近代日本の洋風建築 栄華篇 (単行本)

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  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480873903

感想・レビュー・書評

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  • 人物・建物索引があるとなお良いかと。

  • 建築史家である藤森照信氏の論文類をまとめた一冊だ。開化篇は江戸から東京へ移り変わる都市計画からお雇い外国人とコンドル先生の登場、そして辰野金吾からなる日本人建築家の生き様・・・・とあったのに続き、栄華篇では「自覚世代」と呼ばれる日本人建築家たちが辰野とはまったく違う立ち位置、考え方で建築と関わっていく新たな時代を描いている。
    アールヌーヴォー、アールデコといった当時流行った流れはどこからやってきたのか、丸ビルをはじめとするオフィス建築はどうやって生まれたのか、など、興味深い。
    特に、昔のビル設計で2つあるエレベーターを「表側と裏側の二か所に設置した」という話が興味深かった。現代では複数のエレベーターは一か所に集中して並べるのは常識だけれど、知識が何もない手探りの状態では、階段のように二か所分かれて設置したほうがいい、という判断が為されたりもするんだな。
    今ある「当たり前」のかたちが、大昔の試行錯誤や取捨選択の末に生まれ残されてきたものなのかと思うと感慨深い。

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著者プロフィール

1946年長野県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻は近代建築、都市計画史。東京大学名誉教授。現在、工学院大学教授。全国各地で近代建築の調査、研究にあたっている。86年、赤瀬川原平や南伸坊らと「路上観察学会」を発足。91年〈神長官守矢史料館〉で建築家としてデビュー。97年には、〈赤瀬川原平邸(ニラ・ハウス)〉で日本芸術大賞、2001年〈熊本県立農業大学校学生寮〉で日本建築学会賞を受賞。著書に『日本の近代建築』(岩波新書)、『建築探偵の冒険・東京篇』『アール・デコの館』(以上、ちくま文庫)、『天下無双の建築入門』『建築史的モンダイ』(以上、ちくま新書)、『人類と建築の歴史』(ちくまプリマー新書)、『藤森照信建築』(TOTO出版)などがある。

「2019年 『増補版 天下無双の建築学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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