宇宙はなぜ哲学の問題になるのか (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 174
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480683564

作品紹介・あらすじ

「宇宙に果てはあるか」「広大な宇宙の片隅の私達は何者か」。プラトンもカントもウィトゲンシュタインも哲学は宇宙への問いから出発した。謎の極限への大冒険。

感想・レビュー・書評

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  • 「やさしい」って書いてあるけど、わかるようなわからないような、やっぱりわからない。哲学難しい。
    でも宇宙と哲学が密接な関係にあることは理解した。

  • 教材研究用

  • 宇宙をどのようなものととらえるかについて、カントの論を中心に、それ以前のギリシア古代とそれ以後の現代の論についてもとりあげている。カントについては、一般的なカントの解説書では見ることのない『天界の一般自然史と理論』等への言及など、新しく知ることがけっこうあった。また、現象世界と物自体の関係についての説明も丁寧で、すっきりわかるとまではいかないが、類書よりも、その辺りのところをきっちり説明しようとしていると感じた。

  • 112-I
    閲覧新書

  • 宇宙の捉え方を哲学、科学をもとに説明されている。歴史的に哲学者たちが宇宙を論題にしてきた例をあげて最後には地球外生命体の存在にも触れている。哲学について触れたことのない自分にとってとても難しい内容であった。

  • 帯に「いちばんやさしい哲学入門」とあるけれど、ひらがなの「やさしい」を「易しい」と勘違いすると読み出してすぐに投げ出したくなるはず。全然「簡単に理解できる」話ではないから。でも「優しい」だと思えば、嘘とは言えないものの、著書の丁寧で熱心で面白い話に「よく分からないけどもう少し読んでいたい、先を見てみたい」と思うようになるはず。
    本書は古代ギリシアの哲学からはじめて「宇宙は無限か」「宇宙が無限の広がりを持つなら知的存在がいるはずだけど私たちはその宇宙人とコミュニケーションとれるのか」という問いに進んでいく。
    私は「学問は哲学として始まった、具体的な対象や方法が固まると〇〇学として独立していった、最後に残った『よくわからないもの』を研究するのは今日でも哲学」という話が好きです。本書もその一つ。
    ただし、第一章の古典〜近代科学と哲学の関係や第三章の宇宙の無限性や宇宙人とのコミュニケーションについては面白く楽しく読めたのに対し、第二章のカントの説明は理解できた気がしない。他の哲学入門書を読んでもそうなので私のツボ(の反転)がそこにあるのだろう。

  • わかりやすく哲学の思考や実例を紹介し、科学との関係を説明してくれています。カント哲学における宇宙の有限性と無限性の話、大学の研究室に入った頃から科学的に証明することの正しさや限界についてあれこれ思案してきましたが、それらに着地点を与えてくれたような気がします。哲学入門にもってこいの一冊です。

  • タイトルに惹かれる。哲学は天文学や科学と常に番いとして在る学問であり、科学の変遷はそのまま哲学の変遷でもある。それを宇宙と結びつけて紐解いていくのが面白かった。全体的にカントの理論が多かったけど、言語哲学からのパラダイムシフトの話も充実していた。

  • タイトルからして「宇宙をどう認識してきたか」が展開されるのかと思ったら、がっつり哲学。それもカント哲学ときた。いけません。「純粋理性のアンチノミー」を展開されてもね。ちくまプリマー新書なのに難しくなってしまう。とはいえ、宇宙認識が人間の思考そのものに与える影響を無視できるはずもない。人間の認識力も宇宙と同じように拡大してきている、のかな。

  • 「宇宙の中の人間の位置」をテーマに古代から現代までの科学と哲学をたどる

    第1章
    宇宙はどうしてこんなに美しいのか? ~プラトン

    第2章
    宇宙は有限か? 無限か? ~カント

    第3章
    宇宙人が知性をもつかどうか、どうしてわかるのか? ~ウィトゲンシュタイン

    もともとが難解な理論なので“一読即解”とはいかないが
    《いちばんやさしい哲学入門》
    というコピーにこたえるべく工夫して解説されている

    「宇宙と人間」という哲学的テーマについて自分の頭で考えるために

    “学び始め”だけでなく“学び直し”にも最適なプリマー新書から

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著者プロフィール

京都大学名誉教授

「2020年 『世界哲学史 全8巻+別巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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