枕草子 (ちくま文庫 に 1-4 日本古典は面白い)

著者 :
制作 : 大伴 茫人 
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 36
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480423474

作品紹介・あらすじ

日本古典を読みはじめたい、もう一度読みなおしたい、と思う読者のための古典入門書。二部構成の第一部はいわゆるものづくしと随想の段から代表的なものを抜粋し、読みやすい現代語訳に、適切な語釈、読みごたえのある鑑賞を付す。第二部は宮廷生活の描写の段を時代順に再構築し、オリジナルの「加工訳」と鑑賞で、初学者にも一読で楽しめる工夫を凝らす。

感想・レビュー・書評

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  • 観賞が面白い。著者自身が清少納言のファンで、もしかすると偏った評価なのかもしれないけれど、当時の文化的・政治的背景も含めた解説が役に立つ。原文と現代語訳を読んでも「誰がどうした」「これが素晴らしい」という羅列にすぎず(というか現代語訳でも意味がちんぷんかんぷんだったり)、当時の状況がよくわからない私には興味をそそられなかった。■あまり知らなかったけど、歴史的背景が面白そう。このあたりの関連本も読んでみようかな。

  • 読ませる、理解しやすい『枕草子』の抄訳にして入門書。サブタイトルに「日本古典は面白い」と銘打ってあるのだが、大伴茫人さんの作品の場合はダテではないと納得。古典作品の読み方や楽しみ方を含めて、とても丁寧に作られた作品。

    この作品には決まった底本はなく、幾つかの全集本を参照しながら、注釈者である大伴茫人さんの判断による表記がされている。こういった自由さも、入門書ならではのもの。また、『枕草子』そのものが、写本ごとに章段が異なっているので、写本の書き手によって自由に構成されているとも判断できる。

    内容は二部構成。第一部には「ものづくし」と「随想」を集めて、〔現代語訳〕、〔原文〕と〔語釈〕、〔鑑賞〕という順序で書かれている。そして第二部は「宮廷実録」と題して、日記的章段が時系列で収録されている。そして、第二部は〔原文〕を省略し、〔語釈〕を〔現代語訳〕の中に含めた〔加工訳〕となっている。〔加工訳〕は、本文中で文字の大きさを変えて解説を加えてあるところが視力的に気になるのだが、理解を助けている点を考えれば不満に感じない。

    読んだ印象としては、第二部の〔加工訳〕が注釈的訳文になっているのは仕方がないとしても、第一部の訳文にも回りくどさを感じる。しかし、これも入門書、ビギナー向けの作りだから致し方のないところなのだろう。全体的には親切丁寧に作られていると思った。特に、〔鑑賞〕部分の作りは絶品であり、ここを読むだけでも価値がある作品だ。

  • 原文・現代語訳・鑑賞の3つからなる構成は面白い切り口だと思います。が、現代語訳に、もうひとつ訳をつけて欲しいと思うことが何度かあり、わたしがアホだということ以上の何かをそこに感じてしまいます。清少納言という人の厳しいまでの美意識を誉めて認めて読者に伝える〈鑑賞〉のパートはなかなか面白いです。枕草子は古典の中では好きで幾つか読んでみたことがあるけど、勉強になるという点ではまあまあ上位に入るかと。

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