数のエッセイ (ちくま学芸文庫 ヒ 9-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480090416

作品紹介・あらすじ

数にはそれぞれ顔がある。"28"はその不思議さから完全数と呼ばれた。エウクレイデスはその4つを知り、それらの関係の秘密を発見した。その後探索は続いたが5番目の"33550336"が知られたのはルネサンス期に入ってからのことであった。また"220‐284"のように、お互い同士が不思議な関係は、友愛数と呼ばれ、それが偶数同士の場合の和は、なぜか9の倍数の場合がほとんどで…。数のおもしろさに幼いころから魅せられた数学者が、さまざまな話題を、理論と実験を通してくりひろげる異色の数学エッセイ。ほかに、円周率をめぐって、正多角形のタイル張り、公式集の誤りについて、などを収録。

感想・レビュー・書評

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  • 2回目読了。

    代数、解析、幾何、計算幾何学などについて著者の見識があふれる一冊。
    各文章のレベルにバラツキがあるので全てを理解しようと思って読むと不完全燃焼を感じるが、著者の考え方や姿勢をくみ取るぐらいの感じで読めば、読み易い。

  • めずらしく?ちくま学芸文庫を、それも横組のものを!「数学の試験」に悩まされることもなくなって久しいし、こういうのを読んでもいいかな、読めるかな、と思ったんだけど。やっぱりちょいと難しい、です、お恥ずかしい。最初の刊行が1972年(中央公論社)だから、本文中の「現在の」とか「昔の」といった表現もまた、そのへんを勘案しなければ読めません(著者による「文庫版あとがき」2006年11月、あり)。とはいえ「試験とは関係ない」と思えば、私は数学アレルギーは発症しないことになっていますし、他の理由もあってひととおり読みました。「他の理由」とは。わが家には「Hide Hitotsumatsu」ととてもきれいなペン字でサインの入った古書(なんと、ウォルター・デ・ラ・メアの著書!)があるのです。一松信氏の長兄にあたる方らしくて、英文学者だった、とのこと。あるいは遺品整理の際にでしょうか、市場に出回ったものが、何の因果か私の近くに。これもご縁、と、この本を読んだのでした。件のデラメアの原書は3分の1ほどを除いてそれ以降はアンカット本。持ち主であった「一松ヒデ氏」が読みたくても読めなかったのかどうか、委細私には知る由もなく。残りの頁をナイフで切って開けたい気は山ほどありますが、それだけ余計に「容易には開けられない」という気持ちが働いて、未だ逡巡したままです。いつか、「カット」するときが来るでしょう。でもそれは、いつでしょうか。さて、『数のエッセイ』。数学が得意だったころもあるなぁ、などという方にはお薦めします。私は、相変わらず「文字に開いて説明できる事柄」なら案外理解できるものだな、と感じた次第、です。それから、3次元(もちろんそれ以上)になると、私の頭の中がだんだんと破綻してきます、車の運転は、せぬがよろし。なぜか、トポロジーは好きです。私自身がどこまで理解できたか怪しい、それから、文章がいかにも数学者らしい、以上、長短(正確には短長)の合わせ技で、☆をひとつ減らしていますけど。

  • 自分の知識が、著者が想定しているものより足りないせいか、あまり楽しめなかった。こういうのって、なんか欲求不満になることが多い気がする。

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著者プロフィール

京都大学名誉教授、理学博士。1926年 東京都に生まれ。東京大学理学部卒業。立教大学助教授、東京大学助教授、立教大学教授、京都大学教授、東京電機大学教授などを歴任。

「1971年 『微分方程式を中心とした 微分積分学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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