみてください。
    (ラーニング・アドバイザー/教育 FUJI)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/opac/volume/4093079

  • めっちゃムズい。
    なかなか読み進められない。。
    チャレンジ読書枠として読むことにする。

  • 専門性の高い仕事をどうやってシステム化するかということにおいて暗黙知の形式知化というのは大きなテーマだ。もともとプロフェッショナルサービスの生産財としての情報を提供するシステムについての開発マネジメントを研究テーマとしていたことが背景としてあり、先日紹介してもらったので読んでみたのがマイケルポランニーの暗黙知の次元だった。

    読んでみると、いや難解!(汗)150ページくらいだからさらっと読めるだろ、と夏休みの読書の1冊でほかにも3冊くらい読めると思っていたんだけど、実際に夏休みに読めたのは上野千鶴子著「情報生産者になる」とこの本の2冊だけ。

    「私たちは言葉にできることより多くのことを知ることができる」といういわゆる暗黙知の事実が議論の起点になっている。1章で暗黙知の基本的な構造について対象を知ることと方法を知ることから現象的、意味的な考察として論じているのだけど、いったん読んでノートに話の構造を書き出してみないともうついていけない・・・。なんでこんな言葉使いで訳されているのだろうと思うくらい無駄に難解な言葉で書かれている印象を受けた。認識論とか認知心理のような考え方の理解としてはとても参考になった。へぇ、と思ったことをいくつかまとめておこうと思う。

    「あけすけな明瞭性は複雑な事物の認識を台無しにしかねない」

    これは、シンプルに本質に迫ろうとしたらそぎ落としてはいけない部分まで捨てられてしまいかねないという意図だと理解できる。暗黙知を形式知化する過程で必要なところまで落としてはいけないよ、という注意だけど確かに暗黙知として形式知化したときの価値を考えるとなるほどと思える。

    「全ての研究は問題からはじめなければならない。見えないものが見えること、見ると信じることを暗に認識している。これが事実なら問題が妥当なものになる」

    これは、上野千鶴子著「情報生産者になる」にもあった研究の実行可能性の検討と同じようなことを言っていると思う。確かに暗黙知としてそこに存在はしているけど、認識されていないものや見過ごされているものにスポットライトを当てるということが、研究で明らかにするということなのだと考えたらもっともな話だ。そうか、見えないものが見えると信じることを暗に認識している、というのはものすごい観念論だけど、確かに研究者としての個性はそこにあるんだろうなと思う。

    文章自体の構成は難解だけどしっかりしているのに、自分の語彙力のなさからなのかなんか読みづらさ満点だったな、と感じてしまった。国語が得意な人にレクチャしてもらいたい。時間がたったらまた読んでみようと思う。ノートで復習して読んだらもう少しすんなり分かるかな。

  • 咀嚼できていないと思うが、人の顔を見て、誰かは分かる、しかし、それを言葉にすることはできない。味もそうだし、感覚もそう。それが暗黙知。今まで暗黙知は悪しきことで、形式知化を目指すものと考えていたが、そうではない、暗黙知であるからこそ、の利点。ここが咀嚼できていない・・

  • んー... 難しい!笑

    部分部分の言いたいことはなんとなくわかりました。
    何回も読み直して理解する必要がある本だと思います。

  • 今まで暗黙知について誤解していたかもしれない 。「その人しか知らないこと」のようなイメージでいたが、
    『私たちは言葉にできることよりも多くのことを知ることができる』
    という一節の通り、言葉と言葉の間の見えないその人自身も認識できていない「知」が暗黙知ということなのかもしれない。

  • 生きることと考えることの論理的な相互関係について。

    日本語訳の上手さもあって論理展開は割りと平易だが、思考が生まれてきた時代背景(マルクス主義やソ連の支配)を追体験できないので、正確に理解することはできないのだろうと感じた。

  • 暗黙知とは、要すれば「言語化できない形で知っているものがある」ということだが、原著を読むと個別のパーツの集まりから包括理解にいたることが暗黙知の暗黙知たるゆえんのようだ。

    近位と遠位というのが妙な言い方だが、身体の感覚を活用し、知覚することの意識を、目的に向けることで、遠くにあるものを意識しながら、身体のパーツがいろいろあるという感覚に沿った表現のように思う。

    マイケル・ポランニーの主張としては、脳みそだけで、認知が起きるわけではない、ということが、一番のポイントか。

    以下引用。

    「暗黙知は知覚された対象を介して神経過程を感知するための方法」

    「すべての思考には、その思考の焦点たる対象(コンテント)の中に私たちが従属的に感知する、諸要素が含まれている。およそ思考は、あたかもそれらが自分の体の一部ででもあるかのように、その従属的諸要素の中に内在化(dwell in)していくものなのだ」

    「創造性が新しい価値を生むとき、それは含意によって、暗黙のうちに生むことになる。つまり私たちは新しい価値を明示的に選択することはできず、新しい価値を創造したり採用したりという行為そのものを介してその新しい価値に従属しなければならない、ということだ」

    Ⅰ暗黙知 Tacit knowing ・・・この原語にあるように、暗黙知は、「暗黙に知ること」であって、「暗黙の知識」などではない。
    「私たちは言葉にできるより多くのことを知ることができる」
    「私たちのメッセージは、言葉で伝えることができないものを、あとに残す。そしてそれがきちんと伝わるかどうかは、受け手が、言葉として伝え得なかった内容を発見できるかどうかにかかっているのだ」
    「私が「知る」というとき、それは実践的な知識と理論的な知識を二つながら意味している」
    「技能とは、自分でもよく分からないさまざまな関係に照らしながら、何とも特定しようのない個々の筋肉運動を、統合するもの」

    暗黙知の4側面
    「機能的構造」:私たちが小さな個々の運動からそれらの共同目的の達成に注意を払うのであり、それゆえ、たいていは個々の筋肉運動それ自体を明らかにすることができないという構造
    「現象的構造」:私たちはA(近位項)からB(遠位項)に向かって注意を移し、Bの様相の中にAを感知するという構造
    「意味論的側面」:道具を使用して得られた出来栄えを介して、道具の感触が意味するものに注意を傾ける
    「存在論的側面」:上記3つから、「暗黙知が何を認識するものか」=近位的条件と遠位的条件があいまって構成する包括的存在を理解すること

    「問題を考察するとは、隠れた何かを考察すること・・・まだ包括されていない個々の諸要素に一貫性が存在することを、暗に認識することなのだ。この暗示が真実であるとき、問題もまた妥当なものになる。そして、私たちが期待している包括の可能性を他の誰も見出すことができないとき、それは独創的なものになる」

    Ⅱ創発 Emergence
    「外界の事物の個々の諸要素はまとめられて相応の存在へと統合されるのだが、そうした何組もの諸要素を身体に同化させることによって、私たちは自らの身体を世界に向かって拡張し続けていくのだ」
    「個々の諸要素を統括する規則によって、より高位層の組織原理を表すことはできない」
    「生ける存在としての私たち自身のもっとも際だった特徴は、感覚をもっていること(sentience)なのだ」

    「存在するべきいかなる事柄も、存在してる事柄によって決定されはしない。したがって生命体が誕生するときには、無生物には存在しない、ある原理が稼働し始めているのに違いないのだ」

    Ⅲ探求者たち A  society of explorers
    「理論には「不意の確証)surprising confirmations)」が存在するとよく言われる」
    「発見は、現行の知識が示唆する探究可能性によって、もたらされるのである」
    「知覚とはかように底なしに奥深いものなのである。私たちが知覚するのは実在(リアリティ)の一側面であり、したがって数ある実在の側面はいまだ明かされざる、おそらくいまだ想像されざる、無限の経験に至る手掛かりになるからである」
    「独創性は、あらゆる段階で、人間精神内の真実を増進させるという責任感によって支配されている」・・・ここに道徳の起源がある
    「「可能性」を論ずる主張は、「確実性」を論ずる主張と同様に、個人的判断を含んでいる。それが推測だと言われようが、確実だと主張されようが、結論とは、おしなべて、それに到達する人間のコミットメントを表現するものなのである」
    「ある主張が真実だと訴えるのは、単に、それがみんなに受け入れられるべきだと断じているに過ぎない。・・・それが普遍的であると宣言されるのは、私たち自身がそうした価値判断を尊重しているからなのである」

  • だいぶ難解、途中数ページ飛ばした。

    暗黙知とは包括であり、他者だけでなく生物も含む。
    そこに上位下位レイヤーがあり、歴史を作ってきた。

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