水鏡綺譚 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480433138

感想・レビュー・書評

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  • 絵が綺麗。西遊記や聊斎志異にあるような怪異譚でありながら、紛れもない和の世界です。狼に育てられた男の子は立派な人間を目指して修行中。出会った記憶喪失の女の子の家を探して一緒に旅をすることになります。第12話「空ゆく雲」にはセリフがありません。2人は広々とした草むらを歩き、見上げれば行く雲があります。残る紙数も少なくなり、別れの予感に切なくなりました。いつまでも、旅を続けていたい、気のあった2人なのに。会者定離ですか。

  • 冒頭、葉を「ジャリジャリ」と食むいも虫の描写からすでにうれしい。「ぐおーっ」と「ヒュー」、鼾の擬音の繊細な使い分けでのみ表現される魂の所在。現実と夢幻の境がまだまだ揺るがせであった中世にて、手つきの細やかさが何よりものを言う。

  • 図書館で借りて読んで、私と長女がひじょうに気に入ったので文庫で入手。
    あとがきは文庫版用に差し替えられ、誕生から完結、文庫化までの顛末がコンパクトにまとまっており、さらに高橋留美子の推薦文+南伸坊の解説(かつて新聞の書評欄に寄せた文の再録+α)もついてるというお得感。

  • 生きていくということ、命を繋ぐということへ真摯な物語だった。

  • 裏寂しさといとおしさがない交ぜになって込み上げてくる。
    人だけではどうにもならない定めや存在の間をしなやかに生きていく子供の強さがいじましい。

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著者プロフィール

1957年新潟市生まれ。漫画家。国学院大学文学部卒。大学在学中にデビュー。「見晴らしガ丘にて」で第15回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。折ロ民俗学や中世文学への造詣が深く、安吾や漱石作品の漫画化にも取り組む。作品は「水鏡綺譚」「説経小栗判官」「ルームメイツ」「恋スル古事記」「戦争と一人の女」「死者の書」「夢十夜」ほか多数。第18回文化庁メディア芸術祭大賞受賞。

「2021年 『兄帰る 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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