旅はときどき奇妙な匂いがする: アジア沈殿旅日記 (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480878793

感想・レビュー・書評

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  • 右足の表面に原因不明の痛みが生じたタマキングは、その痛みを和らげるために旅に出る。
    それも、"もっともっと本格的でない旅"に。

    本書は単なる旅行記とは一味ちがう、「旅そのもの」について書かれた本です。
    結局のところ、旅人にとっては桃源郷に見えても、人間が生活しているところには現実があり、苦しみがある。
    だったら、自分自身を他者の目で眺めることで、現実を桃源郷にできないか。

    独特の開き直り感が気持ちよかったです。
    …が、旅そのものについて、考えている、というよりも、考え込んでいるように感じる場面もあって、「あれ、どうしたんだろ…」と思うときも。
    タマキングのいつもとは少し違った一面も見えたような気がします。

  • 最初の辺りはそれなりによかったのだが、なんだかまどろっこしくて斜め読みしてしまった。
    ペリーはどうなったのですか?
    こんなに旅に出て家族はどうしているのですか?

    書いてあるのかもしれません。「読んだ」なんていっても国語のテストなら何も答えられないくらい、適当に読んでしまいました。

    なんだかそれでも決して「たまきんぐ」は怒らないだろうなあって気がしています。

  • リゾートにいるとかえって焦燥感やら罪悪感に苛まれるかもしれない、と思った。日常から抜け出したいと思う今日この頃だけど、旅行に求めてるものはそんな一瞬の安らぎじゃないのかもしれない。台湾しか行ったことないけど、やっぱり海外行ってみたいなあ。

  • 旅先でのことではなく、旅そのものについて、旅の感触にまつわる話。相変わらずのふざけた文章のなかに、ハッとさせられる言葉がまぎれている。

  • 紀行本ではなく旅そのものについて思考している本ですが、これは相当行き詰まっているのでは…と心配になりました。宮田さんの口から「心揺さぶる期待感と解放感はもう感じられない」などと聞くと切なくなってしまいます。とはいえ本著の刊行は2014年、その後も面白そうな紀行本を出されているので、これはあくまで試みのひとつだったのかなと思います。それならいいのですが…。

    熊本、杖立温泉の背戸屋のことを知れたのは収穫でした。垂涎の路地裏天国…これはいつか行きたい…。

  • 熊本の事が結構出ていた。自分と嗜好が違う。面白いと思う方向が異なるとかくも旅する場所が変わってくると。

  • なぜひとは旅に出るのか――サラリーマン人生を棒に振って旅を選んだ男が再びアジアを放浪する。それでも私は旅をしたい。チカラ入りまくりの脱力系旅エッセイ。(アマゾン紹介文)

    紀行文が主題ではなく、著者の旅について(目的・理想・現実)をまとめた一冊。
    いつもの宮田節は控えめで、しばらく呆然としながら読み進めていきました。
    これまでと比べ、面白い/面白くないで言えば後者になると思います。ただ、所どころ強く共感でき、頁をめくる手は止まりませんでした。

    「面倒くさい、と思ってしまう自分の正直な気持ちは、長い間、劣等感の源だった」(P53)
    「この旅に私の人生が飲み込まれることはない」(P170)

  • これを読んで旅に出ようという気にはならないけど読むのはおもしろかった。
    この人の本はだいたいそう。

  • ちょっと、旅欲解消。

  • 右足が痛む病気に悩んでいた著者は旅することで足の痛みが軽減することに気づき旅に出ることにした。若い頃、著者は他人と違う旅をしなければいけないという思いに強くとらわれていた。しかし今回の旅で必ずしもそうでなくて良いと気づく。夏休みなどで旅行を計画している人も多いと思うが、旅行の前に読んでみてはどうだろうか。

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著者プロフィール

旅と散歩と石ころと変な生きものを愛し、いかに仕事をサボって楽しく過ごすかを追究している作家兼エッセイスト。その作風は、読めば仕事のやる気がゼロになると、働きたくない人たちの間で高く評価されている。主な著書は『いい感じの石ころを拾いに』(中公文庫)、『東京近郊スペクタクル散歩』(新潮社)、『アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険』(大福書林)、『明日ロト7が私を救う』(本の雑誌社)など。

「2023年 『路上のセンス・オブ・ワンダーと遥かなるそこらへんの旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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