センス・オブ・ワンダー (単行本 --)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480860965

作品紹介・あらすじ

「ここにきてよかったね」この星はすべての生命を祝福している。世界的ベストセラー『センス・オブ・ワンダー』待望の新訳、さらにその未完の作品を書き継ぐ。

感想・レビュー・書評

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  • 独立研究者、森田真生さんインタビュー|転換期を切り拓く「遊び」の発想 | YAMAP MAGAZINE(2022.09.22)
    https://yamap.com/magazine/38619

    筑摩書房 PR誌ちくま(2022年8月号 No.617 目次)
    https://www.chikumashobo.co.jp/blog/pr_chikuma/entry/1593/

    映画『レイチェル・カーソンの感性の森』公式サイト
    https://www.uplink.co.jp/kansei/aboutSOW.php

    センス・オブ・ワンダー レイチェル・カーソン(本文) - 筑摩書房 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480860965

  • レイチェル・カーソン「センス・オブ・ワンダー」の訳しおろし+PR誌「ちくま」連載のエッセイ「僕たちの「センス・オブ・ワンダー」」(2022年8月号〜2023年9月号)に大幅に加筆訂正を行ったもの。

    レイチェル・カーソンは「沈黙の春」と「センス・オブ・ワンダー」が有名だが、実はちゃんと読んだことがなかった。森田真生さんも、今回の依頼ではじめてちゃんと読んだと知って、ちょっとほっとしたが、短く、そしてむずかしいことを言っているわけではないこのエッセイに、できれば20年前、親になる前にちゃんと出会っておきたかったと一読して思った。

    後半のエッセイは「ちくま」で読んだ記憶があるものが多い。著者は二人のお子さんが小さいうちにレイチェル・カーソンに出会えててうらやましい。私自身ももちろん、子らの目や心にとまったもの(自然に限らず、本や電車などでも)に注意を向け、ともにおもしろがったりふしぎがったりすることで、自分自身の世界がずいぶんゆたかになったという経験はあるにはあったけれど、もともとインドア派のせいで世界に驚く時間が十分に取れたとはいえないし、そうやって子どもに育ててもらえる楽しい時間はほんとうに短かったと今すでに実感している。

    今から自分にできることといえば、子らに授かった子(にどうか恵まれますように・・・)や何かの縁で知り合う子どもにとって、わたし自身が「世界に開かれた感受性をともに分かち合い、生きる喜びと興奮、不思議を一緒に再発見していける大人」の一人であれるように心がけること、そしてこの本を子らの手の届くところにさりげなくおき、遠からず手に取ってくれることをひたすら祈るばかりだと思う。

  • レイチェルカーソンのセンスオブワンダーは
    冒頭30Pほど。
    (というかそれしか現存してないのか)
    それ以降は、
    森田真生さんという人の生活における
    センスオブワンダーを書いている。
    「センスオブワンダー」と言うタイトルなので
    読むまで構成に気づかなかった。

    ※著者の表記のところには
     レイチェルカーソン
     森田真生 訳と続き と表記されてはいる。

    なんだ、ほとんどはレイチェルカーソンではないのか。
    と残念な気持ちになったものの
    読み進めると、森田さんが書いた部分も十分に楽しめる。
    森田さんの舞台は現代の京都なので
    本家よりも情景が浮かびやすくて良いのかもしれない。

    誰が書いたか。と言う色眼鏡を外してしまえば
    素直に楽しめるし、気付きもあって
    これはこれで良い読み物だと思う。

    装丁画や挿絵を担当している
    西村チシカさんの点描、線画も
    内容に調和してて良いと思う。

  • “教師”を辞めたタイミング、和楽居を出ようとしているタイミングで読めてよかった。
    私が本当に望んでいるものが見えた気がする。

    ・消化の準備すらできていない事実を、次々に与えようとしなくてもいいのです。まずは子どもが自ら「知りたい」と思うように、導いてあげることが大切です。
    ・子どもと一緒に自然を探索することは、身の回りにあるすべてを もっと感じ始めることです。
    ・逆もまた真だと感じている。すでに大人になってしまった人間が、忘れかけているセンス・オブ・ワンダーを思い出すことができるとするなら、そのためには「生きる喜びと興奮、不思議を一緒に再発見していってくれる、少なくとも1人の子供の助けが必要」になる。
    ・知はしばしば、決着ばかりを急ぎすぎてしまう。矛盾が、矛盾のまま共存できる広やかさこそが、人間の心なのではないかと思う。
    ・流れに生じる渦のように、形は、形なきものの流れの中に生じる。自分が自分であるという自己同一性の前に、自分が自分でなくなるという絶え間ない変化がある。動きこそ世界の常態なのである。
    ・変化に抗うのではなく、変化とともに生きていくこと。
    ・どこに隠れるでもなく、目の前に開かれていた自然の美しさがある。これを受け取る こちらの準備がなければ、気づくことができないのである。
    ・「きてよかったね」すべての子どもたちが、この星に生まれてきた経験を、心からそう思えたら、どれだけ素晴らしいだろうか。
    ・僕たちはそもそも、自分ではないものたちと、すでに深く混ざり合っている。
    ・「必要」が、すべての価値の基礎として疑われないのは、生きることが、生きていないことよりもよいことだと信じられているからである。「語られず、意識されるということさえなくても、ただ友達と一緒に笑うこと、好きな異性と一緒にいること、子どもたちの顔をみること、朝の待機の中を歩くこと、陽光や風に身体をさらすこと、こういう単純なエクスタシーの微粒子たちの中に、どんな生活基準の生も、生でないものの内には見出すことのできない歓び」がある。だが逆に、「このような直接的な歓喜がないなら、生きることが死ぬことよりもよいという根拠はなくなる」。

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著者プロフィール

レイチェル・カーソン:1907-64。アメリカの生物学者。研究の傍ら、大ベストセラー作家に。1962年公害問題を『沈黙の春』で厳しく告発、環境問題の嚆矢となる。『センス・オブ・ワンダー』は1956年に雑誌発表、未完のままに死後単行本化された。ほか著書に『潮風の下で』『われらをめぐる海』『海辺』などがある。

「2024年 『センス・オブ・ワンダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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