- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480843012
作品紹介・あらすじ
この世に生まれ落ち、やがて死にゆく"わたし"たち、"ひと"として生き、交わり、すれ違うその諸相-。困難な時代のただ中で紡がれた、共鳴しあい連鎖する哲学的思考。
感想・レビュー・書評
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面白かったけど、難しかったな〜
個人的には1章が難しかったけれど、2章以降は身近な話題(たまにぼんやり考えたりすること)で難しいながらも面白かった
引用がたくさんあるのも、さらに学びたい時に読む本として参考になるのでよかった
とりあえずパスカルのパンセに挑戦してみたい -
ふだん、あたりまえのように使っている言葉(「わたし」、「自由」、「市民」)や、当然のこととして受け入れられていること(「家族」、「多様性」、「人間的」、「死」)なども、その表層を少し掘り下げると、それまではまったく意識していなかった諸相が見えてくる、ということを碩学に教えられる。
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哲学
社会 -
<ひと>の現象学
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わたしたち一人ひとりは何によって〈ひと〉として生まれ、どういう理由でときに「あの人らしい」と言われ、ときに〈ひと〉としてその権利が擁護され、ときに「人でない」と詰問され、やがていつ〈人〉として消えてゆくのだろうか。
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ポップな見た目とは裏腹にとても難しい本だった。間違いなく3分の1も理解は出来なかったと思うが、理解する前の「知る」事が達成できたのでまずは良しとしたい。めんどくさい思考の羅列も、面白く思える時があり、一周回って戻って来れた時もっと面白くなっていたら良い。わたしは「わたし」を知るあなたによってわたしと認知することができる。わたしとあなた。あなたのあなた。それが私。今日の理解の程度はここまで。
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2014年の福島県立医科大学看護学部の後期試験の総合問題に出題されました。ぜひ全文を読んでみたいと思います。
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顔、心、親しみ、恋、わたし、個、市民、死とは何か。この哲学者の言葉は含蓄があり詩を読むようなロマンを感じます。顔にひきつけられることが多く、つい視線がいってしまうことが多くあるが、その説明が揮う。「互いに<顔>として初めて向き合うこと、それが他者と遭う、誰かと遭うということ」誰かを思い出すとき、必ず顔を思い出すということも全くそうである。「こころ」では「歌舞伎は女性を装うのでもまねるのでもなく、ただ女性を意味しているだけ」というロラン・バルトの引用は面白い。「神体の模倣」ではなく、「身体の感覚的な抽象化」だという説明も説得力に富む。「他者を弄ぶというのは、他者にとって何よりも私秘的なものであるはずのその身体を、まるでそれを弄んでいるこのわたしの身体のように扱うということ」複雑な言い回しだが、よく頷ける。市民という言葉の招く予断からの警戒!この人の言葉は考えさせるものがあり、いちいち凄い!