揺らぐ世界 :〈中学生からの大学講義〉4 (ちくまプリマ―新書)

  • 筑摩書房
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689344

感想・レビュー・書評

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  • 世界は広い
    知ることは大切だ

  • 高校生?に向けての大学教授による講話をまとめたもの。
    娘の宿題の参考になるかなと買ってきたものの、受験とかもあり、読んでもらえずお蔵入りしてたので、読んでみた。

    思ってた以上によい講義なのと、それぞれの先生からの読書案内があり、これもまた良し。

    ぜひとも高校受験が終わってから、読んでほしいと思う。

    ちなみに、大人も視野が広がると思う。

  • ☆☆☆☆
    桐光学院でおこなわれた中学生にむけた講義を編集したもの。
    自分が中学生だった頃に、このような講義を聴けたらなぁと思いながら読ませていただきました。
    中学生むけに書かれているので、表現は平易に感じますが、内容は深く、聴いている中学生が将来に見つめていく課題として良い内容でした。

    彼ら中学生の心に刻む印象に残る知識を与えるようにと、7名の知識人・専門家がその分野のことを限られた時間でまとめています。

    私は、中学生ではないのですが、
    岡真里さんの『“ナクバ”から60年』に書かれていたパレスチナ人視点のイスラエル問題は、同じモノを全く違った角度で映し出していました。今までは、ユダヤ人の立場、イギリスを含む欧米列強の被害者という立場で見ていたので、イスラエル目線のものが多かったことを知り、情報量の不均衡と同時に、自らの思い込みと知ることの意識的な遮断が働いていたことも感じました。

    そして、森達也さんの【世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい】の文章からは、

    〜〜不安な恐怖を抱いたとき、人は集団になって敵を探したくなります。そして「正義のため」、「仲間のため」という大義名分を与えられたとき、人は人を何千何万人でも殺すことができる。なぜなら悪意ではないから。悪意には摩擦が働き、後ろめたさを残す。でも、正義や善意には摩擦が働かず、後ろめたさがないから、人を暴走させるのです。〜〜
    という言葉が印象的でした。

    川田順造さんの 人類学者としての視点
    「『発展途上国』という言葉への疑問」の部分がものごとを見つめる視点と、流布している感性への疑問をもつことの大切さを感じました。

    伊豫谷登士翁さんの『グローバリゼーション』という言葉の解釈は、やはり新鮮なものてす。
    もっともっと、その概念を広く深く捉えて、自分なりの概念として形成したいと思いました、

    いずれの方の講義も、聴いているか中学生の将来に向けて、視界を広げてゆくことを進める言葉で、各氏の講義の最後に紹介されている読書案内が、彼らが世界を知ることの手掛かりになることを期待した本であろうと思う。
    2017/01/18

  • 友人からのすすめで。

    分かりやすく、しかし考えるべきテーマの集積であり、今後読んでみたい本が紹介されていて実によい本だった。

  • 三冊目が科学からの視点であったのに対して、四冊目は社会からの視点。
    戦争、宗教、グローバリズム。
    当たり前に考えていることが当たり前ではないところにストンと落ちると、怖くなる。

    フクシマ、原爆、オウム事件。
    日本の中でも、私にとっても一つのきっかけとなった大きな出来事。
    チェルノブイリ、アウシュビッツ、ジハード。
    世界に目を向けても、そこに在るものをしっかりと痛感させられる。

    どう読むか。どう受け止めるか。
    ハードな一冊だと思う。

  • 私には,読後にニュースや世界の様子が違って見えてくるタイプの本でした。
    西欧的?豊かさを考える時,識字率や1日の生活費をドル換算し比較することは多いですが,文字を持たない言語文化に生きる人々の豊かさに気付かされました。

  • 20150828 今をどう生きるか?そのための考え方、や視点について各人がそれぞれの立場で解説してくれている。高校生以上、中年まで大丈夫ではないだろうか。

  • 漫然と過ごしていると気づかない世界で起こっていることを考えるきっかけとなる良書。

  • この世界は揺らいでる。
    まるで蜃気楼のように。

    川田順三さんの言語の話が興味深い。

  • このシリーズの1回目『何のために学ぶのか』に続いて
    4巻目『揺らぐ世界』というタイトル
    宗教・人種・格差・・・争いはなぜ続くのだろうという
    帯タイトル。
    前回の『何のために学ぶのか』と同じようにとても
    とても面白く、いい内容、いい言葉が多くあったと
    思います。
    立花隆『ヒロシマ・ナガサキ・アウシュビッツ・大震災』
    岡真理『”ナクバ”から60年-人権の彼岸を生きるパレスチナ人たち』
    橋爪大三郎『世界がわかる宗教社会学』
    森達也『世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい』
    藤原帰一『民主化とピープルパワー-フィリピンからエジプトまで』
    川田順造『人類学者として、3.11以後の世界を考える』
    伊豫谷登士翁『グローバルに考えるということ』
    それぞれ、感動するような言葉が多く
    ぜひ若い人たち、中学生、高校生、息子に読んでほしい
    と思います。

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著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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