かんたん短歌の作り方 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480431875

感想・レビュー・書評

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  • メモ書きより


    ・一文字あきはやめる。
    ・テンやマルもつけない(例外あり)。
    ・「真似っこなってしまうのが怖いから、ほかのひとの作品は読まない」なんて、間違ってます。→他人つくった表現を見て意識的に新しい表現を追求する。
    ・短歌以外の形式で表現したほうが面白くなる内容のものは、短歌にしては駄目。
    ・あらすじ(事実の説明)になっちゃってるのは駄目短歌。描写(真実の発見)になっているのが傑作です。
    ・同じ内容の歌を五通りの言いまわしで考えて、その中で一番しっくりくる歌を選ぶ。
    ・だんだん上達してくると、ベテラン歌手がタメて歌うみたいにリズムをくずしたくなるが、ださいのでやめましょう。
    ・なるべく助詞を省かず、短歌に見えないように、普通の文章みたいに仕上げるのがポイント。
    ・自分の顔に似合わない短歌はつくらないようにしましょう。
    ・魅力的な短歌は魅力的な作者からしか生まれない。
    ・「面白いことを書くから」面白いのではない。「面白く書く」から面白いのです。
    ・自分はどんな位置に立ち、どこへ向かって語りかけるか?それを決めた時点で、表現は半分以上完成します。



    最後に何方かの「マスノ短歌教」の信者の皆さんの歌が載っていますが、さすがは教祖マスノさん。最後の大トリが決まっていました。
    やはり群を抜いて上手いのが私にもわかりました。


    枡野浩一の短歌の代表作より
    ○好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君
    ○毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである
    ○こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう
    ○結果より過程が大事「カルピス」と「冷めてしまったホットカルピス」
    ○さよならをあなたの声で聞きたくてあなたと出会う必要がある
    ○私には才能がある気がします それは勇気のようなものです



    おまけです。
    私も短歌を初めて詠んでみました。
    本当に初めてですので大目にみて笑ってください。
    お題は「短歌を初めて詠む」

    ○ほむほむの歌集を読んで決意する「決めた私も今日から歌人」
    ○枡野さんごめんなさいねやっぱりね歌人の名前間違えました
    ○我が歌は三十一文字の語呂合わせ歌のセンスは等しく皆無
    ○ブクログの皆さまいつもありがとう読んでくださりお粗末様です

    • まことさん
      ひろさん♪

      長田弘さんでは『詩ふたつ』『奇跡ーミラクル』もとても好きです。
      『食卓一期一会』も楽しいです。
      こちらこそ、いろいろ、...
      ひろさん♪

      長田弘さんでは『詩ふたつ』『奇跡ーミラクル』もとても好きです。
      『食卓一期一会』も楽しいです。
      こちらこそ、いろいろ、本を教えていただけたら嬉しいです。
      ひろさんのレビューもいつも楽しみにしています。
      2023/02/17
    • ひろさん
      まことさん♪
      ありがとうございます(◍>ᴗ<◍)
      見つけて読んでみますね!
      まことさん♪
      ありがとうございます(◍>ᴗ<◍)
      見つけて読んでみますね!
      2023/02/17
    • まことさん
      ひろさん♪

      感想楽しみにしています。
      ひろさん♪

      感想楽しみにしています。
      2023/02/17
  • 枡野浩一さん流の短歌の作り方の本ですね。
    まことさんのおすすめで読んでみました。
    この人凄いですね。圧倒されました。
    まことさん、ありがとうございます。
    枡野浩一さんの短歌に対する姿勢が詰まった一冊です。
    自分というものを、何かの形に表したい。詩であり、俳句であり、川柳であり、絵画や美術表現であり、音楽であり、小説であり、様々な媒体があります。最近はブログやモバイル、SNS等表現方法は、今や無限?かな。
    あえて、枡野さんは短歌を詠む事。そして、それを宣揚して『あなたも短歌を詠んでみせんか!』と呼び掛けて、ラジオのパーソナリティーとリスナーのように、楽しく愉快に、そして、短歌の喜びを分かち合える事が出来た本ですね。
    何でも良いから、五七五七七で表現してみよう。既成の短歌は置いといて、詠んでみよう。やり方は、枡野浩一教祖?が教えましょう。

    自分の読んだ歌はすべて覚えましょう。
    垂れ流しはダメです。
    他の方の短歌も読みましょう。
    同じような歌は生まれ勝ちなのは自然の流れなので読んで、似たような歌を避ける努力は怠っては行けません。
    面白い短歌は面白い人だから出来るのです。
    等等。

    穂村弘さんにも共感するとこはありますね。
    枡野さんと穂村さんは立ち位置が違うので違って当たり前たのですが、短歌をいっしょに楽しみたい姿勢は同じように感じます。
    短歌表現のバイタリティを感じました。
    この本はかなり跳んだ感じがしましたが、枡野浩一さんの真摯な短歌に対する姿勢がしっかりわかりました。
    短歌表現が、私の律動になるかどうか、まだわかりません。
    これからも、短歌の本を読んでみたいですね。

    • まことさん
      ひだまりトマトさん、こんにちは♪

      こちらも、読んでくださったのですね。
      私は『はじめての短歌』、穂村弘さんの『短歌という爆弾』、『かんたん...
      ひだまりトマトさん、こんにちは♪

      こちらも、読んでくださったのですね。
      私は『はじめての短歌』、穂村弘さんの『短歌という爆弾』、『かんたん短歌の作り方』という順番で、読んだら、短歌を作ってみたくなりました。
      もし、よかったら『短歌という爆弾』も読まれてみてください。お勧めです。
      2023/08/13
    • ひだまりトマトさん
      まことさん、こんにちは。
      いつもありがとうございます。
      『短歌という爆弾』ですね。
      穂村さんの文章は面白いので、読みやすいと思います。
      探し...
      まことさん、こんにちは。
      いつもありがとうございます。
      『短歌という爆弾』ですね。
      穂村さんの文章は面白いので、読みやすいと思います。
      探してみましょう。
      暑さが続きます、気を付けてお過ごしください。台風も!
      2023/08/13
  • 桝野浩一(1968年~)氏は、歌人、詩人、小説家、エッセイスト。
    本書は、宝島社発行の少女向け月刊漫画誌「キューティ・コミック」(2001年に事実上廃刊)の1997年12月~2000年5月の連載(読者から投稿された短歌を枡野氏が批評するというもの)をまとめて、短歌入門書として2000年に発行、2014年に文庫化されたもの。連載の内容に、歌人になるためのQ&A、同連載から生まれた歌人9人の作品などが加えられている。
    私は50代の会社員で、最近短歌に興味を持ち始め、俵万智、穂村弘、東直子、木下龍也等の歌集や短歌入門書、山田航の『桜前線開架宣言』(1970年代以降に生まれた歌人40人についての評論及び各56首の歌をまとめたもの)、瀬戸夏子の『はつなつみずうみ分光器』(2000~20年の歌集55冊についての解説及び各20首の歌をまとめたもの)等を読み、また、半年ほど前から新聞短歌に投稿している(最近ぽつぽつ採用もされるようになった)。
    本書については、上記『はつなつ』の中で、枡野氏が、短歌を詠まない人(=歌人以外)にもわかるように短歌をつくっており、それが「かんたん短歌」と呼ばれていると評されており、その枡野氏による入門書であれば参考になるに違いないと思い手に取った。
    読了してみると、(少女漫画誌だからなのか、文体が独特で、それは好きになれないのだが)内容は実にわかりやすく、実践的で、短歌素人・初心者にとっては大いに参考になった。
    例えば以下のようなものである。
    「一度読んだだけで意味がすぐわかり、くりかえし読んでも面白い、そんな短歌をめざしてください」、「「笑える出来事をそのまんま書けば笑える短歌になる」というのは、よくある誤解です」、「これしかない!という決定的な表現にたどりつくまで、迷うのをやめないでください」、「あまりユニークすぎると、読者にはわからない。あまり平凡すぎると。読者にはつまらない」、「自分と同じ経験をしていない人にこの表現は通じるか?と、常に自問してください」、「共感を呼ぶ題材を見つけただけで終わってしまってる、というのが世間によくある「朝日歌壇」的駄目短歌なんです」、「同じ内容の歌を五通りの言いまわしで考えて、その中で一番しっくりくる歌を選ぶようにしてください」、「なるべく助詞を省かず、短歌に見えないように、普通の文章みたいに仕上げるのがポイント」
    更に、「自分の顔に似合わない短歌は、つくらないようにしましょう。・・・結局、短歌に限らず文章表現の面白さっていうのは、それを書いた人間の面白さなんですね。ある短歌を好きだと思うのは、その短歌をつくった人の「物の見方や感じ方」が好きだからなんです。」、「「面白いことを書く」から面白いのではない、「面白く書く」から面白いのです。・・・だれもが普通の生活の中で味わっているありきたりの感覚を、だれも言ったことがないくらい的確に、「面白く」切り取ってみせる、そういう道具としては役立ちます。・・・自分はどんな位置に立ち、どこへ向かって語りかけるか?それを決めた時点で、表現は半分以上完成します。」などは、短歌をつくる限り、心に刻み付けておきたい至言である。
    枡野氏は、穂村弘曰く「歌壇に完全に背を向けて存在感を維持できた初めての歌人」なのだそうだが(本書の中でも、歌壇や他の歌人たちへの攻撃的な表現も見られる)、その作歌スタイルはとても参考になるものと思う。
    (2021年12月了)

  • 著者が男過ぎてアレルギーが出そうになる所もあるものの、著者が創作について伝えたいと思う誠実さに支えられて、最後まで読めた。

  • 2022.10.06
    枡野浩一の教祖としての言い回しや言ってることは、好きじゃない部分も多くて(というかほとんど好きじゃなくて)、いまいちまだ評価の軸もピンとこない。そんなに高圧的に断罪する?みたいな。これが批評なのか?と不安に思ってしまう。
    けど、結局、最後の代表作読むとぐっと引き込まれてしまうんだよなぁ…なんなんだろ

    なんの予備知識もなく読んでもなんとなく感じ取れたのは、枡野浩一がアウトローとして、短歌界に歌壇に背を向けながら、自分のポジションを確立させたってこと。自負と誇りと譲れない自我と反骨精神?当時31歳。若さってことなのかなぁ…漂うナルシシズム(いや、多分、表現する人はもってた方がいいんだと思うけど。あと一人で立つには必要だったんだろうけど。)とか攻撃姿勢にうわぁってなる。

    ただなぁ、目次読むとなるほどなって思うんだよ

    だから、後味としてはうーーーーん?って感じ
    それでも代表作読むとやっぱり好きなんだよなぁ

  • この本を読むと逆に短歌つくれなくなるよ!
    背筋がのびます。

  • 犬みたいなシッポが欲しい あのひとにうれしいって伝えられなかった 柳澤真美

    連載第一回で柳澤真美が登場した時、編集部の担当kさんは彼女のことを枡野さんが考えた架空の人物と思ってたそうですが、私もそうなのかと思ってた…。

    投げつけたペットボトルが足元に転がっていてとてもかなしい 加藤千恵

  •  短歌、自分では全然作りたいと思わないのだけれど、短歌の作り手の考え方を知る、という点からは面白く読めたし、投稿作品の講評なんかもとても面白かった! 結構、ズシビシと言う人なんだなぁ。自分にとても自信があるかんじがする。けど、こういう表現家って、そうでないといけないんでしょうね。南Q太さんのことがたくさん出てきたのも面白かった!

  • 雑誌での連載をまとめたものだそうで、投稿された短歌に対して、添削をしているので、要点がとてもわかりやすい。説明もわかりやすい。非常にフランクな調子で語られている。

    短歌といえば、百人一首や伊勢物語など古典でしか触れたことがなかったけど、現代でも短歌という表現手法を用いて創作をしている人もいるのだと、初めて体験した。

    演劇でも、現代口語劇というものがあり、とても親しみを持っているのだけど、短歌でも、同じような現代口語で歌を詠むという活動をしている人がいるのだなと、その姿勢は共感できるもののように思った。

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著者プロフィール

一九六八年東京都生まれ。歌人。雑誌ライター、広告会社のコピーライターなどを経て一九九七年、短歌絵本を二冊同時刊行し歌人デビュー。短歌代表作は高校国語教科書に掲載された。短歌小説『ショートソング』、アンソロジー『ドラえもん短歌』、入門書『かんたん短歌の作り方』、『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』など著書多数。目黒雅也や内田かずひろの絵と組み、絵本・児童小説も手がけている。

「2023年 『おやすみ短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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