- Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480423269
作品紹介・あらすじ
かたや、緩やかに曖昧で、しかも精緻な自然をそのまま受け容れる仏教的な解剖学者。かたや、悟りを論じるのに脳科学を援用し、死後の世界を量子論から透徹する禅僧。異色の知がらせんのように絡み合い、見事に共振。緩急自在にあなたの脳を刺激します。人間という存在の「まるごと」に真正面から向き合えば、現代人が陥っている病理も、そして希望も見えてくる。
感想・レビュー・書評
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解剖学者の養老孟子と、僧侶で作家の玄侑宗久の対談です。
養老はしばしば、キリスト教や儒教は都市の宗教であるのに対して仏教は自然の宗教であり、自分の考えは仏教的な見方と一致するということを語っていますが、本書ではそうした養老の述懐を玄侑宗久が裏づけていくというかたちで、両者の議論が展開していきます。
ただ、両者の考えがあまりにも一致しているせいか、どちらも相手のいうことがわかっているということをいささか性急に表明してしまうので、読者としてはもうすこしゆっくり途中の議論を示してほしかったという思いがするところもあります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
優れた知識人だけが西洋思想を誤謬と見なし東洋思想に傾倒するわけですが。最終的には西洋思想の時代が来るにしても。このまま永遠に最後がやって来ないのでしょうか。
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科学と心理学、社会学などの境界上での興味深い対話。
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科学と宗教の観点から人間の魂を考える。
科学者も坊さんも結局、
同じ様な指向性を持ったざるを得ないという
ところが面白い。
注記(用語解説?)が端的にまとまっていて
好感が持てる。 -
養老孟司と玄侑の対談だけで綴られているが、脳=社会 つまり個人に至る世間まで広い目で見ていてなかなか参考になる。
スピリチュアルや身体論などが好きな人はなかなか参考になるだろうと思う。専門用語が多いので注を見ながらの読書になるのだが、長く生きているひとはやはり面白いなと思う。 -
身体論から認識論、宗教論、社会学、素粒子物理学、量子論など広範な興味を持つ二人の融通無碍な対談。西欧19世紀的な要素還元主義から脱却し、システムとして森羅万象を捉えていこうと云う論調だ。二人とも考え方が同じ傾向なので、啓発し合って論議を発展させている。その分意見の違いによる討論は無いので、ちょっと物足りなさもある。
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長老と坊さんの至高の対談。元気でる。
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すごいふたり。
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購入 2007/5/23