かかわり方のまなび方

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480864093

作品紹介・あらすじ

力を引き出すのがうまいとか、あの人といると伸びると言わせる人たちは何が違うんだろう。働き方研究家の著者がワークショップやファシリテーションの世界を訪ね歩いた、「かかわり方」の探険報告書。

感想・レビュー・書評

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  • そっか、コミュニケーションって、出会った人と探検することなんだ。

  • ファシリテーターへのインタビュー本です。
    その中の、伊勢達郎さんの言葉が、私のchangeのきっかけで、とても大好きな考え方です。「引き出す」より「あふれだす」

    きりちゃん

  • 最近の「学ぶ」とか「教える」とかの関連本の中でももっとも、ぐっときた本です。
    実用にそくした本ではないかもしれませんが、なぜ人は学ぶのか?どのようにして人を学びへと導くのか?・・・ということについてたくさんのヒントを得られるはずです。

    答えを想定したワークショップはレクチャーであって「ほんとうの」ワークショップではないのではないか?・・・など、自分にとってもたくさんの問題提起を与えてくれた本でした。

    世阿弥の「風姿花伝」が、ふと読みたくなります。そして、なぜ秘本であったのか?・・・その理由を改めて再考したくなる本です。

  • 「力を引き出すのがうまいとか、あの人といると伸びると言わせる人たちは何が違うんだろう? 働き方研究家が、ワークショップやファシリテーションの世界を訪ね歩く。「補稿西原由記子さんの言葉」を追加。」

  • 10年ぶり位に再読して、こんなに良い本だったのかと思いました。自分も人を育てるようになって、自分のかかわり方次第でその人が伸びるかどうかが変わってしまうという立場になり、初めてわかることがある。

    ・生きてゆく上で最もかけがえのない感覚は“初々しさ”
    ・気づきは本人のもの
    ・パーソン・センタード・アプローチ…心理学者のカール・ロジャースが提示した、対人関与の姿勢や態度を指す言葉。「共感」「無条件の肯定的尊重」「自己一致」という三つの条件が手がかり。

  • ファシリテーションは状況による…depends on、予定調和な解答に集約されていくことは違う、子どもの力を引き出すための後出しジャンケンのようなもの、、、かかわり方の学び方、でした。
    全てを教えるのではなくて、大事なことを体得して、共感して、エールを送って、フォローのやり取りをして、肯定して…どう関わるかが大事というのは、人の成長に実になっていくとういことに共感しました。
    4年前も読んでいたのに、その時はあまり引っかかってなかったので、本と出会うタイミングも改めて感じました。

  • ”『自分の仕事をつくる』の西村佳哲さんの新著。ファシリテーションを今後本格的に学ぶための方向性として、カール・ロジャース氏のパーソン・センタード・アプローチをまずとっかかりにしようと決めた。

    <目的>
     今後の自身の成長のためにファシリテーションをどう学ぶかを決める

    <質問>
    ・ファシリテーションは師につくことで学べるのか?どんな師につく?
     →カール・ロジャース氏、西村佳哲さん、これからかかわる全ての人
    ・「きっかけとなる」触媒としての生き方にそぐうファシリテーションとはどんなもの?
     →「場」の立ち上げ、デザイン、ホールド、プロセス
      かかわり合い(双方、与え合う、有機的)

    <マインドマップ>(関連リンク参照)

    (キーワード抜粋)
    ・パーソン・センタード・アプローチ
     カール・ロジャースのあり方(共感、無条件の信頼、自己一致)クライアント中心
    ・中野民夫さんのファシリテーター10箇条
    ・西村佳哲さんの感知する力(眼差し、感受性の質)
    ・西原由記子さんの befriending (横並び、近づく、一緒にいる)
    ・関口怜子さんの「教えなくていい」
    ・野村誠さんの「どうしましょうかね?」
    ・木村秋則さんの「知りつづけてゆく」(not 知っている)
    ・西田真哉さんの「自己同一性」”

  • 目次メモ&読書メモ

    途中で読書メモをつけるのをやめた。
    たくさんのひとの話をあげるから、それぞれを中途半端にしてしまった印象。だが、その先を考えるのは読者自身、というのをもくろんでいる可能性は否まないし、そもそも著者のいうファシリテートの態度、「そのひとがなにを感じるかを商品化しない」ということなのかもしれない。

    メモ取ってないから文章を正確に引用できないけど、刺さったこと。
    「得た情報をすぐに使ってみたくなる、小学生のような」
    「必然性に欠けるいのちの授業」
    「気付くことは、自分で気づくことに価値と意味がある」


    まえがきの前に

     西原由記子さんに自殺防止活動の話をきく【2008年夏・東京】 人は応答する存在として生きている
     ┗人はひとりでポツンといるのではなくて、何かと応答する、そんな存在として生きている。

      本当に聴くということ
      ┗聴く、正直に伝える、待つ。befriending、近づいて一緒にいる。自分を安心させるための質問はしない。

      死ぬという決断を、なぜ尊重するのか
      ┗私には私の価値観があり、相手には相手の価値観がある。お互いがどれだけ認め合えるかというところからしか、何も始まらない。
       
      

    まえがき
    ┗美大の非常勤講師として教える立場に就いた筆者。「どうかかわればいいか?」最終的な答えが各学生の中にある。自分の考え方や価値観が、授業の支えにもなれば障害にもなる。
     教えられること・教えられないこと
     ┗成果<技術や知識<考え方や価値観<あり方や存在
      上の方は教えやすく、下の方は外から与えるべきでない。
      底辺が脆弱だと他人の道具になりやすい。
     ”働き方”と”かかわり方”
     ┗
    1.ファシリテーターは何をしているのか?

     難波克己さんにアドベンチャー教育の話をきく【2002年夏・赤城】 お互いの価値観や存在を、最大限に尊重する

     青木将幸さんに良い会議の話をきく【2003年秋・東京】 その場に集まった人たち次第で決まる

     伊勢達郎さんに“あり方“の話をきく【2002年夏・東京】 ファシリテーターの存在が場に影響を与えている

     “あり方“のまなび方は?

     菅靖彦さんに「師」について話をきく【2004年秋・伊豆】 自分を揺らし、拓いてくれるもの

     岸英光さんにコーチングの話をきく【2003年夏・東京】 コンテンツよりコンテクスト

     川島直さんに環境教育の話をきく【2003年秋・東京】 "depends on"要するに「今・ここ」の話

     コミュニケーションがとれる、とは?

     関口怜子さんに子どもと過ごすことについてきく【2002年夏・仙台】 私は私で自分の世界を広げているのが大事

     野村誠さんに一緒に遊び・つくることについてきく【2004年秋・東京】 出発点からは見えないところへ

     ワークショップの主役は?

     益田文和さんにデザインワークショップの話をきく【2004年秋・東京】 計画段階で一人1万円ずつ集めて始めました

     苅宿俊文さんに学校教育の話をきく【2003年秋・東京】 学ぶ「意味」を扱う

     桜井高志さんに地球市民教育の話をきく【2004年秋・東京】 可能性をつぶさないこと

     橋本久仁彦さんにプレイバックシアターの話をきく【2004年秋・東京】 人がその尊厳を回復するには

     中野民夫さんはそこで何をしているのか?【2008年夏・東京】 場をホールドする責任はあると思います

     いのちに敏感な人たち

    2 ワークショップとは何か?

     「ファクトリーではない」ということ

     創造的である・生産的である

     ワークショップの歴史と潮流

     持つ・持たない

     西田真哉さんにとってワークショップとは何か?【2008年夏・東京】 自分に素直に動ける人が、少しでも増える手助けをしたい


    3 人の見え方

     「I」メッセージ

     わたしはあなたではない

     スパゲッティで構造体を作ること

     気づきは誰のもの?

     知るとはどういうことだろう?

     時間虫めがね

     必然性に欠ける体験

     パーソン・センタード・アプローチ

     人の見え方


     あとがき

     謝辞

  • まるで 小学生の教科書を思わせる優しいタイトルに惹かれた。

    自身の今迄の他人との関り方に疑問符?が付いたとき ブックオフでたまたま見つけて手に取った本。

    コミュニケーションの技術上達法や上手な人の考え方を学ぶ本は星の数ほどあるが、この本は それらとは別次元だと思っている。

    現在、2往復目に入っているが とってもわかりづらい。
    いや、文章自体はとってもシンプルで かつ対話形式で取り上げているため めちゃくちゃ読みやすい。

    なのに、どーしてわかりづらいかと言えば 筆者が対話するファシリテーターの言葉の一つ一つがとても心が籠もっていて言葉が浅くないからだと思う。
    魂が乗っている言霊 とは言い過ぎだろうか?

    自身が そこまで相手の事を考えず 自分への満足のために言葉を出していたんだなぁと思ったから、そこまで思えるのだろうか

    いずれにせよ、筆者の観察力や言葉の選び方には感動する。
    筆者は読者に 理解は求めていないと思う。「自分で考える」を求めているように感じられる。

    この本を読んだあと、月焼き場の技術を 偶然にも巡り会えた他人に それも貴重な時間に披露するのは 礼儀がよろしくないと思った。

    コミュニケーションの技術を一気に覚えるのではなく、まず この本を読んで 上手な人の「まなび方」から一度 考え直すのも悪くないと思う。遠回りのように見えるけど、、、。

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。武蔵野美術大学卒。建築設計の分野を経て、つくること・書くこと・教えることなど、大きく3種類の仕事に携わる。デザインオフィス、リビングワールド代表。多摩美術大学、京都工芸繊維大学非常勤講師。働き方研究家としての著書に『自分の仕事をつくる』(晶文社/ちくま文庫)、『自分をいかして生きる』(ちくま文庫)、『自分の仕事を考える3日間 Ⅰ』『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』(以上、弘文堂)、『かか
わり方のまなび方』(筑摩書房)など。

「2011年 『いま、地方で生きるということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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