はずれ者が進化をつくる --生き物をめぐる個性の秘密 (ちくまプリマー新書)
- 筑摩書房 (2020年6月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480683793
作品紹介・あらすじ
「平均の人間」なんて存在しない。個性の数は無限大。生き物各々が異なっているのには理由がある。唯一無二の生命をつなぐための生存戦略がここにある。
感想・レビュー・書評
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生き物の話かなと思って読んだが、
10代若者向けかなと思う内容でした。
君は君の、生まれながらにそれぞれの個性があるみたいな。
自分の子どもに読んで欲しい。
読みやすい文体です。
生き物が進化していった生存戦略みたいなことや、筆者は雑草の研究者らしいので、植物のこととかとても丁寧に書かれていて興味深く読んだ。
それらに絡めて、人生を過ごす上でのアドバイスやヒントなどが書かれている。
最後の方で。
生きるって事は、ただそれだけの事。
赤ちゃんから成長して大人になり、老人になる。そこにはなんの努力もなくて、意思もない。
人間は脳が発達しているから考えすぎてしまって、生きにくいとか死にたいとか思ってしまう時がある。そんな時は一つ一つの細胞を考える。死にたいなんて言う細胞は私の中には居ない。心臓も肺も働くのをやめない。
生きるってことは単純なこと。
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将来できるかもしれない子供に読ませたいと思った。
中身についていうと、同じことを違う例えで何度も繰り返しているようにみえた。章ごとに言っていることがそんなに変化しないののも退屈だった。
小さい頃は何事も競争させられた。まだ世の中がわかってないときに運動でも勉強でも競争させられたら、違うことに価値があるなんて思うなんてことは無理。この教育のやり方を変えずに考えた方だけを無理やり変えようとしているのがいま。子供にとって厳しい世界になっていはしないか。 -
「生き物はみんなオンリーワンであり、ナンバーワンである」
「生きたくない生き物はいない。ただ与えられた今を生きる」
生き物から教えてもらうことがたくさんあった。
生物学の本だが、まるで哲学書のような一面もあって面白かった。 -
生き物の個性や進化について、動植物を例えとしながら、とても分かりやすく書かれている。
人間の脳の限界、ジャガイモの悲劇、ニッチという考え方、敗者が進化する、等々とても興味深い。
難しい言葉もなく、子供達にも読んでもらいたい作品。購入して時々読み返したい。 -
凄く柔らかなトーンで、わかりやすい言葉と例えで、個性という生き抜く力について説明された本。
雑草は踏まれたら立ち上がらないというお話も、とても興味深かった。
頑張り方や頑張る方向性も、自分にあったものを探していけばよい。オンリー1になれる場所でナンバー1を目指せばよい。ありのまま、個性を大切に生きるとは、そういうことなのかもしれない。
なかなか自分を知る、自分の強みを活かすというのは難しいし、いつまで経っても自分探しが終わらない私は、死ぬまで迷子なのかもしれないけれど、自分探しというニッチなフィールドで、ナンバー1になれたら、それはそれで面白い人生なのかもしれないな。
などと、あまり深く考えないで思ったりした。
正解がない、答えが出ないって、わりと辛いし気分が晴れないのにね。 -
2023年6月6日読了。雑草の研究者という著者が、生き物の「多様性」とはどういうことか?について語る本。中学受験問題でよく引用される著書だそうだがなるほど、読みごたえがあり平易でとても面白い。どの生物もある環境・ある条件下で生き残るために最適化し他の生物との差別化をはかってきており、どんなにちっぽけに取るに足らなく見えてもすでにナンバーワンでありオンリーワンであるということ。生物界の頂点に立つ肉食動物は餌となる草食動物の激減など変化に弱く、子孫を増やしニッチな環境への適用を目指す「弱い」生物がむしろ自然界では強者なのだということ。人間も、環境に適応するために知識を身に着け努力するべきではあるが、ダメとなったらそこに固執する必要はなく、身に着けた知識を別の環境に当てはめてそこで生き延びる方が理にかなっていること。なかなか勇気づけられる本でもあった。
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古来より、生物は自分の命をつないで、現在に至る。
その過程で、一番であるものだけが生き残って、バトンをつないできたわけではないことが、雑草から人類までの進化を見て、勇気をもらった。
自分に自信がない、そんな若い子から、わたしのような人、たくさんいると思うが、ぜひ読んで欲しい。
あなたは必要なんだよ、あなたはあなたのままでいいんだよ、という言葉の裏付けが、本書を通して感情論でない説明ができるし、納得した。 -
多様性をテーマにする展示で出会った本。「七時間目 強さとは何か?」が印象的だった。
john philip grimeという生態学者によると、植物が成功するための強さは3種類あるそうだ:
①競争に強い
②過酷な自然環境に耐えられる
③変化を乗り越える力。
例えば、雑草は①②は弱いが③は強い。(森林だと他の植物との競争に破れるし氷山では耐えられないが、人に踏まれたり刈られたりしてもすぐ生えてくる!)
①〜③は動物にも言える所はありそう。
競争や戦いに強いものが勝つとは限らないし。(例.チーターvsガゼル)
人類は動物界において肉体的に最強ではないが、生き延びている。それは僕らが知性という武器を持っていたからだ。
さらに人類の中でも、ネアンデルタール人ではなく僕らホモサピエンスだけが生き残った。ネアンデルタール人は僕らホモサピエンスより身体能力が高く脳の容量も大きかったというのに…。
それはホモサピエンスが「助け合う」という能力を発達させたかららしい。
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僕は競争が嫌いだし(①)、長時間労働も耐えられない(②)。けれど変化を乗り越える力は意外とあるのではと期待してみたり、あるいは全く違う切り口の強さがあると妄想してみたり。
自分の中に弱さがある限り、自分の新たなポテンシャルを探す旅を続けてみたくなるもんですわ。