明日は日曜日 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 76
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480437181

作品紹介・あらすじ

とある会社の総務課を舞台に、社内外で起こるドタバタ事件をほのぼの、ユーモラスに描いた13編の連作からなる昭和のラブコメディ。解説 南沢奈央

感想・レビュー・書評

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  • 初版は1953年。作者曰く「二流会社」の新大阪産業株式会社を舞台とする連作ラブコメ。主人公の男女2人が同僚の恋に助太刀しつつ、話が進んでいく。会話のテンポが軽快で、ストーリーも予定調和的なので、さくさく読める。

    一方で、言葉遣いや設定にはさすがに時代性があるので、その辺りが気になるかどうかで、読後感は異なってくるだろう。個人的には、高度経済成長直前の風俗を伝える資料としても、興味深かった。

  • 源氏鶏太さん作品2

    『青空娘』で源氏鶏太さんのことを知り、
    ハマって手に取った源氏鶏太さん作品2作目。
    面白かった。

    あまりにも読みやすくて
    この作品が1953年に
    書かれたものだと忘れてしまうくらい。
    冷静に考えてわたしの祖父母も
    まだ学生だったかもしれない時代のことを
    こうして小説を通して
    知れるってすごいことだな。
    源氏さん素敵な作品を残してくださって
    ありがとうございます。

    全13話のオムニバス形式で
    様々な悩みを抱える
    新大阪産業株式会社社員たちを
    大伍くんと桃子さんがどうにか奮闘する物語。

    週休1日だった当時、
    『日曜日』というのは
    全社会人にとって待ち遠しいものであり、
    各々めいいっぱい過ごすために
    月曜日〜土曜日を
    生きている様子がひしひしと伝わる。

    休みの日は何をしていますか?
    趣味は?などという質問に
    家に篭って一人でNetflixを観ること、
    という答えが飛び交う現代。
    わたしもその一人ですが、
    これを聞いたら
    大伍くんたちは悲しむのか、驚くのか、
    気になります。

    そして当時も映画化されていたようだけれど
    現代でもやってみたら面白そう。
    主人公の大伍くんは
    ジャニーズWESTの重岡くんがいいな笑
    桃子さんは誰だろう…
    などと考えるのも楽しい。

  • 戦後たった八年やそこらで、ここまでほんわかした小説が世に出ていたんだな。1953年といえば、うちの親父が18でお袋が14歳の頃なわけで、昭和に直せば28年!まだ長嶋だって高校生だった頃なんだな。まぁ野球小説ではないんで、長嶋を持ち出しても、なんだけど、しかしまあそれにしても、ある会社の総務部が舞台なのに、仕事の話は全くと言っていいほど出てはこないのに、もう、恋愛ばっかし。
    まぁこれはこれで、本当に長閑で、でも世間ではやっぱし大事件は起きていたはずで。
    でもいいよな、ほんとに。こんな時代にリアルに生きて見たかった。

  • 大阪が舞台のオフィスラブ。
    連作短編集です。
    ぎらぎらの大阪弁ではないので、読みやすいと思います。
    スマホはもちろん、今のような便利なものはない時代のお話。だけど恋愛模様はさほど変わりませんね。
    月のお小遣いが2000円、今で言うとどれくらいになるのでしょうか。
    ちょっと頼りない大悟くんとしっかり者の桃子さん、とってもお似合いです。

  • 獅子文六から苦さを消したような感じの、軽快でキュートな昭和のオフィスラブコメ。
    各お話が土曜日で終わり、「明日は日曜日」で締めくくる日常感が良かった。1950年代の適当さ……鷹揚さが羨ましくなる。若い人が沢山いる会社がまず羨ましい笑

    同期で同じ仕事をしているはずの大伍君と桃子さんのお給料の差に驚愕(倍も違うの!?)。時代だなぁ。

    桃子さんよりエレベーターガールの杏子さんのほうが好きだったので、もっと登場して欲しかった。

  • この作品の中では主に恋愛及びその周辺の事情について語られているののだけれども、敷衍して人生全般を見てみても、女性のほうが何枚も上手なのだ。殊に桃子さんのような賢い女性にかかったら、男性はどうしたって敵わないのであって、大伍君の見事な狂言回しっぷりを、滑稽だと笑っていられない男性諸氏もきっとたくさんあることだろうし、ここにもいる。

  • 1950年代の昭和の話、さらっと読める
    南沢奈央さんのお薦めで読む

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