この国で女であるということ (ちくま文庫 し 27-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480422828

作品紹介・あらすじ

インタビューの技は業界一と定評のある著者が『アエラ』の"現代の肖像"で掘り下げて聞いた傑作選20人。両親・友人・恩師・夫・仕事仲間などにも綿密な周辺取材を行うため、記事を読んでから一週間は連絡がなくなり、その後、お礼の電話がかかってくるという、伝説のインタビュー。中島みゆき・重信メイ(重信房子の娘)・たかの友梨・山本文緒-単行本未収録の4人を加えた、まっすぐに本質に届く、鮮やかな女の肖像。

感想・レビュー・書評

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  • 「女」にインタビューして
    「女」に語らせて
    「女」を書かせたら
    この人の右に出る人は
    いない

    その「女」を通して
    その時代の世相が鮮やかに
    浮かび上がってくる

  •  女性から女形まで、日本に生きる女性たちのインタビューをまとめた一冊。20人が載っているのだけれど、1人1人が読みごたえがあり、面白い。
     ただ、女であるだけで生きていけないのだなぁ……………と。

     しかしながら、男であるということ、という本は無いのね。いや社長列伝的な本を読めば男性しかいないかな?
     男性は人として生きられるけど、女性は人の前に女であるということが付いてきてしまう気がする。なんとなくだけどね。

  • 重信メイさんが気になりました、お母様とは会えたのでしょうか。

  • 単行本は読んでいたけれども、文庫本は中島みゆき・重信メイ(重信房子の娘)・たかの友梨・山本文緒が入っているというので改めて読みました。

  • まず、タイトルが秀逸。

    桃井かおり・林真理子・
    天海祐希・一条ゆかり・
    扇千景・吉田美和…

    90年代前半から10年程の間に、
    アエラ『現代の肖像』に収録された
    インタビュー20本です。

    司馬遼太郎の著書にも
    『この国のかたち』というタイトルの
    エッセイがありますが

    "この国"という表現が
    読み手それぞれに 様々な解釈を
    思い浮かべさせてくれるので

    "女として生きていく"という一言が
    より力強く、切実さを増して、胸に響きます。

    もう何度 繰り返し読んだことかー。

    ただのインタビュー集ではない。

    20人ひとりひとりの話が
    きちんと物語になっている。

    それでいて

    彼女たちの息遣いが
    ふと 耳元で聴こえたかのような

    そんな 生々しく
    近しい存在にも感じられます。

    著者の文体も
    言葉の選び方も
    距離の取り方も

    たまらなく好きな一冊です。

  • 『文献渉猟2007』より。

  • 名インタビュアー・ライターといわれる著者が、各界の一角をなした女性たちについてまとめたもの。もともとは「AERA」誌の連載だったそう。登場するのは以下の方々。
    欲望――桃井かおり、北川悦吏子、一条ゆかり、扇千景、林真理子、たかの友梨
    表現――白石加代子、中島みゆき、天海祐希、坂東玉三郎、大竹しのぶ
    母の娘・父の娘――田岡由伎、山本文緒、藤間勘十郎、重信メイ
    闘い――辛淑玉、山本容子、桂あやめ、田嶋陽子、田辺聖子
    一角をなした女性というと、しなやかに生きているというイメージがあるのだが、そういう意味ではこの本の登場人物はどちらかといえば、武骨だったり、不器用ゆえに一筋の道をいっているというイメージ。そして、世間の価値観を気にせず、わが道を行く人たちという感じ。ビジネスとか実業界の人がほぼいないのだけど、考えてみればビジネス界や政治の世界などは、「名誉男性」などとして「しなやか」に生きていくことができる世界なのかもしれない。つまり、本気で生きていこうとすれば、女も男も関係なく無骨に生きることになるんじゃないかな。
    実は、読む前はタイトルがタイトルだけに、もっとフェミニズムやジェンダーの視点に寄った本かと思っていた。だけど、端的に各人物について書かれた内容からは、どこかの本にありがちな、女として生きる苦しさ、つらさ、恨み言は出てこない。
    そのわけは、この本でただ一人の男性・坂東玉三郎の言葉が表していると思う。
    「なにさ、泥つけて汚い。僕が楽しいんだからいいじゃないか」
    幼い頃、ままごとで女役をやっていて、男の子たちにはやされたときに、こう思っていたのだとか。自分が楽しいから、あるいは選んだ、選ばざるをえなかった道だから、自分の責任で道をいく。この本が教えてくれるのはそういうことだ。

  • 生きている以上、ジェンダーの壁に悩み苦しまされる。
    何より島崎さんの文章が巧みで引き込まれる。とても丁寧に取材している印象を受ける。

  • 仕事をしている女性で、ジェンダーによる壁を感じたことのない人は、いないだろう。そんな壁にぶちあたった2年前に、本屋さんで出会った一冊。

    タイトル買いをしたが、内容は予想よりはるかに良かった。

    アエラで掲載された、さまざまな立場の女性のインタビューをつうじて、「この国で女性であること」の意味、難しさ、喜び、そして希望を描き出そうとした、中身の濃い、読んでよかった一冊。

    共感できる部分があふれている。落ち込んだ時、貴女を力づけてくれるはず。

  • テレビ欄のコラムもおもしろい、島崎今日子さんのAERA「現代の肖像」の傑作選。うまく表現できないけど、文章のテンポと、おおっと思わせるうまさは才能でしょうね。登場する人たちは、みな魅力的。

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