- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480437952
作品紹介・あらすじ
犬は風景を見るのだろうか? 四角い画面。四角いファインダー。その四角形はどこからやってきたのだろう? 文明論的考察。解説 ヨシタケシンスケ
感想・レビュー・書評
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画家、作家の赤瀬川原平さんが、風景を見るということについて、風景を認識するきっかけとなった四角形の枠と余白について、さらには四角形の生まれた歴史について、絵と言葉で書き連ねる。
鉛筆書きの肩の力の抜けた柔らかな絵の余白に、独り言のような言葉が配される。赤瀬川原平さんの頭の中を覗き見ながら一緒に考えていくような不思議な感覚だ。
特に意識せず眺めていた風景だが、見る対象物の周辺を四角いフレームに切り取り、余白が生まれて初めて認識されたのだ、という考えには目から鱗が落ちた。
ちなみに、本書を読むために初めて図書館の電子書籍サービスを利用したのだが、パソコンの画面上でページが一枚一枚送られていくのがまるで紙芝居のようだった。他の本についてはわからないが、少なくともこの本に関しては小さい文庫で読むより電子書籍で読む方が良さを味わえるような気がする。 -
著者である赤瀬川原平らによる『路上観察学入門』に書かれてあった「子供の科学」というものを体現したような本だった。
赤瀬川氏の好奇心と着眼点にはいつも目からウロコで、日常の目線に奥行きが出る感じがする。
四角形は自然界には存在せず、人が生活の中で見つけた合理的なカタチである。納得。 -
荒木博之さんのvoicy、マイブックカフェのコーナーで紹介されていた本。
赤瀬川さんの著作は新解さんの謎以来で2作目。
確か、子どもと一緒に読み継ぎたい本として紹介されていたのだが、鉛筆描きのような、ゆるく味わい深いタッチの絵に、そこまで長くないセンテンスが添えられていて、大人なら10分あれば読み通せる。
絵だけ眺めるのも楽しいが、文章が秀逸。
こんなに簡単で短い文章なのに、今まで考えたことなかった、わりと本質的な問いに気づかせてくれて、その問いを考えることで、今まで見てきた世界の、新たな面白さを教えてくれる。
赤瀬川さんなりのこの問いに対する探究は、最後にはクルリと一周して、なんとも言えない心地良い余白と余韻を残す。
読書に不慣れな人でもたぶん楽しめて、何度でも読み返したくなる本。 -
表紙にもなっている、コーヒーカップと雨の日の窓(兼風景画)の絵のページが好きだな。絵自体もいいし、章の切れ目になっていて、雨の音が聞こえてくるような余韻がいい。ヨシタケさんの解説によれば、こういう間の取り方が絵本としてとても上手いらしい。
四角形はどこから生まれたのだろう。この本は、その問いに対して答えを出したり、実証的な推論をしたりはしないが、想像力豊かに思索する楽しさを教えてくれる。 -
家にあった本。著者をトマソンなどで知りある意味お騒がせ芸術家のように捉えていたが、晩年は哲学的な物の見方をこんな穏やかで静かに伝えていたのに驚いた。凝り固まった頭と気持ちをほぐす読書に。ヨシタケシンスケさんの解説も良い。
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おはようございます。
面白そうですね。最近身の回りであった「スマホで写真を撮る時、横にしたいか縦にしたいか」談義で、テレビ世代とスマホ世代で...おはようございます。
面白そうですね。最近身の回りであった「スマホで写真を撮る時、横にしたいか縦にしたいか」談義で、テレビ世代とスマホ世代で感覚が違うのでは…みたいな話になりましたが、どちらにせよ肉眼で見たまんまの風景は四角くはないんですよね。
読んでみたくなりました。2023/04/01 -
akikobbさんコメントありがとうございます。
「スマホの写真、縦で撮るか横で撮るか」問題、面白いですね!テレビ世代とスマホ世代の差なんで...akikobbさんコメントありがとうございます。
「スマホの写真、縦で撮るか横で撮るか」問題、面白いですね!テレビ世代とスマホ世代の差なんでしょうか?カメラで撮る時も人物は縦に風景は横にしがちかな?とか、いろいろ考えられますね。
この本はいい感じに抜けた感の絵と言葉でそんな風に考える楽しみを思い出させてくれますよ♪2023/04/01
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絵のルーツ、風景画のルーツ、四角形のルーツを探っていくうちに、キャンバスの余白→人生の余白へと。
肩の力を抜いてくれるいい作品。
ヨシタケシンスケが好きな人はきっと好き。
赤瀬川さんといえば、亡くなったあと、ニラハウスはどうなったのだろう。 -
四角形の始まりなど考えたこともなかった。
言われてみると、なるほどと思った。
意外と簡単な事で全て繋がっているのかもしれない
この本も「ではないだろうか」と言っているように、そうやって考えることが
無意味な余白を眺めることなのかもしれない -
大人向けの絵本。
色んな事の起源を考えるのが楽しくなってきそう。 -
2022.08.30~08.31
小学生の時、担任の先生が算数の時間に、「点がいくつも集まって線ができる。そして、その線がいくつも集まって、くっついて四角形ができる」と話していた。
確かに、そうだな、と思っていたが、その歴史については考えたこともなかった。
考えさせられることがさらっと表現されていることに、凄さを感じた。素晴らしい本です。読めて良かった。 -
四角形が如何にして生じてきたのか、純粋な疑問をどんどん深掘りしていく形で進んでいく絵本。疑問を追求していくということへの構えを示しながら、こうした推論や歴史の追い方を、絵と文章を駆使して平易に伝えられるのは稀有なことだと思う。
ぜひ、この本を電子書...
ぜひ、この本を電子書籍でも読んでみてください。