大阪不案内 (ちくま文庫 も 11-7)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 60
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426109

感想・レビュー・書評

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  • 大阪といえば、食い倒れ、吉本興業、ど派手、そして、親しみのある街。そんなイメージを持っていた著者は何回も足を運ぶうちに、庶民の逞しさの裏にある哀歓に気づく。目を凝らし、耳を傾けて見つけた、大阪の新たな魅力。大阪には不案内の森まゆみ、知り尽くした写真家太田順一、二つの視線が捉えた大阪とは?二十世紀が二十一世紀に変わる頃の大阪の街の姿を書き留める。(表紙裏)

    文化人が観た大阪(市内)。いや、市内に関しては著者の方が詳しいんだろうけど。
    基本的には当然のように好意的に書いてくれているんだけど、だからむず痒いというか。食事所が多く出てくるのは、描写も相まって美味しそうで嬉しいかなぁ。

  • 文学

  • 最初は面白く読み始めたが、大阪のある地域を語る章で大きな歴史認識の間違いがあり、読む気が失せてしまった。作家にはこういう人が多いのだろうな。

  • 大阪へ行くとワクワクする。歩きたくなる。そんな気持ちが随所に満載だ。
    さすが森さん。目のつけどころが、「谷根千」なのだ。(「やねせん」で一度で見事に漢字変換された…すごい。それだけ見事に認知されている。森さんたちのおかげ。さびしいかな、うれしいかな、観光地化されてしまいましたね。)大阪には東京にはない、脈々と続いた歴史がある。
    読んで思ったのは、大阪といえば、筋=アーケード。俗にいう商店街。
    東京では「なんとか銀座」か。大型店があってもそれに負けない何か、が「筋」にはある。東京にはその気概がなくなって久しい、と思うとちょっとさびしい感じがする。

  • 大阪に住んでる間に読んでおくべきだった。森まゆみさんは好きだ。

  • タウン誌『大阪人』の連載をまとめたものです。終刊となった『谷根千』の森さんが、大阪のあちこちをめぐった写真とエッセイ集。大阪といえば、セールスポイントとして「たこ焼きと吉本」が幅を利かせている今日この頃ですが(笑)、本当はそうじゃないんだよ…ということを日々感じている身としては、森さんがどういうふうに大阪をながめられるのか?と興味津々で開きました。主にJR大阪環状線内の食べ物とお酒、街とそこに生きる人たちが紹介されます。最初の章はいきなり「アメリカ村」。若者の街とほめそやされることの多いアメ村を、持ち上げもせず、かといって冷淡でもなく、見たまま書いておられるな…と思いました。中立的な筆致ですが、どの章も愛を持って書いていらっしゃるのが伝わってきます。それに、なんだか筆致が涼しげ。大阪平野のあの暑さが感じられない(笑)。天神橋筋商店街と、鶴橋の占い師さんに「結婚はムリ」と連発で言われてらっしゃったのには、ふふっと笑ってしまいました。どの章も素敵ですが、個人的には『十三』の最後のページと、『西船場』が好み。古いものと新しい夢に注ぐ目線が、やさしくていいのですよ〜。「関西復権」とか簡単にいうけれど、こういう、うわつかない筆致で書ける人がいないというのも、関西のちょっと苦しいといえば苦しいところかな…と思いました。どの街を描いても、達人は達人だな!と思ったので、この☆の数です。ボーナストラックもついていて、お得(ここが関西人:笑)。-----[2009.6.28 未読リストアップ時のコメント]-----私が賛辞をおくってやまない(私の賛辞、というところが問題なんだけど:笑)随筆の名手、森まゆみさんによる大阪探訪記。今日(6/28)のネットニュースで、森さんとお仲間の率いる江戸(東京だけどやっぱり江戸)の地域雑誌『谷根千』終刊を知りました。こちらを書店でどうしようか、と思っていたところなのに…。同じくちくま文庫の『谷根千の冒険』とどっちにしようかしらと思いつつ、お取り置きです。

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著者プロフィール

1954年生まれ。中学生の時に大杉栄や伊藤野枝、林芙美子を知り、アナキズムに関心を持つ。大学卒業後、PR会社、出版社を経て、84年、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊。聞き書きから、記憶を記録に替えてきた。
その中から『谷中スケッチブック』『不思議の町 根津』(ちくま文庫)が生まれ、その後『鷗外の坂』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『彰義隊遺聞』(集英社文庫)、『「青鞜」の冒険』(集英社文庫、紫式部文学賞受賞)、『暗い時代の人々』『谷根千のイロハ』『聖子』(亜紀書房)、『子規の音』(新潮文庫)などを送り出している。
近著に『路上のポルトレ』(羽鳥書店)、『しごと放浪記』(集英社インターナショナル)、『京都府案内』(世界思想社)がある。数々の震災復興建築の保存にもかかわってきた。

「2023年 『聞き書き・関東大震災』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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