アジア女性交流史 明治・大正期篇

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  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480856814

作品紹介・あらすじ

近代日本のアジア侵略という歴史のうねりの中で、あるいは抗し、荷担し、犠牲となっていった女たち-波瀾の生涯の多彩なドラマを活写し、アジアとの深く重い交流の事実と思想を発掘する、待望の力篇。

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすかった。

    知ってるひとも知らないひともこの本から始まっていく。

    からゆきさんに関心も持ったことで関心がアジアに広がっていく感じ解る気がした。


    1903年6月、松島・橋立・厳島の南洋艦隊三隻がマニラに入港したとき300名のからゆきさんが、高額なお金を出して内地から入手した揃いの紋服を着て出迎えた。

    日露戦争が始まって出征のために内地に帰るものが多くなったが、そのなかの旅費に困る者には、からゆきさんたちが帰国の旅費を与えた。

    戦争がたけなわとなった1904年、戦争推進の献納金運動が興った際には、からゆきさんたちだけで5000ドル以上ものお金を集めて、日本政府に献納した。


    からゆきに行かないといけない状況を作り、からゆきとしてアジア進出の先遣隊として外貨を稼ぐことで日本を潤させ、数知れぬ外国人を相手に体を売るということで自暴自棄になる中の唯一の生き甲斐としての愛国心。

    うーんなんかどっかで似たようなの聞いたことあるかも。。。

    昭和編も出てるらしく読んでみようと思う。

    memo☆
    福田英子「世界婦人」 黄興
    秋瑾「白香詞譜」
    鄭毓秀「中国の少女」
    相馬黒光「黙移」 ラス=ビハリ=ボーズ
    バチェラー八重子「若きウタリ」
    金成マツ「アイヌ叙事詩 ユーカラ集」
    金子文子「何があたしをかうさせたか」 四つの大逆事件
    郭沫若・陶晶孫と佐藤姉妹と
    黄信徳・朴順天 吉野作造

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著者プロフィール

山崎 朋子(やまざき ともこ)
1932年1月7日 - 2018年10月31日
長崎県佐世保生まれの女性史研究家、ノンフィクション作家。広島県で育つが、1945年広島市への原子爆弾投下前に母親の郷里福井県に移り終戦。福井で小学校教員を勤め、1954年女優を目指し上京するが、結婚・離婚、そして怪我が元で断念。1959年、児童文化研究者・上笙一郎と結婚。
女性史の研究を始め、社会の底辺に生きる女性達の姿を記録し、日本での第一人者となる。夫との共著『日本の幼稚園』は1966年毎日出版文化賞受賞。九州地方の「からゆきさん」の聞き書き『サンダカン八番娼館』で1973年大宅壮一ノンフィクション賞受賞、熊井啓監督により映画化されベストセラーとなる。
2018年10月31日、糖尿病で逝去。

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