幽霊名画集: 全生庵蔵・三遊亭円朝コレクション (ちくま学芸文庫 ツ 7-3)
- 筑摩書房 (2008年8月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480091666
作品紹介・あらすじ
「牡丹燈篭」「乳房榎」などの怪談で知られる幕末明治の噺新・三遊亭円朝はまた、幽霊画のコレクターでもあった。怪談噺の糧にということか、円山応挙、歌川広重、河鍋暁斎はじめ、有名・無名の画家の鬼気迫る幽霊画を、円朝は収集し続けたという。嫣然たる美女、子を抱く母、無念、恨み、心残り…本書には谷中の名刹・全生庵に遺された、それら幽霊画50幅をカラーで掲載。辻惟雄、河野元昭、諏訪春雄、高田衛、延広真治、安村敏信の各氏による、幽霊と幽霊画にまつわる美術史、文化史の方面からの充実した論考を付す。スッと汗の引く名画集。
感想・レビュー・書評
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/737833詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本当は、怖いものは苦手なのですが。
この本は、ただ怖いだけでなく、美
しさも感じられる幽霊画が多かった
です。 -
昨夏、かなり強い雨が降る中を、円生の幽霊画コレクションを見に、全生庵を訪れた。幽霊画ばかりなので、怖いのかなと思ったけど、きれいだったり面白かったりで、案外とさらっと見ることができた。当時は円生のことまったく知らなくて、最近の落語ブーム(自分の中の)で興味が出てきたところ。この本は辻先生の名前で手に取ったのだが実際は前文だけ。しかも妖怪は興味あるけど幽霊にはあまりないみたい。カラーですべての幽霊画が収められており、しかも本物を見たときよりなぜか怖い気がする。応挙の幽霊画を解説した章と、時代毎に幽霊の姿が変遷していくことを多数の図版で紹介した章と怪談牡丹灯籠が生まれた背景を、いかにも学者先生っぽく緻密に詳細に調べた章が面白かった。「真景累ヶ淵」気になるなぁ。
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なぜ幽霊画の専門家は幽霊の足の有る無しにこだわるのか。
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幽霊画は喜怒哀楽だけでなく美醜愛憎もあり、その時の時代背景を表しているようで様々に変化している。エンターテインメントともいえるのではないか。
幽霊画を見ていると引き込まれて違う世界を見ているような感覚になる。
人吉にある永国寺にある幽霊画を見た時、見入ってしまったのを思い出す。
妖怪と幽霊の違いについてもあり、これも時代背景や人生の歩みによってとらえ方が違ってくる。だから現代でも魅力を失わないんだろうなぁ。 -
日本文学の授業で。美人画のような女の幽霊の絵はとても美麗。
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円朝の幽霊画コレクション。岩佐又兵衛を書いたのと同じ人。怖い系では女郎屋の死にそうな女郎。きれい系では反魂香が一番好き。
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新聞の書評欄で発見し,即購入.
三遊亭円朝の幽霊画コレクションのグラビアも良かったが,個人的には『幽霊画の足はいつから/なぜなくなったのか?』などの幽霊に関する諸考察が興味深かった.
『円山応挙起源説が有名だが,実はそれよりも前から足のない幽霊画は存在し,応挙が有名だったから日の目を見た』『反魂香や雲を伴って現れるからでは』というような展開になっていた.
全頁がグラビアと同じ紙質なので少々高い.
まあ確かに同じ紙の方がページをめくりやすいのだけれど.
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