ちくま日本文学001 内田百閒 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425010

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  • この中に収められた「件」という短編が頭から消えません。

  • どこまでが短編小説で、どこまでが本当なのか わからない不思議さ。
    でも いつも 歩くか何かに乗って移動するか 彷徨ってるような感ある作家さん。

  • この本の話を大別すると、現実と夢の境が曖昧な奇怪で幻想的な話と、頑固おやじがボヤく話に分けられると思う。
    幻想的な話は、唐突に変な出来事が起きて、原因も分からず解決もせずに終わってしまうので、取り残された気分になるけど、なんだかその世界観や雰囲気がいい。
    頑固おやじのボヤき話は単純におもしろい。
    どっちもいい。

  • 集中最後の「特別阿房列車」の最後のくだり、「三人で宿屋へ泊りましてね」の計算がどうにもわからない。誰かご教示くだされたし。

  • 八木沢里志「続・森崎書店の日々」つながり。阿房列車を読みたくて。花火、山東京伝、件、冥途、流渦、蘭陵王入陣曲、長春香、サラサーテの盤、琥珀、遠洋漁業、餓鬼道肴蔬日録、無恒債者無恒心、蜻蛉玉、素人掏摸、錬金術、特別阿房列車、を読了。阿房列車は、目的もなく思い立って東京から大阪へ列車で向かい、ほどなく、かえってくる。それ自体が無駄遣いなのに、やれ買いすぎてはいけないとか無駄遣いを自分に戒めたりが可笑しみを感じる。サラサーテの盤は、亡き親友の残された妻が、夜な夜な、夫が貸していた本やレコードを返して欲しいと洗われる話し。すこし気味悪くもあり、不思議なかんじもし。最後に、作曲者サラサーテの声が誤って入ったレコードをかけると涙をおさえきれない夫人のシーンが目にとまる。短い話しはたいていとりとめもなく。土手を歩いて、家にあがりこみ、気がついたら、浮気者浮気者浮気者と叫ばれ肩に噛みつかれるとか。餓鬼道肴蔬日録は、戦時中ゆえ、空想だけでも食べたいものを、と料理の名前を列挙する、一種の詩情。長春香では、故人をしのぶのに湿っぽいのはいけないとばかりに、位牌まで鍋に入れたりで、同席した「春の海」で有名な宮城道雄がそれを聞いて、やれやれ、と言い食べるのを止めたシーンなどありありと浮かぶよう。無恒債者無恒心は、借金する人のひらきなおりというか、お金に対する興味深い態度だけど、たいていの人はお金貸したいとは思わないだろうなあ。

  • 面白いねえ、面白い…。
    夢の中の話のような揺らぎ。
    狐や狸が人を化かすと信じられていた時代
    の古き良き怪談話。
    真骨頂とされる実話でさえ、
    何気なく表現される狂気に、
    背中がスウッと寒くなる。

    これぞ、日本文学!

  • 面白かった。偏執的に広がる妄想ワールド。前半はどのお話も夢と現の間をゆらゆら行ったり来たりするような不思議な話で、気がつくとほんとに本開いたままうたたね寝してた^^; 後半、随筆と小説が入りまじったような作品からはがぜん面白かった。不思議で淡々としていてユーモラスな文章。「山高帽子」「雀の塒」「蜻蛉玉」がベスト3。

  • 初内田百閒。
    と思ったら『件』は何処かで読んで知っていました。
    前半の現実なのか夢なのか分からない掴みどころのない物語はふわふわし過ぎて読んでいて落ち着かなかったです。
    後半のエッセイ、食糧が入手し難かった時代の食べたい物をつらつらと並べた『餓鬼道肴蔬目録』や『一本七勺』が印象に残りました。
    あと、借金に対する独特の哲学は面白かったけれど絶対に貸したくない!と思ってしまったのでした。

  • 独特の文で淡々と綴られる随筆がくせになる。酒、食べ物、借金のことが繰り返し出てきます。
    短篇のほうは夢を文章化したような不思議な物語が多い。豹とか大宴会とか。何か寓意があるのかもしれないけど僕の読解力じゃわかりません。とにかく幻想的な夢を読んでるようでそれだけで楽しめた。

  • 全編を通して漂う不思議な雰囲気。そして何とも言えないユーモア。
    お気に入りは『長春香』『冥途』『琥珀』等。

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