セルフビルドの世界: 家やまちは自分で作る (ちくま文庫 い 33-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480434401

感想・レビュー・書評

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  • 文章が読みやすいわけではないが、住に対する価値観を覗き見られる本。

    私はアジアの僻地にある家や、自分の街にあるバラック建築に強く惹かれるのですが、その理由が分かったような気がしました。

  • もともと9坪ハウスを可愛いと思っていて、先日、鴨長明「方丈記」やソロ―「森の生活」を知ってセルフビルドやスモールハウスへの興味再燃、そのタイミングでこの書籍と出会いました。

    松浦武四郎の一畳敷や、基礎工事なしの住居、自作キャンピングカー、トタンでできたバーから、果てはホームレスの移動式住居、庭や玄関にアレな感じのオブジェが乱立する偏執的アウトサイダー・アートな家まで、様々なセルフビルドを紹介した本です。

    けしてスモールハウスや自作建築のカタログではありません。もっと観念的にセルフビルドを捉えた本であり、そういうものだと分かった上で購入しました。あえて言うなら、「セルフビルド精神を持った人たち」のカタログです。アカデミックだったりフリーキーだったり、硬軟織り混ぜてサブカル的に楽しめる方に良いかと思います。

    長期に渡って連載されていたものらしく、ネタ切れを防ぐためか「セルフビルド」の解釈をやや拡大させて「建築」から外れたカテゴリのものも取り上げています。

    以下、心に残った部分を引用します。

    建築家である著者にとって、
    "セルフビルドとは自己構築である。まず何よりも自分世界を構えようとする意志なんである"とのこと。
    理想的には"アマチュアが寄り集まって集団で、現在の市場経済とは別のシステムでモノを作ること"

    "家は最大級の商品であるから銀行から多額の借金をして、それでほぼ一生かけてその返済をするものだとも考えている。誰もそれを疑わない。新興宗教のようにそれを信じている。(中略)一生をかけてそれに帰依するのだから、家は新種の神の似姿のようになっている"

    ※ 引用符内はすべてちくま文庫「セルフビルドの世界 家やまちは自分で作る」(石山修武 著)より引用

  • 建築会社に一切頼らず、個人自らが造り上げたオリジナルな様々な建造物を 写真と紹介文で紹介している一冊。

    土地の問題があるけれど、ビニルハウスやコルゲート材とかを使って工夫しながら作り上げていくってホント楽しそうでいつかやってみたい!と思いつつも、本読んだり資料集めてるだけでまったく実戦に移せてない...。
    今仕事が東京なので普通に土地買ったらなんせ借金になるし、定年退職してご老体になってから始めるのは勘弁だし、賃貸でいいかな、と思いつつ情報豊富で資材も比較的容易に入手できる今だからこそやってみたい気持ちもあって、どっちなんだ、みたいな...。

    もしやるなら柱が立派なでっかいおうちにしたい!
    薪ストーブに卓球台がおける広さで、縁側もあって畳にしたい。家の前に小川が流れててガサガサとか魚とりできる環境で、、田んぼも持ちたくて牧も保有してヤギを飼いたい...。という気持ちと妄想です。

  • 図書館で借り、半分ほど読んで返却してしまった。石川修武さんの文章は独特。ときどき意味不明だがノリで読む。大体伝わればよし。
    世の中には自分で自分の家を作ってしまうすごい人たちがいるのだなあ。200万円で家を作ってしまった人には、建築家の石川さんも驚いていた。

  • 著者が奇抜なデザインをするだけでなく、このような思想、取組をしていることをしりませんでした。

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著者プロフィール

1944年生まれ。建築家。早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院修了。早稲田大学理工学部名誉教授。1985年「伊豆の長八美術館」で第10回吉田五十八賞、1995年「リアス・アーク美術館」で日本建築学会賞、1996年「ヴェネチア・ビエンナーレ建築展」で金獅子賞ほか受賞。主な作品に「幻庵」、「世田谷村」、「ひろしまハウス」など。主な著書に『笑う住宅』(筑摩書房)、『住宅道楽』(講談社)、『生きのびるための建築』(NTT出版)ほか。中里和人との共著に『セルフビルドの世界』(筑摩書房)がある。

「2023年 『原視紀行 地相と浄土と女たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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