グレン・グールドは語る (ちくま学芸文庫 ク 19-1)

  • 筑摩書房
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480093134

感想・レビュー・書評

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  • 早熟の天才、わずか50歳でこの世を去ったグールドの音楽の秘密に迫るロングインタビュー。リラックスした本人の弁による回答というのが面白い。
    しかしインタビュアーの作家、このジョナサン・コットもただものではない。投げかける数々の質問は、グールドの音楽性の核心に鋭く迫る的確な比喩(「・・・言ってみれば、テンポとは、注がれる液体よりも、むしろその容器の方です」などなど)に満ちていて、そのせいかグールドは、安心してそのすべてを明かす。
    それにしても読めば読むほど、時代が追いついてなかったの感が、ぬぐえない。実在あるいは架空の人物の「なりすまし」(露地庵先生を思い起こすが)一つ取っても・・・!!(なりきって論文を書いてしまうなど)
    自分の中でのピアニストの概念が塗り替えられてしまった。

  • グールドの透明な演奏を思い浮かべながら読む←つもりだったのですが、そのようにはなりませんでした。
    今度の休みに久々に聴こうかな?

    • たたよんさん
      レクター教授の物語を読んでいたら、私もまた彼のバッハをまた聴きたくなりました。時々、鼻歌まじりのベートーベンとかね。
      レクター教授の物語を読んでいたら、私もまた彼のバッハをまた聴きたくなりました。時々、鼻歌まじりのベートーベンとかね。
      2014/03/19
  • 気がついたら手にしていて、癖のある彼の発言に飲み込まれていた。最初はこの人、何言ってるんだろう、と、うーん、わからない…わかりたい、のくり返しだったけど。彼は最良の再現者いや、表現者だったのだ。彼のCDを聴いて、また読みなおそう。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「わからない…わかりたい、のくり返し」
      私も、ふーーんでした。
      それにしても不思議な人ですよね、グールドのお陰で、透明感あるバッハを味わえた...
      「わからない…わかりたい、のくり返し」
      私も、ふーーんでした。
      それにしても不思議な人ですよね、グールドのお陰で、透明感あるバッハを味わえたような気がする。
      2012/08/24
  • 彼の数々のエピソードを聞いて、いったいどんな演奏をするピアニストなのだろうと思っていたが、繊細な音色、聡明さの伝わる演奏で「えー!??っ」とびっくりした。もう少しCD聴き込んだら彼の文章を読みたい。

  • 専門外でよくわからない箇所も多々あったけど、グールドの語りはモノマネが入ったり、軽妙に皮肉をいったりと、その人柄が鑑みえた。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/738145

  • 《…グールドは、自分の聖域、神聖な森を創り出した。自分の音楽とテクノロジーへの執着心を楽しみつつ探求のできる秘密の場所である。》p19
    《すなわち、自分の人格のある部分は、特定の生き方や特定の名前が決める構造の中でこそ効果的に機能するのだと。》p99
    《創意とは、自分に期待されるものとはいくぶん違った前提を固守するときに用いる精妙さと関係があると思います。私はいかなる非難にも耐えられませんし、ビートルズについては本質的に侮辱や非難の対象外ではないかと私は考えています。》p137
    《まず、メンデルスゾーンとムソルグスキーの対比は、実に説得力があること。そして、「奇態指数」(quirk quotient)〔グールドの造語〕というものがありますが、メンデルスゾーンの作品の指数は最低値であることです。》p140

  • 原書名:CONVERSATIONS WITH GLENN GOULD(Cott,Jonathan)

    第1部◆グレン・グールド・フォトアルバム◆第2部◆ジョージ・セル事件

    著者:グレン・グールド(Gould, Glenn, 1932-1982、カナダ、ピアニスト)、ジョナサン・コット(Cott, Jonathan、1942-、アメリカ・ニューヨーク、ノンフィクション作家)
    訳者:宮澤淳一(1963-、太田市、音楽評論家)

  • グールドについては、彼が紡ぐ音についてはもちろん素晴らしい事に異を挟む余地は全くないが、彼の奏法や行動、風体がある意味異彩を放っているが為に、その音楽性と共に語られることが多いがこの著作での彼の言葉を目にするとそれが当然ではあるが彼によって紡がれた音とは全く関係のないと同時に彼自身が音楽についてどう考え、それをどう表現するかに真摯に向き合っていた様を知ることが出来た。また、彼の知見にも触れることができてより彼をリアルな存在として認識することができた。

  • ◆きっかけ
    『7つ目の絵の具』でいせひでこさんがグレンのことに触れていて興味を持った 2016/08/12

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著者プロフィール

1932年9月25日トロント生まれ。ピアニスト・思想家。幼少より楽才を示し、トロント音楽院(現ロイヤル音楽院)に学ぶ。作曲家を志すが、ピアニストとして十代よりカナダで認められる。1947年トロント交響楽団と初共演、1950年CBC(カナダ放送協会)で初のラジオ・リサイタル。1955年、22歳で米国デビュー。翌年発売した《ゴルトベルク変奏曲》のアルバムで従来のバッハ解釈を刷新し、話題を呼ぶ。57年にソ連や欧州への演奏旅行に成功。以後、独自の選曲と解釈で名声を高めていくが、64年のリサイタルを最後に舞台から退き、以後はレコードと放送番組のみで演奏活動。音楽論やメディア論をめぐる文筆も行ない、新しい音楽作品を意図した「対位法的ラジオ・ドキュメンタリー」の制作も手がける。終生トロントに暮らし、82年10月4日脳卒中にて急逝。死後も人気は根強く、録音・映像・著作の紹介や学術研究が続いている。

「2017年 『グレン・グールド発言集 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

グレン・グールドの作品

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