ニッポンの数字 ――「危機」と「希望」を考える (ちくまプリマー新書 448)
- 筑摩書房 (2024年2月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480684738
作品紹介・あらすじ
縮みゆくこの国を待ち受ける未来は暗いのか? 社会を考えるための論点各々を、数字をベースに考えると、「危機」と「希望」の両面が見えてくる。
感想・レビュー・書評
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少子高齢化の進む日本。
財政も厳しく、国際競争力の低下している。
それだけにとどまらない。
気候変動から激甚災害の多発化。
国際関係、安全保障も楽観視できない状況。
本書の前半はこんなことが、これでもか、とばかりに「数字」で語られる。
読んでいくのがつらくなる。
一方、後半部分では新しい技術のことが中心となる。
AIとロボットの発展。
将来的にはほとんどの領域にAIが導入され、今の仕事はなくなっていくだろうともいう。
空飛ぶクルマに、宇宙開発。
医療関係では、がん治療の進化が紹介されていた。
超音波による治療や、免疫細胞を強化する方法など、様々な方法での研究が進んでいる。
だが、認知症に関しては、まだ「治療」には至らないようだ。
著者は変化の兆候に気づくことと、備えることの大切さを説いて、本書を結んでいた。
明るい未来像は得られないかもしれないが…そういう現実を知っておくことが大切だと思うことにする。
最後に、本書の文体について。
話し言葉調に書かれているせいか、読点のつけ方がかなり独特で、最初気になって仕方がなかった。
「そこで得られる利益によって設ける国、に変わった」
「さまざまな要因が絡み合ったこと、だと見られています。」
少し慣れる必要あり。
それから文体ではなく、文の途中で段落が変わってしまっている箇所(p.236)があってびっくりした。
これは編集者さんが気づいてほしかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
無駄のない、しかし膨大なデータが、わかりやすい構成で紹介されていて、大変な試行錯誤を重ねられて発刊されたものと感じました。それでもなお、自分でニッポンの未来を見極めることは容易でないという実感をもちました。
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