いちばん大切な食べものの話 ――どこで誰がどうやって作ってるか知ってる? (ちくまQブックス)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480251411

作品紹介・あらすじ

食糧自給率が38%しかない日本。今すぐ国内生産を増やさないと大変なことに。でもどうやれば? 食の問題に取り組む二人のプロフェッショナルと考えます。

感想・レビュー・書評

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  • 筑摩書房 ちくまQブックス
    https://www.chikumashobo.co.jp/special/chikuma-qbooks/

    筑摩書房 いちばん大切な食べものの話 ─どこで誰がどうやって作ってるか知ってる? / 小泉 武夫 著, 井出 留美 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480251411/

  • 第1章 とっても低い日本の食料自給率
    第2章 改革に成功した先人から学ぼう
    第3章 ものの価値を知る
    第4章 日本の食のために今すぐ取り組むべきこと
    第5章 日本の伝統的な食生活を見直す

  • 日本の食料自給率が低いこと、今後どう向き合うべきかが、インタビュー形式で書かれているからとても読みやすい。中学生向け?

  • またしてもちくまQブックスを読む。
    先ほどレビューしたジュニスタと、競合するレーベル。

    発酵学の大家、小泉武夫(どうしても音楽学者の文夫さんと混乱してしまう)先生に、食品ロス問題に取り組むジャーナリストの井出留美さんがインタビューする形式の本。

    日本の食料自給率の現状、農業政策の問題点など、最初からつらい現実が突き付けられる。
    そこへ小泉さんが、各地の農業リーダーの取り組みを紹介していく。

    例えば熊本の中嶋農法。
    輸入肥料に頼るのではなく、堆肥づくりを重視する。
    びっくりするのは、いい土で育った野菜の自然治癒力。
    少しくらい青虫に食べられても、まったく問題ないという。
    にわかには信じがたいが…。
    今、ウクライナの戦争で肥料が高騰していることを考えると、こういう方向に進むべきではなかったか、と思えてくる。

    それから、ドゴールの農業政策については、本書で初めて知った。
    まず各県を独立させる。
    そして県内での各食材の消費量を調査して、県内農家に必要な量を作らせるよう指示したという。
    食料の安全保障を考えたようだが、ここだけ聞くと社会主義国の政策のように見える。
    その結果、先進国でありながら、食料自給率が100パーセントを超える農業国になった。
    食糧問題だけでなく、出生率とか、日本と比べると、いろいろな面で対照的な国だなあ、と改めて思う。

    政治の問題だけでなく、消費者の姿勢にも問題があるという。
    本物の食料を作るには、それなりのコストがかかる。
    消費者は生産者を支えるつもりで、質の良い食べ物を作っている農家、食品メーカーを支えないといけないというのだ。

    理屈の上では、たしかにその通りだと思う。
    だが、ちょっと違うことも考えてしまったりする。
    大量生産の食品を「ダメな食品」とも言いたくない。
    生産者の労力に見合うフェアな価格である必要はわかる。
    が、買えない人が出てきたとすればどうだろうか?
    では、安い食品から高い食品までいろいろ選択肢がある、「食の多様性」がある状態であればよいのか?
    よい食べ物を、全ての人に、というのは、やはり難しいのだろうか…。

    いずれにせよ、身近な問題でもある食料のことを、改めて考えさせられるよい本だと思う。

  • 「からだは食べたものでできている
    私たちのからだは食べたものでできている。だけどその大切な食べもののことをずいぶんおろそかにしていない? まだ食べられるのに捨てられる食品、低い食料自給率、狭い場所に閉じ込められる家畜、栄養不足で育てられる野菜、価格優先の食品メーカー等々。今こそ日本の食を立て直そう!」

    著者:
    ・小泉武夫(こいずみ・たけお)
    東京農業大学名誉教授。専門は食文化論、発酵学、醸造学。発酵の第一人者として、発酵技術を社会に役立てる提案を多数発信している。
    小泉武夫(こいずみ・たけお) 著者近影
    ・井出留美(いで・るみ)
    食品ロス問題ジャーナリスト。『SDGs時代の食べ方』など著書やネットメディアでの連載で、食料問題に関する提案を多数発信している。

  • 食料自給率の話とか、それを上げるための具体的方策とか、前半は興味深く読めた。後半になると、ちょっとこれ、眉に唾つけてかかった方が良いんでは、っていう内容も含まれる気がする。一次産業一辺倒という訳にはいかないにせよ、もっと真摯に向き合わなきゃいけない課題には違いない。

  • 忘れた頃に、定期的に読みたい1冊。

    ファストフードに、投票している場合ではない。

  • 食糧自給率が38%しかない日本。今すぐ国内生産を増やさないと大変なことに。でもどうやれば? 食の問題に取り組む二人のプロフェッショナルと考えます。
    私たちのからだは食べたものでできている。だけどその大切な食べもののことをずいぶんおろそかにしていない?まだ食べられるのに捨てられる食品、低い食料自給率、狭い場所に閉じ込められる家畜、栄養不足で育てられる野菜、価格優先の食品メーカー等々。今こそ日本の食を立て直そう!
    第1章 とっても低い日本の食料自給率(食料自給率が低いと何が問題なのか;もし食料の輸入がストップしたら )
    第2章 改革に成功した先人から学ぼう(食料自給率を改善した大統領、シャルル・ド・ゴール;学校給食を重視 )
    第3章 ものの価値を知る(ニセモノのキムチ;食べものにも正義心を )
    第4章 日本の食のために今すぐ取り組むべきこと(このままだと日本から食料がなくなる;農業の力が国の力を決める )
    第5章 日本の伝統的な食生活を見直す(和食は最高の免疫食;江戸時代の超スタミナ食 )

  • 優しい絵の表紙ですが、とても濃い内容の本です。
    私も食について全力で考えて行動したいです。
    日本人は自分さえよければ良いと考え買い物をする人が多いように思います。
    まずは買い物は投票!この買い物で社会は変わるんだという意識でいたいです。こう思う人が増えたら日本の食事情は良くなるはずです。

  • もともと農耕民族だから肉と野菜(食物繊維)をバランスよく

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著者プロフィール

小泉武夫(こいずみ・たけお):1943年、福島県の造り酒屋に生まれる。東京農業大学名誉教授。専門は醸造学・発酵学・食文化論。専門的な話を、分かりやすく伝える達人。また食の未来を中心に、日本が抱える多くの大問題に挑んでいることから、「箸(★正字)を持った憂国の士」と評される。140冊を超える著作があり、小説も『猟師の肉は腐らない』、『魚は粗がいちばん旨い』など、専門的な知識に裏付けられた独自の作品が多数ある。


「2023年 『熊の肉には飴があう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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