- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480426109
感想・レビュー・書評
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大阪といえば、食い倒れ、吉本興業、ど派手、そして、親しみのある街。そんなイメージを持っていた著者は何回も足を運ぶうちに、庶民の逞しさの裏にある哀歓に気づく。目を凝らし、耳を傾けて見つけた、大阪の新たな魅力。大阪には不案内の森まゆみ、知り尽くした写真家太田順一、二つの視線が捉えた大阪とは?二十世紀が二十一世紀に変わる頃の大阪の街の姿を書き留める。(表紙裏)
文化人が観た大阪(市内)。いや、市内に関しては著者の方が詳しいんだろうけど。
基本的には当然のように好意的に書いてくれているんだけど、だからむず痒いというか。食事所が多く出てくるのは、描写も相まって美味しそうで嬉しいかなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文学
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最初は面白く読み始めたが、大阪のある地域を語る章で大きな歴史認識の間違いがあり、読む気が失せてしまった。作家にはこういう人が多いのだろうな。
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大阪へ行くとワクワクする。歩きたくなる。そんな気持ちが随所に満載だ。
さすが森さん。目のつけどころが、「谷根千」なのだ。(「やねせん」で一度で見事に漢字変換された…すごい。それだけ見事に認知されている。森さんたちのおかげ。さびしいかな、うれしいかな、観光地化されてしまいましたね。)大阪には東京にはない、脈々と続いた歴史がある。
読んで思ったのは、大阪といえば、筋=アーケード。俗にいう商店街。
東京では「なんとか銀座」か。大型店があってもそれに負けない何か、が「筋」にはある。東京にはその気概がなくなって久しい、と思うとちょっとさびしい感じがする。 -
大阪に住んでる間に読んでおくべきだった。森まゆみさんは好きだ。
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タウン誌『大阪人』の連載をまとめたものです。終刊となった『谷根千』の森さんが、大阪のあちこちをめぐった写真とエッセイ集。大阪といえば、セールスポイントとして「たこ焼きと吉本」が幅を利かせている今日この頃ですが(笑)、本当はそうじゃないんだよ…ということを日々感じている身としては、森さんがどういうふうに大阪をながめられるのか?と興味津々で開きました。主にJR大阪環状線内の食べ物とお酒、街とそこに生きる人たちが紹介されます。最初の章はいきなり「アメリカ村」。若者の街とほめそやされることの多いアメ村を、持ち上げもせず、かといって冷淡でもなく、見たまま書いておられるな…と思いました。中立的な筆致ですが、どの章も愛を持って書いていらっしゃるのが伝わってきます。それに、なんだか筆致が涼しげ。大阪平野のあの暑さが感じられない(笑)。天神橋筋商店街と、鶴橋の占い師さんに「結婚はムリ」と連発で言われてらっしゃったのには、ふふっと笑ってしまいました。どの章も素敵ですが、個人的には『十三』の最後のページと、『西船場』が好み。古いものと新しい夢に注ぐ目線が、やさしくていいのですよ〜。「関西復権」とか簡単にいうけれど、こういう、うわつかない筆致で書ける人がいないというのも、関西のちょっと苦しいといえば苦しいところかな…と思いました。どの街を描いても、達人は達人だな!と思ったので、この☆の数です。ボーナストラックもついていて、お得(ここが関西人:笑)。-----[2009.6.28 未読リストアップ時のコメント]-----私が賛辞をおくってやまない(私の賛辞、というところが問題なんだけど:笑)随筆の名手、森まゆみさんによる大阪探訪記。今日(6/28)のネットニュースで、森さんとお仲間の率いる江戸(東京だけどやっぱり江戸)の地域雑誌『谷根千』終刊を知りました。こちらを書店でどうしようか、と思っていたところなのに…。同じくちくま文庫の『谷根千の冒険』とどっちにしようかしらと思いつつ、お取り置きです。