表現と介入: 科学哲学入門 (ちくま学芸文庫 ハ 43-1)

  • 筑摩書房
3.20
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本棚登録 : 220
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480096555

感想・レビュー・書評

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  • 科学哲学の入門書としても役立つだろう本書だが、実は
    科学哲学を学んだ人が改めて読むと一番面白い本なのでは
    ないかと思う。当方、まだその域までは達していなかった。
    後半は「実験」に重きを置く著者の立場がよく現れている。
    その辺りは巻末の解説を読むとよくわかる。巻頭に各章の
    まとめ、巻末に詳しい目次、実に読者に誠実な本であった。

  • 医学部分館2階書架 : 401/HAC : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410170214

  • 「科学哲学」と称する、科学的実在論~科学理論に生じる概念の実体性を問う~のみをネタとした本。中身はないし面白くない。
    科学者、科学者の周辺産業に巣食い、成果にタダ乗りする、国家や政治、社会には口を出さず手垢のついた狭い理論のお勉強に勤しんでばかりで哲学とは縁遠い。米英は平和が続いて、大戦前後の科学成果を消費するだけの余裕ができていたってことなのだろう。ファイヤアーベントが『知についての三つの対話』で著していたことは大げさでも冗談でもなく、大真面目な現実なのだ。
    解説の内輪褒めを見て、この筋の人たちと関わっちゃいけないと確信した。加えて読書に充てた通勤時間を返してほしい。

  • 哲学

  • 「科学哲学」における画期的な書とのこと。読んで大変面白かった。碩学の著者は哲学一般にも自然科学にも第1級の知識をもち、きわめて深いところまで考察している。
    書名の「表現」というのは、主に科学哲学的な言説や理論を指す。その中心となるのは「実在論」に対する是非の論争だ。著者は「実在論」を採るスタンスだが、科学者の中にも理論上の知覚対象を「実在」とは認めないという人々がいるらしい。
    とにかく前半の第1部が哲学書として非常に面白く、感心する部分も多かった。
    後半の「介入」というのは、科学上の「実験」のことであり、これと「理論」「観察」との相互関係が探究される。化学的なエピソードが多く載っているが、私にはちょっと読みにくく、前半ほど面白くはなかった。
    実在をめぐる「表現」そして「介入」が、人間による「実在」の普遍的アプローチである、と考えるのは納得できるものがあり、どちらかというと机上の思考ばかり繰り広げている哲学者一般も、少し反省した方がよさそうだ。

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著者プロフィール

トロント大学教授。
1936年カナダ生まれ。専門は科学哲学。ブリティッシュコロンビア大学卒業。ケンブリッジ大学にて博士号取得。ブリティッシュコロンビア大学准教授、スタンフォード大学教授などを経て1991年より現職。2001~2006年にはコレージュ・ド・フランス教授も務めた。
日本では以下の翻訳が出ている。『知の歴史学』(岩波書店、2012年)、『何が社会的に構成されるのか』(岩波書店、2006年)、『偶然を飼いならす――統計学と第二次科学革命』(木鐸社、1999年)、『記憶を書きかえる――多重人格と心のメカニズム』(早川書房、1998年)、『言語はなぜ哲学の問題になるのか』(勁草書房、1989年)、『表現と介入――ボルヘス的幻想と新ベーコン主義』(産業図書、1986年)など。

「2013年 『確率の出現』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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