ねにもつタイプ (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
4.01
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本棚登録 : 2915
感想 : 276
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426734

作品紹介・あらすじ

コアラの鼻の材質。郵便局での決闘。ちょんまげの起源。新たなるオリンピック競技の提案。「ホッホグルグル」の謎。パン屋さんとの文通。矢吹ジョーの口から出るものの正体。「猫マッサージ屋」開業の野望。バンドエイドとの正しい闘い方-。奇想、妄想たくましく、リズミカルな名文で綴るエッセイ集。読んでも一ミクロンの役にも立たず、教養もいっさい増えないこと請け合いです。

感想・レビュー・書評

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  • 何年も前に岸本佐知子のエッセイのどれかを読んで、とても面白かった記憶があり、他も読んでみたいと読み始めてからすぐ、これが前に読んだ本だったと気づいた。けど面白いし読んだのがあまりにも前で忘れているところもあるし、と思いそのまま読了。

    やっぱり面白かった。覚えている箇所も忘れていた箇所も、何度も吹き出してしまった。

    子どもの頃から大人になった今に至るまでの、社会への違和感と勘違いと妄想が、類稀なユーモアで綴られていて、他にはない世界と時間を形作っている。
    事実とも妄想ともつかない、妄想が行き過ぎていてついて行けないところもあるけど、斜め上を行くのに奇を衒ったり偉ぶることのない姿勢、エッセイのお手本だと思う。

  • 不思議ちゃん。
    あぁ、やっぱ苦手だ、、、。

  • え、夢…?笑
    岸本さんの思考が流れていく様がとても面白かった。

  • めちゃめちゃに面白かった。
    妄想の世界で生きてる人だなあと思った。
    まるで現実世界のアメリみたいな、いつまでも心が少女な感じで読んでいて楽しいしふふっと笑える。

    何かしなきゃいけないことがあるのに、それにはお構いなしにもう一人の自分がひたすらどうでも良い質問をしてきて、答えないぞと思っても結局それについて熟考しちゃうの、共感した。
    ツクツクボウシの鳴き声に集中してしまって「間違えるぞ間違えるぞ間違えるぞほうら間違えた」とか考えてるのもわかる。人の妄想って本当に面白い。頭をパカってあけて直接脳を覗いているようなエッセイ。思考のままに文章を書いているような感じ。だけど読みやすい。

    1日中妄想したり頭の中でずっと喋っているような同士は読みましょう。

  • 現実と妄想の境界線が非常に曖昧で、やや悪夢的ともいえるエッセイ。子供の頃の感覚を失っていない人なのかなと思います。車が来たときに飛び越えるのは…なんでか知らないけど私も子供の頃やってた!懐かし!(笑)

  • 『ビロウな話で恐縮です日記』p.45にあって本棚登録していた本。

    Amazonの中古で買ったらカバーがついてなくて、あらすじや作者の情報がわからないまま読み進めることに。
    カバーの大切さを実感した。

    どうやら作者は翻訳を仕事にしているらしく、集中力がなくいろんなことを翻訳中に考えている。
    その内容が星新一さんのショートショートのようなフィクションだけど実在しそうな世界観で、たまにグロくて、少し共感してしまう。そのラインが絶妙!

    『奥の小部屋』p.55は、やる。0.5秒ではないけど、やる。やらねば怒りがおさまらない。そうやってバランス取ってるところあるのよ。

    『グルメ・エッセイ』
    これまた共感。食べ物は好きだけど、一緒に寝たりしないし、その食べ物のにおいが自分から発せられているのは嫌。不思議だ。
    もしかしたら一緒に寝てる人はいるかもしれないけど。

  • 再読。短めのエッセイ(?)集でどこからでも気軽に読めるし、何度も読み返しているお気に入り。
    「ああ、分かる!同じ!!」と共感する話題、ちゃんと確認したのに何故か起きるミス、時々頭の中に現れて中々離れない謎の言葉や歌、ハッキリと覚えているのに冷静に考えるとおかしな部分が出てくる幼少期の記憶がユニークな想像力で彩られ、短編小説のように綴られる。
    一番共感するのはコアラの鼻について。コアラの鼻をポコっと取り外してスクイーズみたいにムニムニしたい。

    エッセイ集だが全て実際にあった事とは限らず、川上弘美先生のエッセイや乙一先生の「小生日記」穂村弘さんの「にょっ記」のようなファンタジー要素も混じっている。
    「真面目なエッセイ」が好きな人には何だこれはと思われるかもしれない。しかし上記作品が好きな人にはものすごく好みに合って笑えるエッセイ集

  • 重めの本を読み終えた後に最適な、サクッと読める軽さのエッセイ!最高じゃ!とはいえ文章は味わい深く、それでいて思わずブブッと吹き出すほど笑わせてくれる!妄想想像がどんどん広がり、勝手に物語が紡がれていく著者の頭の中に唸ると共に、わかるわかる、とクスクス&ブブッ。どうでもいいことも、こんなふうに表現されると文学になる。この爽快さが、日々のイヤなこと、ツラいことを吹っ飛ばしてくれるのだ。

  • 面白かったー。
    こんなこと考えちゃう人いるの?って話が次から次へと出てくる。

    「あしたのジョー」のじょーが、りきいしにパンチを食らった時、口から出てくる白っぽいソラマメみたいな形をしたものを、腎臓だと思ってたって話がお気に入り。ついでにその時期の母親が自分の質問にすべて「うん」で答えていて、「これってじんぞう?」と私が訊く。「うん」と母が答える。ってとこまでセットで笑える。

    イラストも素敵だし、もっと読みたくなる。

    • ほにゃららさん
      タイトルが面白い本だなぁとネットを浮遊してこちらに辿り着きました。
      腎臓の話で俄然読みたい気持ちが沸きますね!(笑)
      母親のぞんざいな扱いも...
      タイトルが面白い本だなぁとネットを浮遊してこちらに辿り着きました。
      腎臓の話で俄然読みたい気持ちが沸きますね!(笑)
      母親のぞんざいな扱いもたまらない…。
      思い出す度笑っちゃいました
      2023/09/23
  • 2023.08.12 朝活読書サロンで紹介を受ける。翻訳家。癖のあるエッセイ。「め」と「ぬ」、あまり似すぎている。お互いどう思っているのだろうか。仲が悪い。「ぬめり」。「ろ」と「る」は一筆書き族で仲が良い。

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著者プロフィール

岸本 佐知子(きしもと・さちこ):上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家。主な訳書にルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、リディア・デイヴィス『話の終わり』、スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』、ショーン・タン『セミ』、アリ・スミス『五月 その他の短篇』。編訳書に『変愛小説集』、『楽しい夜』、『コドモノセカイ』など。著書に『気になる部分』、『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)、『なんらかの事情』、『死ぬまでに行きたい海』など。

「2023年 『ひみつのしつもん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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