我が名はエリザベス―満洲国皇帝の妻の生涯

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  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480802774

作品紹介・あらすじ

天津の外国租界に育ち、エリザベスと呼ばれた少女は、紫禁城の豪華にも「満洲国」のかりそめの夢にも、ついに幸福を見出すことはなかった。歴史のいけにえを我が身の役割として引きうけた一女性の凄絶な生涯を描く長篇歴史小説、書き下ろし800枚。ラストエンペラー溥儀の妻の生涯。

感想・レビュー・書評

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  • 清朝最後の皇帝にして、満州国皇帝だった溥儀。その清国皇帝最後の皇后であった婉容(エリザベス)。本書は、そのエリザベスの生涯を描く自伝的小説。

    幼いころから西欧風の自由な生活をしてきたエリザベスは、16歳のときに紫禁城の宣統帝・溥儀のもとに嫁ぎ、皇后となる。
    紫禁城は、かたちの見えない因習に縛られ、見えない妖怪魑魅横領の住まう世界。そこに働く宦官、女官は帝のこと、国のことを思う前に、自らの保身、蓄財を第一に考える。いまの紫禁城に住まう悪霊に重ね合わせて考えられる。
    その後、清朝の崩壊、紫禁城からの追放、英国、日本、そして関東軍らの思惑によって、溥儀とエリザベスの人生は弄ばれ、つい溥儀は満州国皇帝に。そのとき、エリザベスは、皇后にはならなかった...

    ラスト・エンペラー溥儀とその生活について、正妻であったエリザベスの視点から描かれた自伝的手法をとった小説であり、近代中国および日本歴史についての生きた雰囲気がよく描かれていると思う。

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