本は眺めたり触ったりが楽しい (ちくま文庫 あ-15-4)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 637
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480439321

作品紹介・あらすじ

積ん読したり、拾い読みしたり、歩いて読んだり、寝転んで読んだり、バスで読んだり。本はどう読んでもいい! 読書エッセイの名著、待望の文庫化!

感想・レビュー・書評

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  •  タイトルだけで手にした本。1991〜94年に新聞と雑誌に掲載されたコラムをまとめ、97年に刊行。改題して文庫化となったようです。

     「眺めたり触ったりが楽しい」に、賛同派と反対派の自分がいます。
     賛同理由としては、書店で魅力的な棚を俯瞰したり平台の表紙・表題を眺めたり、更には手に取って観る時、また、自宅の積読本から次の読むべき本を選書している時、等の場面が私の代表例です。
     反対理由は単純です。読まなきゃ意味がないし、読後の高揚感は何ものにも代え難い、と思うからです。(積読本の多さとの整合性が図られていない‥)
     そんな訳で、帯の「本はどう読んでもいい!」に頷き、(読まなくてもいい)にチョイ救われます。

     斜め読み、拾い読み、ランダム読み、ながら読み、解説から読む、カバーを外す、線を引く、角を折る、速読・遅読、音読・黙読・聴く読書、オーディオブックでスピードを上げる、最後まで読まない、延々と読み終わらない、オリジナルとダイジェスト等の読み方‥。
     さらに場所や時間のこだわり‥等々、本との付き合い方ってよくもまあいろいろあるもんです。

     すごいのは、著者の思い出や思いつきのその多いこと、多くの著作や映画のセリフからの引用・紹介があり、巻末に索引まであります。
     章立てもなく、関連したショートショート的な文章がなだらかに続いていきます。どこから読んでも心地いい感じです。

     結論‥本を読むのに正しい読み方などない! 
    ですよねー、そりゃあそうだ‥‥
     でも、不毛な作品ではなく、温故知新、読書の奥深さと新たな気付きを与えてくれる一冊でした。

  • 『眺めたり触ったり』(早川書房) - 著者:青山 南 - 高橋 源一郎による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS(2022/12/06)
    https://allreviews.jp/review/3460

    本は眺めたり触ったりが楽しい 青山 南(本文) - 筑摩書房 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480439321

  • 読書好きにとって、「あるある」と共感したり、「そんな楽しみ方もあるのか」と納得したり、読書の奥深さを感じることができる一冊。
    積読、表紙を眺めるだけでも楽しいということ、記憶違いや内容を忘れてしまってもいいのだ、ということ、本を読むスピード、音読と黙読の違いなどなど、テーマは様々だが、すべてが興味深くて面白い。
    新明解国語辞典(第四版)が読みたくなった。「動物園」を調べてごらん、という記述があり、それを読んだら衝撃を受けた。国語辞典が読み物になるなんて、思いもしなかったが、隅々まで読んでみたら面白そう。

  • 本への愛がぎっしりつまった内容でした。本の読み方扱い方はじめ、様々な作品や著者の蘊蓄、本読みの悩みなど多方面からのアプローチで読書が気軽なものだということを感じさせるエッセイでした。

  • 何より読みやすい。
    読みやすくて面白い。
    書物がまた増えた。
    買った中の1つが『新明解国語辞典』。
    何故か? 是非、読んでみてください(笑)

  •  軽快で読みやすい文体、かつ印象に残るエピソードばかりな読後感です。つまりは面白い。

     どこがよかったか?例えば、寺山修司は、アンドレ・ジッドにかなり影響を受けていて、あの「書を捨てよ、町へ出よう」を
    書いたこと、例えば、ドイツの作家たちは朗読会で食いつないでいること、例えば、ウンベルト・エーコのいう読書の心髄とは思索の助けになること、といった感じである。

     こういう風にただ読書をするだけでなく、「面白かった。特に~の部分が・・・」と書いたり人に話したりすることで、読書はぐっと深まるんですよ、というアドバイスも書いてあったので、さっそく実践してみました(笑)

     でもまあ結局、本はどう読んでもいいんです。読まなくてもいいと。それこそ、眺めたり触ったりのことについても書かれていて、とても面白かったです。

  • 本について語ったエッセイなんて、読んだら楽しいに決まってる。
    著者とは読み方も接し方も考え方も異なる部分が多々あり、そんな風に感じるのか!という驚きがあった。
    作中に登場する本好きさん達のエピソードもまた興味深くて、自分が持っていない感覚に触れられてとても面白かった。
    『本が好き』という気持ちは同じでも選ぶ本や関わり方は千差万別、というところに奥深さを感じる。
    自身は好きなものにはずっと触れていたい人間なので、このタイトルには共感しかなかったです。

  • 話題が多岐にわたる読書エッセイ。
    最後まで読まない、読めない読書の効用。本を読む場所。音読について。読んだ本の記憶違い。などがよかった。
    フランクな文体。断片的な構成。するする読めるけれど読後感はぼんやりしている。
    引用の多さからエッセイなのに索引つき。

  • 感想
    全部読まなきゃいけない。そんなことはない。どうやって向き合ってもいい。なんなら読まなくてもいい。買っただけで十分。でもせっかくなら。

  • ドイツで著者も交えた朗読会が盛んなのは知らなかった

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著者プロフィール

青山 南(あおやま・みなみ):1949年、福島県生まれ。翻訳家、エッセイスト。早稲田大学卒業。著書に『小説はゴシップが楽しい』(晶文社)、『60歳からの外国語修行』(岩波新書)、『ピーターとペーターの狭間で』(ちくま文庫)、『南の話』(毎日新聞出版)、『短編小説のアメリカ52講』(平凡社ライブラリー)ほか。訳書にカルヴィン・トムキンズ『優雅な生活が最高の復讐である』(田畑書店)、ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』(河出文庫)、阿部真理子のイラスト満載のアメリカ現代短編傑作選『世界は何回も消滅する』(筑摩書房)ほかがある。

「2024年 『本は眺めたり触ったりが楽しい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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