- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480427939
感想・レビュー・書評
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読んだことのない方の短編をサクッと読めるので良いです。
しょぱなの宮沢章夫『だめに向って』は、車中にも拘らず笑いがこみ上げ、マスクしててよかった。。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最初の三遍を読んで満足してしまった。
編者2名に惹かれて手に取った作品。 -
◎石川桂郎(『剃刀日記』)、久野豊彦(「虎に化ける」)、伊藤人譽(「穴の底」「落ちてくる」)、織田作之助
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収録内容は以下の通り。
宮沢章夫: だめに向かって(1999年 発表)
宮沢章夫: 探さないでください(1999年 発表)
片岡義男: 吹いていく風のバラッド (抜粋) (1981年 発表)
中村正常: 日曜日のホテルの午後 (1930年 発表)
中村正常: 幸福な結婚 (1931年 発表)
中村正常: 三人のウルトラ・マダム (1931年 発表)
石川桂郎: 剃刀日記 (抜粋) (1942年 発表)
石川桂郎: 少年 (1976年 発表)
芥川龍之介: カルメン (1926年 発表)
志賀直哉: イヅク川 (1911年 発表)
内田百閒: 亀鳴くや (1951年 発表)
里見弴: 小坪の漁師 (1979年 発表)
久野豊彦: 虎に化ける (1930年 発表)
尾崎士郎: 中村遊郭 (1956年 発表)
伊藤人譽: 穴の底 (1957年 発表)
伊藤人譽: 落ちてくる! (初出年不明)
織田作之助: 探し人 (1940年 発表)
織田作之助: 人情噺 [旧題 美談] (1941年 発表)
織田作之助: 天衣無縫 (1942年 発表)
北村薫、宮部みゆき: 解説対談「―過呼吸になりそうなほど怖かった!」
特に気に入ったのは中村正常、久野豊彦、尾崎士郎ら新興芸術派の作品が収録されている点。手軽に手に入れることができる文庫本にこれらの作品が収録されているのは非常に嬉しい。
中村正常の3作品はすべて洒脱な文体で書かれていて、テンポがよい。
石川桂郎の「少年」は作品を読んだだけでは状況を捉えきることが出来ず、巻末の解説を読んではじめて得心がいった。
織田作之助の「人情噺」と「天衣無縫」の2作品を読み終えた後で題名を見直して、著者のこの物語に対する考え方を知ることができた。 -
文学
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このシリーズも最初の頃ほどわくわくしなくなってきたなあと思いつつ前半を読んでたら、石川桂郎の文章にぶつかって、心底魅了されてしまいました。やはり「穴の底」みたいなアイデアものとか昭和初期スラップスティックよりは、味わい深い掌編を読みたいんですよね私は。そういう意味では、百閒ならではの筆致で芥川との交流を描いた「亀鳴くや」や、織田作之助の「探し人」「人情噺」もよかった(同じダメ男系でも「天衣無縫」のダメは気持ち悪くてちょっと無理)。
今回は好みとしては外れるものが多かったけど、やっぱりこれだけ幅広い中からきらりと光るものを紹介してくれる、文学ガイドとしての北村薫さんはすごいなとあらためて。 -
織田作之助の天衣無縫が素晴らしかったなぁ。ダメな夫の書き方。
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「解説対談―過呼吸になりそうなほど怖かった!」 北村薫・宮部みゆき