オープン・サービス・イノベーション 生活者視点から、成長と競争力のあるビジネスを創造する

  • CCCメディアハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484121130

感想・レビュー・書評

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  • 「技術で勝って、事業やビジネスモデルで負ける」と言われる日本企業は、製品イノベーションへ偏重している。その打開策としてよくいわれるのが、「モノづくりからコトづくりへの変換」です。
     本書は、その具体的なイノベーション手法としての「オープン・サービス・イノベーション」に関しての書籍となります。著者は、『オープンビジネスモデル』(翔泳社)『オープンイノベーション』(英治出版)で和書が出ている、ヘンリー・チェスブロウ。
     前著2作はどちらからかいえば、学術書的な要素もあり文献としての重要性はありながらも、少し難解な部分も多い。
     今回の書籍は、ビジネス書として書かれた1冊目の書籍であり、経営書を読み慣れた読書には理解しやすい内容です。
     オープンサービスイノベーションの4つの基本コンセプトを解説した第1部と、ケーススタディの第2部。ケース・スタディとしては長いかとも思いますが、まだまだ、オープン・イノベーション、オープン・サービス・イノベーションという言葉がひろく普及していないので、第2部のケースも結構役に立ちます。
     また、9章ではリバースイノベーション、BOPビジネスへの言及もあり、イノベーション書籍の中では、重要な1冊となります。
     

  • オープンイノベーションのプロセスにおいては、入口も出口も一つではないことが特徴となる。オープン・サービス・イノベーションでは、顧客のニーズを捉えて、必要に応じて適切な外部リソースを活用し、顧客の期待に応えることがキーとなる。サービス形態のプラットフォームをいかに上手に作るかの活動がビジネスの中心となる。

    顧客のニーズを的確に捉えるためには、行動観察を行い、顧客の体験を可視化する。顧客がサービスに接触する瞬間を見極めなければならない。

    現在、日本の製造業の大部分がコモディティ・トラップからいかに抜け出すかに苦労している。本書は、日本の製造業がサービス業という視点からビジネスを捉え直し、新たな成長のステップへ踏み出す為の示唆を与えてくれている。

  • 「車」というハードを売るのがいいのか、それを発展させて「移動」というサービスを売る方がいいのか、オープンサービスイノベーションをすることによって何が得られるのかについて、東西の事例を紹介しながら、説く。 よく言われるアップルのビジネスモデルが例に出されるが、それが、様々な産業で行われている。今朝の新聞に記事があったが、最近シャープの携帯の広告でオンエアされているIGZOだが、この研究開発資金は科学技術振興機構から支出され、ライセンス契約を結べば、どこでもつかえるオープンサービスだと。シャープだけではなく、サムスンも契約していると、(朝日新聞5月23日)。垂直統合にこだわってきた日本の家電の末路をみると、技術を抱え込むことばかり考えるのではなく、その活用の仕方を考える必要がある。技術ばかりではなく、ブランドの活用も考える時代がきているのかとも思う。
    この本の監修をしている会社の監修者の紹介が巻末にあるが、そこに後輩の名前があった。同じ職場で仕事をしていた人が、活躍している姿を見るのはいいものだ。

  • 冒頭に書かれていたオープンサービスイノベーションの概念を読んだときは、確かに世の中そうなっているよねと納得感があった。
    しかし、読み進めても、それ以上の広がりが見えず、同じ事が何度も繰り返されて書かれており、読みくたびれてしまった。

  • 最後まで読み飽きさせない、最近の時流に乗った経営論でした。「昨今の状況下でのイノベーションにはオープン性が必要だ」から始まり、イノベーションのプロセスをオープンにすることの利点・実例が詳しく紹介されています。Fedex、エル・ブリ、TSMC、P&G・・。自社だけで開発するのではなく、外部の知を取り入れて品質の高いプラットフォームを創り上げる。それをオープンにして、そのプラットフォームをコントロールすることで、競合他社のイノベーション能力を低下させ競争優位を確立する。冴えた発想するもんだなぁと感心します。ビジネススクールのテキストとして活用できそう。5年後も読み続けられているのでは。発想を転換したい時のお薦めの一冊です。

  • ちょっと難解でした。しかし書かれてあることに違和感はなく
    自分の考えを統合的に整理するには、いい本だったと思います。
    整理できたような気がします。
    でも逆の意味ではあまり斬新なアイデアはなかったかなあと
    思います。
    製品中心の事業・ビジネスモデルやさらにイノベーションでさえ
    コモディティー化のトラップに必ずハマってしまう。
    サービス中心の事業・ビジネスモデル・イノベーションをめざすべき
    という内容。モノからコトへということ。
    ビジネスをサービスとして考える。
    顧客・他社との共創・オープンイノベーション・ビジネスモデルの変革
    製品やモノ中心の考え方からそれをサービスに変えていく
    顧客に対して固定費を要求するのではなく、変動費に変えていく
    その中で、自社単独ではなく、他社や顧客とオープンに共創していく
    そのうえで、プラットフォーム化していく。
    ということ。。。。
    いま自分の事業で考えていることの後押しになったかも。。。
    やはり、これで組織化し(仲間を募って)やりたいことやるか・・・・

  • プラットフォーム戦略に似てる

  • オープン・サービス・イノベーション生活者視点から、成長と競争力のあるビジネスを創造する。

  • 「技術で勝って、事業やビジネスモデルで負ける」と言われる日本企業。製品中心のイノベーションは限界にきており、サービスイノベーションへの転換が課題である。

    イノベーションと成長を実現する新たなアプローチや考え方には、次の4つのコンセプトと実践が欠かせない。
    1.収益性を維持して、成長し続けるためのビジネスとしてサービスを捉える。
    2.イノベーションを進める企業は、顧客に価値を提供することができるため、顧客と共同してイノベーションを創出する。それにより顧客は期待以上の結果を得る。
    3.顧客、サプライヤー、補完財のメーカーやサービス提供企業など、自社のビジネスを取り巻く第三者の専門家がオープンイノベーションを加速し、サービスのイノベーションや成長を深化させていく。顧客の選択肢の幅が広がる。
    4.効果的なサービスイノベーションには新たなビジネスモデルが必要となる。社内のイノベーションで利益を得ながら、ビジネスの付加価値となる社外にあるイノベーションを刺激するというビジネスモデルである。

  • ビジネス

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