- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480425041
作品紹介・あらすじ
透明なエロティシズムで読者を誘惑する。
感想・レビュー・書評
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摩訶不思議。スターシステムみたいに同じ名前の登場人物が違う作品に登場する。連作なのかな。。。
収録作品中、「第七官界彷徨」が一番長い。
確か映画になっていたと思うが、このなんとも不思議な世界をどう映像化してるのか興味がある。
ちよぅとつげ義春の「ねじ式」に似たテイストもある、古色蒼然な学芸会?の様な台詞回しとか(笑)
想像力の色合いや色彩感覚はなんか萩尾望都以降の少女漫画の感性に違い気がする。確かに明治、大正期の他の作家にはない今風の感覚。「無風帯から」がなんとも言えない味わい深さがある。
デビュー当時は林芙美子や宮本百合子などとも交流が、37歳頃には生き死にもわからなくなり文壇からも遠ざかり、故郷鳥取で細々と生活していた。
学生だった花田清輝が第七官界彷徨を絶賛、持ち上げ、再評価の流れ。最近では群ようこや山尾悠子などが愛着を口にする人気ぶり。
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やはり「第七官界彷徨」がすごい。これが大正時代の作品というアバンギャルドさや自由さに驚嘆してしまうな。この作品に登場するアイテムで重要なのは「くびまき」だと思う。他の作品とも微妙に登場人物がかぶっていて、いろんな視点で書かれた実は一つの作品のような気がしてくる。それにしてもちくま文庫のこの本は、作品の並べかたに何か意図があるのか知りたい。発表年順にしたほうが読みやすいんじゃないかというのが個人的な感想。
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「第七官界彷徨」の一風変わった登場人物達が織り成す一幕に惹きつけられました。蘚の恋愛や分裂病により、各々の恋愛観を表しているところが変わっていて、面白く読み進められました。
「無風帯から」は手紙から妹の光子が詳らかになっていく度に、世間一般とは違っている兄妹の間にある、愛と呼ぶべきものを感じました。それと同時に、兄としてしてやるべき事が出来なかったという後悔が聞こえてくる様でした。 -
彼女は存じ上げなかったが、心理ドラマのような作品でした。
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第七感界…は昔読んだのに、だいぶ忘れていた。
登場人物の皆が、こだわる、というか倦むポイントが変で、おもしろい。かわいらしい。
きれいな文章。夢の話のような。 -
「第七官界彷徨」を読む.
奥付きは1991年.その当時も読んだはずだが,記憶はかすか.
今読んでみると,ドタバタな設定の初恋小説という感じで,どうも私が読むためのものではないようだった. -
「途上にて」までしか読めなかった。
個人的にはめちゃくちゃつまらなかったんだけど、結構評価高いのね。
年取ってから興味があればまた。 -
なぜか今まで読んでいなかったので. どれも儚いような少し宙に浮いたような透明感のある作品で、恋愛か何かわからない危うさ?が心地よい作品だった. これに毒が混じると夢野久作になるのかな、という気もする.
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新書文庫