あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫 や 31-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480422804

感想・レビュー・書評

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  • ズーニーさん、伝わる伝えるに続き、2冊目。やっぱりこれも胸に直接くる。分かってたはずのことだけど、やっぱり、読んでいて「あれ、ダメだったなぁ」と反省したり、「よし、これはこの基準で考えよう」と、この中から学ぼうと思ってもいなかったことが得られたり。

    ズーニーさん自身も、書くときに本書を参考にしているという。本人だって、書いてあることを完全に理解して日々心がけるのは、難しいのだ。過去に書いた自分に助けられることだってある。自分のために、書いたというような時もある。

    ズーニーさんの文章は毎回力強く、多くの人の心に届く。私も触れ続けたいなと思う。ご本人も、得られたことを忘れないためにも、発信や活動をされているのだと思う。

    心にささる、指針になるようなことを知ったとき、やっぱりそれを忘れないように「身につける」方法を模索したいなあと思う。大事なとき、ここぞというときには本書を読み返したいが、それをしなくても体にしみつけたいなあと思う。

    どうやって染み込ませていくかを課題に感じている。書いた本人でさえ、かんぺきにやっていくのが難しいのだから、難しいなあと思う。伝わったときの感覚がすごい、とズーニーさんが言ってくれているので、身に付けないとやばいというより、いつか自分も…!と、とても楽しみに、未熟であることすらも励みになる本。

  • メディア力か~、なるほど。分かるわ~。ちょうど自分も、今春から職場環境一転、慣れ親しんだところから離れて、通じ合えなかったり、はたまた信じ合えなかったりすることからくるストレスを、久しぶりに肌で感じてる。そんなもどかしさに対する方法を、本作は見事に示唆してくれる。しかし本作者、その名前でちょっと損してはいないかい?正直、いかがわしさの先入観があって、いざ読んでみるまで、こんなに素晴らしいものと思ってなかった。コミュニケーション力においては、何かにつけ参考にするべき指南書。

  • 読みやすく、分かりやすく、何度も読み返したい本だ!
    まず、タイトルに惹かれた。会話が苦手で、その日も職場の人(その子には言いたいことが伝わる)とそんな話をしていた矢先に出会う。

    まず、メディア力がある事!にはじまり、じゃあどうすればいいんだ〜という泣きの問いに読み進めるほど理解が深まりやすく書かれている。

    自分の周りの話が伝わりづらい人、伝わりやすい人に当てはめ読んでなるほど〜となる。

    最後まで読んで、時間はかかるかもしれないけど、理解し合える話し方ができるようにがんばるぞ〜!と希望を持たせてくれる。
    手元において、何度も読み返したい本です。

  • コミュニケーションを体系的に学べる1冊で、コミュニケーションの教科書にしたほうが良いと思った良書。

    読書メモの詳細は下記ブログを御覧ください!
    https://note.mu/masatake0914/n/n3f35d06ba0d4

  • 社内で意見が合わずこじれることがままあったのと、DAIGOさんのオススメ本だったので読んでみましたが、しばらくぶりの他人にオススメできる珠玉の本でした。
    通じるためには相手への信頼が重要であり
    「相手の問いを理解する」スタンスと、
    「"なぜ"の理由を伝える」スタンスを無意識にできるまで
    紙にでも貼っておきたいと想います。

  • コミュニケーションに悩めるすべての人へ!クリティカル・シンキングに通じるお話。私の好きなズーニーさんの話。

    【想いが通じる5つの基礎】
    1. 自分のメディア力をあげる
    そもそもどんな風に見られたいのか。人の発信に100%(少なくとも50%くらいは...)、心を込めたリアクションをしたい。

    2. 相手にとっての意味を考える
    相手と私のイシュー(話の論点)をおさえる。

    3. 自分が一番言いたいことをはっきりさせる
    主張を明確にする。あやふやじゃなくてスタンスを決めることが大切!

    4. 主張の理由を説明する
    主張を通すには、根拠で論理の下支えが欠かせない。

    5. 自分の根っこの想いに嘘をつかない
    「ロジカル」か「パッション」かではなく、「ロジカル」も「パッション」もあれば、想いは相手に届きやすい。

  • グロービスの講師の方にこの本を紹介してもらった。

    想いが通じる5つの基礎がプロローグで紹介されており、それは次のような5つである。

    1. 自分のメディア力を上げる
    2. 相手にとっての意味を考える
    3. 自分の言いたいことをはっきりさせる
    4. 意見の理由を説明する
    5. 自分の根っこの想いに嘘をつかない

    1, 5はコミュニケーションの対象にはあまり依存せず、長年の経験であったり、信念、実績など自身が積み上げてきたものに依るところが大きい。

    一方2〜4はコミュニケーションの対象との間におこる、情報の非対称性や限定的合理性といった話に近い部分で、この本は特にこれらに関するハウツー本として見た場合に非常に簡潔かつ理路整然と書かれている。


    この本の中ですぐにでも実践出来そうで、効果が高そうなものを二つだけ挙げるとすると、対象に話を聞いてもらうには「共通の問い」や「相手にどんな良いことがあるのか」を明らかにする必要があるということ。

    「共通の問い」が大切なのは、いきなり結論の意見の部分では分かり合えなくても、課題(Issue)の部分においては分かり合えるからだ。意見にはお互いの物の見方で変わってくるが、お互いの間に共通した課題や問いを設定出来れば、立ち向かうべきものが一致するので話になる。逆にそれが設定出来ていなければ立ち向かってるのはお互いの主観になってしまう。

    また、基本的に人は自分に何の益も無い話は耳に入らない。何かを提案するとき、相手にどんなメリットがあるかから入るべきである。

  • 話は結局誰が言ったかということが重要になってしまう。
    私はそうしたことを何度も実感してきた。そのため必要なことは信頼であり、そのためには相手の言っていることを理解し要約する力が必要になってくるとわかった。

  • 思っていたよりかなり深い。もう一度ゆっくり読み返す価値十分にある。コミュニケーションが上手くなるためにどうしたらよいかを基礎から事例を交え懇切丁寧に書かれてる。

  • 【著者】
    山田ズーニー
    岡山県生まれ。Benesse「小論文」編集長として高校生5万人の会員を持つ小論文通信教育を企画・編集
    ・プロデュース、高校生の「考える力・書く力」の育成に16年間尽力したのち独立。2000年フリーラン
    スとなり慶應義塾大学・東海大学はじめ全国多数の大学や企業で文章表現力・コミュニケーション力の教
    育に取り組んでいる。同年コラム「おとなの小論文教室。」をスタート、長期連載となった。現在は宣伝
    会議にて「編集・ライター養成講座」の東京教室で「表現力養成トレーニング」の講師を担当している。
    ◆著書
    ・『伝わる・揺さぶる!文章を書く』(PHP新書)
    ・『人とつながる表現教室。』(河出文庫)
    ・『半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力』(ちくま文庫)
    【概要】
    この本は、人に何かを伝える上で目的を考え、あなた(=発信者)の“メディア力”と、あなたの話を聞く
    人(=受信者)の“立場”を意識し、正しく人と通じ合うための技法を身に付けよう、というものです。
    これは自身が今後ビジネスパーソンとして成果を出すため、伝えたいことを正しく伝えるという観点だ
    けでなく、「自分=メディア」を育てていくという目的があります。つまり、長期的に仕事をする上で「
    コミュニケーションにおける自分のありたい姿=信頼される人材」を目指します。
    ◆コミュニケーションにおいてのファクター
    【発信者(=メディア力)×論理(=意見×理由)⇔受信者(聞く側)×発信者に対する印象×自己状態】
    ※自己状態:今何に興味があり、どんな問題を抱えているか、今日は何をしていたか、話を聞く余裕はあ
    るか?元気だろうか?落ち込んでいるか? 等
     
    【本書からの学び】
    1 自身のコミュニケーション力を「結果」だけで評価しない
    2 メディア力を高めよう
    3 人を説得する為の要点
    4 正論が通らない理由
    5 自身の仕事に置き換えた時
    【詳細説明】
    1 自身のコミュニケーション力を「結果」だけで評価しない
    結論、コミュニケーションのゴールを「結果」だけにフォーカスすると、人間成長は止まり、加えて
    メディア力が低下するため、組織において長期的な活躍は見込めません。
    著書では著者の失敗談を元に、コミュニケーションのゴールを「結果」」だけで見ると「愚かしさ
    」しか残らないと述べています。仕事では「世渡り上手」で結果を残すのではく、「自分の想いで人
    と通じ合い」結果を残すことこそが技術であり、人を動かす高いメディア力が身につく重要な考え方
    だと述べています。
    2 メディア力を高めよう
    メディア力を高めるとは「あの人なら間違いない」と言われるメディア力のことです。
    メディア力を高めることで、「コミュニケーションの際に始めから耳を傾けてくれる」→「相手の心
    に響かせる」→「動いてもらう」のロジックが成り立ちます。信頼が出来、説得力が増します。
    例:)
    「今、もう学歴社会は崩れています」(20歳の東大生)
    「今、もう学歴社会は崩れています」(中卒5年目の社会人、20歳)
    上記のように「どのメディア(発信者)が伝えたか」で相手に与える印象は変わります。発信者は、
    何かを伝えるとき、伝える内容の方に一生懸命になります。しかし聞く側は、予備知識も含め、発信
    者のメディア全体のイメージと発言内容の足し算で話を聞いています。

    3 人を説得する為の要点
    ・「論理(意見×理由)」を考える癖付け
    ・「考える力」を身に付ける(問題発見力、多角的考察力、論理的思考力)
    ・話し出す前に、相手と「論点」を合わせる
    ・「人として当たり前」を」おしつけない
    4 正論が通らない理由
    聞き手は話し手をシンプルにカテゴライズしており、「この人はただ文句をよく言う人」とカテゴラ
    イズされている人はなかなか正論が通じません。
    少し話が逸れますが、今リピート通販が市場で熱いとされています。背景は人口減によってもたら
    された、民間企業のマーケティングの変化が大きく関係しています。(人口減→商品の差別化・新規
    顧客の獲得だけでは競合に勝てない→既存顧客のリピート化・購入離脱者の減少が打ち手)
    しかしもう1つの要因として、「判断疲れ」というものがあります。例えばコンタクトをWEB上で
    定期的に購入している人がいるとして、毎月買う人はいちいち最新のコンタクトを探して自分に良い
    ものを判断し購入しない。大半の人は「前回と同じ」ものを購入する。これが「判断疲れ」です。
    話を戻しますが、聞き手は話し手の分析をこの「判断疲れ」により、ある程度の表層的な部分でカ
    テゴライズしており、自分にとってメリットを提示してくれる人の話ししか聞いてくれない傾向にあ
    ります。
    5 自身の仕事に置き換えた時
     この本で、個人の「メディア力」を考えるきっかけになりましたが、改めてエンジャパンの人事として
    どんな「メディア」の成長を目指すべきか考えさせられました。
    採用において外へコミュニケーションをとる立場(広告・採用集客))でもあり、社内へのコミュニケー
    ションをとる立場(社内発信=ensoku)でもあります。プロジェクト推進において聞いてもらいたいこと
    、相手に動いてもらいたいことは多々あります。
    その時に、いかに高いメディア力で成果を出せるのか、または出すべきなのか、組織全体で考えていきた
    いと思いました。

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著者プロフィール

全国各地で、表現教室のワークショップ、大学講義、講演などを通じ、表現力・考える力・コミュニケーション力の育成に幅広く活躍中。『伝わる・揺さぶる!文章を書く』『おとなの小論文教室。』他著書多数。

「2018年 『理解という名の愛がほしい。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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