- Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480424549
感想・レビュー・書評
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文章から"純粋な思いの強さ"や"心の弱さ"が、静かにそしてじんわりと伝わってきます。
日常で感じる様々な思いをゆっくりと受け止められる様になって来た今日この頃…出会ったタイミングが良かったとしみじみ感じた一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20091011 読売新聞。空想書店。緒川たまき。悦楽共犯者①
幼少期を象徴するものが無邪気さだとしたら、無邪気さを失ったことに囚われてしまうのが少女期だと言える。
自身の少女性に苛まれつ打つ言葉を紡いでいる。
いつでも足音を立てずに歩いているような、繊細な文章。
震えるようなぎりぎりの緊張感。 -
退廃の中でそれを享楽的に楽しむのが淳之介氏だとすれば、浸ってしまうのが理恵さん、という印象。エッセイの中で、著名な家族がいることで受けた不快な出来事を堂々と書く無神経さ、他人からの過剰な優しさ・親切への期待感が感じられました。「歯医者のこと」でも、私なら歯医者さんに同情します。けど好きな物事を観察する目、それを表現する文章はちょっと面白い。T.ウィリアムズや萩原朔太郎などは読んでみたいと思ったし、小さな貴婦人も見てみたいと思ったし。それにしても全体に漂う無気力感、内に篭って自己満足してしまう雰囲気は苦手です。
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7/8 ゆっくりゆっくり読み進めた。大事に読みたい本だった。派手な一家の中で静かに息づいている人の言葉は柔らかで捻くれていて、詩的で、どこかおかしい。深刻な感じがしないところも好きだった。他の本も読んでみたいなあ。と、自然に。