ヤクザときどきピアノ

著者 :
  • CCCメディアハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484202075

作品紹介・あらすじ

ピアニカしか経験がない『サカナとヤクザ』のベストセラー・ルポライターが、ピアノに挑戦。
ABBAの曲に乗せて、中高年の背中を押すピアノ版『Shall weダンス?』。

何年もかかった本を校了した「俺」には、やりたいことがあった。ピアノである。
映画『マンマ・ミア』を観たとき、雷に打たれた。ABBAの名曲『ダンシング・クイーン』に。
あれが、弾きたい。どうしても、弾きたい。校了で高まっていた万能感にも背中を押され、近所のピアノ教室に電話をかけまくった。
が、譜面も読めないことがわかると、電話口の声は困った様子になる。
50代の未経験者が、いきなりABBAを弾きたいなんて無謀なのか?
そんななかで、レイコ先生に出会った。彼女はきっぱりと言った。
「練習すれば、必ず弾けるようになります」と。

感想・レビュー・書評

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  • 5552さんのレビューを読んですごく気になり読んでみました。
    数日前まで読んでいた『我が友、スミス』同様、大人の趣味のお話。
    表紙を見て、ヤクザが時々ピアノを弾くのかと思っていたら、ヤクザ専門誌で暴力団関連記事を書いているライターの作者が52歳からピアノを習い始めるというノンフィクションだったのですね。
    『我が友、スミス』もこちらの作品も、大人になってからハマった趣味にどっぷり浸かっている姿がとても清々しく羨ましい!
    同じことをやっても大人は“趣味“、子どもだと“習い事“。
    音楽でもスポーツでも子どもの場合、自分の意志というより親にやらされてる感がどうしてもしますよね。
    その点、自分のやりたいことに自分のお金や時間をかけてやるのが大人の“趣味“。
    「大人のレッスンは修行ではなく余暇のひとつであり、先生は師匠というより遊びをレクチャーしてくれるガイド役と表現するのが適切だ」
    なるほどですね〜誰に強制されているわけでもなく、自分が楽しいからその世界にどっぷり浸かる。
    このブクログもそんな大人の趣味の場ですね〜
    この本には読者特典のQRコードが付いていて、作者が発表会でピアノを弾いている動画を見ることができます(期限切れだったので、YouTubeで見た)。表紙のようなサングラスの怖そうなおじさんが出てくるのかと思ったら、ひょこひょこお辞儀をしている可愛らしいおじさんが出てきて、頑張って練習していた時間を知っているものだから、見ているこっちが緊張してしまって、まるで我が子の発表会を見ているようでした笑。



    • yyさん
      こっとんさん、お邪魔しま~す☆彡

      この場をお借りして5552さんにお返事させてください。
      5552さんのレビューを読んで 気になって...
      こっとんさん、お邪魔しま~す☆彡

      この場をお借りして5552さんにお返事させてください。
      5552さんのレビューを読んで 気になってから一か月と少し。
      決してすぐではなかったのに、
      こっとんさんと同じ時期に手に取った素敵な偶然。
      私には嬉しい衝撃でした。
      こんなことってあるんですね。

      5552さんのレビュー、ユーモアたっぷりで面白かったです。
      マトリックスねぇと、ついクスッと頬がゆるみ、
      こんな風に書けたら愉快だなと思って読みました。
      ブクログって、楽しいですね。

      こっとんさん、5552さん、これからもよろしく♪

      2022/05/14
    • こっとんさん
      5552さん、yyさん
      こんにちは。

      5552さんのレビューを読んで、決してすぐではなかったのに、yyさんと同じ時期にこの本を読んでいたこ...
      5552さん、yyさん
      こんにちは。

      5552さんのレビューを読んで、決してすぐではなかったのに、yyさんと同じ時期にこの本を読んでいたこと、私にとっても嬉しい衝撃でした!
      思い返してみると、あの頃は図書館の予約本が次々とまわってきていて、追いかけられるように、馬車馬のように(?)読まされてる感があったのです(笑)
      図書館の予約って予約した時はワクワクしているのだけど、ずーっと待っている間にどんどん気持ちが冷めていっちゃうんですよね(だったら購入しろ!って話‥‥へへへ‥‥スミマセン)
      そんな時に『今!現在!自分が読みたいものが読みたい!』とブクログの本棚を見返して、これだ!と選んだのが『ヤクザときどきピアノ』だったのです。
      5552さんのレビューが強烈に残っていて、どうしても読みたかった本だということが自分でもわかります。
      私もyyさんの仰るように、55552さんみたいに人を惹きつけるレビューが書けたらいいなぁと思いました。
      はぁ〜、でもホント、ブクログってステキな場所ですね♪
      5552さん、yyさん、これからもよろしくお願いしますね❤︎

      2022/05/15
    • 5552さん
      yyさん、こっとんさん、

      お返事ありがとうございます。
      もったいないお言葉、ありがとうございます。
      大人になってからは、周りに本を...
      yyさん、こっとんさん、

      お返事ありがとうございます。
      もったいないお言葉、ありがとうございます。
      大人になってからは、周りに本を読む人があまりいない環境で、寂しく思っていました。ブクログを始め、レビューを書くようになり、いいね!やコメントまでもいただけるようになって、こうやっておふたりともやり取りさせていただいて…もう、望外の幸せです。

      yyさん、こっとんさん、これからもよろしくお願いします!

      おふたりの読み時期の一致は不思議で楽しい縁ですね。
      私も他のフォロワーさんと、新刊でもない本を、一日違いで読んでいた…。ということがあって、面白いなあ、と思っていたところです。

      こっとんさんの図書館の予約のおはなしは「あるある」ですね!
      本は読みたい!と思ったときがいちばんの読み頃なのかもしれません。
      2022/05/16
  • 以前、稲垣えみ子さんの『老後とピアノ』の感想をあげたとき、夜型さんがこちらの本を薦めてくださった。
    『老後とピアノ』の内容がすこしでも残っているうちにと、慌てて読んだら驚いた。おふたりが仰ることに相似があるのだ。

    私の言葉でまとめると、「良い先生との出会い」「反復練習を死ぬほどせよ」「中年には中年の気づきがある」「自ら弾いてみるとピアノの世界が、音楽の世界が広がる」など、書いてらっしゃることに共通点があった。

    あまりの物覚えの悪さに辟易して『マトリックス』みたいに、うなじにある穴にプラグを差し込んでインストールすると、労せずしてカラテの達人になれる、みたいな機械早くできないかなー、なんてダメダメな考えが頭によぎる自分は、おふたりが口を揃えて言う「人は裏切るけれど、練習は裏切らない」という言葉を、肝に銘じておきたいと思う。

    「ダンシングクイーンが弾きたいんです」と、ピアノ教室に来たコワモテの中年男性に対峙して、一歩も引けを取らないどころか、上達するように、上手く誘導してゆくレイコ先生はカッコイイ。

    文章はハードボイルド。←よく知らないが。
    けれどたまにもしかしたらツッコミ待ち?と、こちらが訝るような表現や、美しい比喩表現が飛び出す。待ってなかったらごめんなさい。

    巻末に著者が発表会で『ダンシングクイーン』を弾く姿が見られるQRコードつき。

    私はといえば、ネットショッピングでロールピアノをうっとり眺めたり、リサイクルショップの楽器コーナーを冷やかしたり、ピアノ曲を聞いてみたり、影響を受けている。

    本は世界を広げる、とつくづく思う。

    「レッスンは冒険であり、レジスタンスだ。
     ピアノは人生に抗うための武器になる。
     俺は反逆する。
     残酷で理不尽な世の中を、楽しんで死ぬ。」まえがきより

    • 夜型さん
      おはようございます。
      マトリックスは僕はまだ観てないのであれですが、それに近い感じの技術は開発中のようですよ。
      https://www....
      おはようございます。
      マトリックスは僕はまだ観てないのであれですが、それに近い感じの技術は開発中のようですよ。
      https://www.youtube.com/watch?v=subdX3Z1qU8
      ○○(ピアニスト)の弾くラカンパネラ、というふうに好きなミュージシャンの弾き方をダウンロードして演奏できる世の中に変わる…かも。
      2022/07/02
    • 夜型さん
      ゲーム感覚で弾けるようになるMagicキーなんてのはもう開発されてます。
      こっちは海苔漁師さんが訓練に使った動画に近い感じです。
      ひとり...
      ゲーム感覚で弾けるようになるMagicキーなんてのはもう開発されてます。
      こっちは海苔漁師さんが訓練に使った動画に近い感じです。
      ひとりでに弾けるようになるまでは8時間を七年……「反復練習を死ぬほどせよ」ですね!

      https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=em95uE329hk
      https://www.youtube.com/watch?v=em95uE329hk
      2022/07/02
    • 5552さん
      夜型さん、こんにちは。

      人間拡張技術、ですか。
      身体のみならず、感情すら共有できる技術…。
      めっちゃありきたりの感想ですが、ほんと...
      夜型さん、こんにちは。

      人間拡張技術、ですか。
      身体のみならず、感情すら共有できる技術…。
      めっちゃありきたりの感想ですが、ほんとにSF映画の世界ですね。
      恐怖も感じますが、ワクワクも感じます。
      どんな世界になっていくんだろ。

      Magicキーはゲームの「太鼓の達人」みたい、というか、そのものですね。
      子供のころ、電子キーボードに内蔵された楽譜通りに鍵盤が光っていくおもちゃを買ってもらったのですが、それの進化バージョンのようでもあります。
      はじめは熱心に遊んでたけれどそのうち飽きちゃっていたなー。
      海苔猟師さんの反復練習を死ぬほどできる情熱と集中力に脱帽です。

      2022/07/02
  • 筆者の鈴木氏は20年以上ヤクザを取材してきたライターさん。
    それだけで充分なパンチ力。
    そんな鈴木氏が、長期にわたる書籍を校了して解放され
    たまたま観た映画『マンマ・ミーア』の曲に心を奪われます。
    そして、心に決めたこと。
    ピアノでABBAの『ダンシング・クイーン』を弾くんだ!
    52歳で、譜面が読めない、ゼロからのスタートです。

    ピアノ講師のレイコ先生の言葉が素敵です。
    「練習すれば、弾けない曲などありません。
    練習をすれば上手くなる。しなければ上達しない。
    練習をしない言い訳にはなんの意味もない」

    「一年間、毎日3時間練習するとしましょう。
    朝から晩まで9時間鍵盤をたたけば四か月で終わる。
    でも、一年間毎日続けた人の方が上達するの。
    身体に動作を叩きこむのに点滴の針を太くしても意味がないのよ」

    また、ピアノの歴史についても触れられています。
    ピアノが生まれた時には「決闘」に使われたのだとか。
    ヨーロッパの王族や貴族が宮廷音楽科に演奏させて
    共演という名目で「鍵盤試合」を開催していたと。
    さらに、ピアノ制作が花開いたのはドイツで
    ヤクザでいえば初代組長にあたるのがベートーヴェン。
    なかなか、ユニークな発想です。

    それにしても、たった一年で念願の曲で舞台に上がった鈴木氏。
    その集中力と情熱には、どれだけ拍手しても足りない気がします。
    心から強く望むこと、そして諦めないこと。
    たくさん勇気をいただきました。

    私事ですが、父がピアノを習い始めたのは78くらい。
    発表会で舞台に上がったのが80歳。
    『ダンシング・クイーン』には遠く及ばない曲でしたが、
    首をかしげながら二曲を弾き終え
    頭を掻きながら舞台袖へと戻って行った姿が忘れられません。

    • 松子さん
      yyさん、年齢マウントなんて、そんなそんな‼︎
      ぜんぜんです‼︎
      yyさんの深い配慮や優しさが伝わってきます。

      お会いした事はないですが、...
      yyさん、年齢マウントなんて、そんなそんな‼︎
      ぜんぜんです‼︎
      yyさんの深い配慮や優しさが伝わってきます。

      お会いした事はないですが、
      素敵なお父様とyyさんの姿が目に浮かぶようです。yyさんの大切で素敵な思い出、書き留めて下さってありがとうございます。

      『おとうさん』って、
      娘には特別な存在ですよね!(^^)
      2022/05/07
    • yyさん
      まっちゃん

      優しいコメントありがとうござます。
      素敵な妄想までしてくださって、嬉しい♪
      このブクログの良いところでもあり、ちょっと...
      まっちゃん

      優しいコメントありがとうござます。
      素敵な妄想までしてくださって、嬉しい♪
      このブクログの良いところでもあり、ちょっと残念なところは
      直接お会いできないことですね。

      まっちゃんは、声が大きくて元気な人。
      だけど、心が繊細で涙もろいところがあるのかな?
      これ、私の勝手なイメージ。
      妄想も楽しい!

      これからもよろしく (^-^)/"
      2022/05/07
    • 松子さん
      yyさん、こんにちは(^^)
      おっしゃる通りですね!
      ブクログを通して直接お会いできないのは
      良いところでも残念なところでもありますね。
      も...
      yyさん、こんにちは(^^)
      おっしゃる通りですね!
      ブクログを通して直接お会いできないのは
      良いところでも残念なところでもありますね。
      もし、お会いできるなら、おすすめの本を数冊持ち寄って色々お話ししたいですね♫

      私のイメージ!
      yyさん予言者⁉︎ ほぼ当たってます!
      本や映画館テレビの前でよく泣いてます。
      悲しい場面になるとよく子供にチラ見され
      やっぱり泣いてるって言われます。

      声はね、びっくりした時に大きくなるみたいです(^-^;
      あと楽しい事大好きで、
      家では音楽が絶えず流れています♪

      ふふ、私のyyさんの妄想は
      凛とした聡明な女性!頑張り屋さん♪です!
      あと、実はyyさんの本棚にミシェル夫人の本があるのとても気になってます。
      英語でお仕事されていた方なのかな?と…。
      ミシェルさん大好きなんです!
      妄想は止まりませんね!笑

      貴重なお休みの日にまたまた長くなってごめんなさい!お返事大丈夫ですので!
      こちらこそ、これからもどうぞよろしく
      お願いします(^^)
      2022/05/08
  • 稲垣えみ子さんの『老後とピアノ』と同様、50歳を過ぎた著者がピアノに初挑戦した記録(厳密には稲垣さんは子供の頃も習っていたそうだが)。ABBAの楽曲を弾きたいという思いを叶えるため、自分で先生を探し、電子ピアノも購入し、奮闘。著者の鈴木さんの良いところは、「だからこそ良いんだ」と言い切っているところ。例えば、大人になってからピアノを習うのは遅すぎるという一般的な見方も、音楽への深い理解は子供ではできない、大人だからこそ優位なこともある、と。ABBAの曲を弾きたいという強い思いは本物であることがよく伝わってきた。ピアノに限らず、何かやりたいと強く思い実際にやることに、遅すぎることはないのだな。稲垣さんも鈴木さんも共通して言っていたのは、上手い下手はあまり関係ない、ということ。好きでやっている人に勝るものはない。私も自分の「好き」と思うことを大切に行動していきたい。

  • 「ヤクザと原発」を書かれた鈴木智彦さん
    偶然にも「これおもしろかったよ~」と友人におすすめされて読んだ本。

    譜面の読み方も知らなかったという鈴木さんがABBAの「ダンシングクイーン」が弾きたいという一心でピアノを習うという挑戦を書いたエッセイ

    私もヴァイオリンを習い始めたのは「ルパン三世」のテーマが弾きたいという気持ちからスタートしたのでこの気持ちってすごくわかる~

    で、読んで思った

    やっぱり楽器習うのって、先生によって続くか好きになるかって決まると思うのよね
    鈴木さんはすごくいい先生と出会えたんだろうな~って思う。レイコ先生すばらしいわ~私もレイコ先生に習いたい~一緒に歌いながらダンスしながらピアノ弾きたい!

    で、この本読むとやっぱり鈴木さんのピアノ聞きたくなる~
    と思ってたら、本の最後に小粋なサービスが!
    動画が見れます!
    おお~!

    あ、でも、本の内容は…音楽の話をなんかヤクザに例える感じがちょっとめんどくさい感じなのと、ピアノについて、どこかの誰かが書いてた文章の引用が多かったり前置きが長くてちょっと疲れた~

  • 「なんかよくわからんけど、面白さでは間違いなかろう」と、発売後即買いした本。カバーイラストには、演奏が終わり、演奏者が立つのを合図にドンパチが始まるんじゃないかという、不穏な面白さに満ちている。どこかで見たことある画風だなと思ったら、ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』のカバー装画を手掛けられた高橋将貴さんだった。

    黒社会を主に取材対象とするノンフィクションライター・鈴木智彦さんのピアノ演奏奮闘記。前作『サカナとヤクザ』を片付けて、ふと観たミュージカル映画に正面からハートを撃ち抜かれてしまい、「これが弾きたい!」とピアノ教室の門を叩く。とはいえ、鈴木さんはこの時点で五線譜が読めない。そこをどーんと受け止めてくれた師・レイコ先生ともに、『ロッキー』や『ミリオンダラー・ベイビー』のごとき習練の日々が始まる。

    鈴木さんがピアノ練習で経験することが逐一描写されているが、レトリックがことごとく黒社会基準なので、「黒社会ライターおじさんの異世界転生クエストなのかな、これは」と、鈴木さんの練習デイズをくすくす笑いながら読み進められる。とはいえ、鈴木さんはこれまでまったくピアノ(や他のクラシック楽器)に興味をお持ちでなかったわけではなく、レイコ先生のように、音楽を人生の楽しみとして教えられる師がたまたま周りにいらっしゃらなかっただけで、幸せな音楽との付き合いかたに飢えていたように思える。やっと出会えた!という喜びにあふれた鬼の練習がとてもハートウォーミング。そして、ピアノや名だたる演奏家にまつわる逸話などもふんだんに盛り込まれ、ノンフィクションライティングとしての誠実さも楽しめる。個人的には、カーハート『パリ左岸のピアノ工房』が引用されているのが嬉しかった。

    読者層を幅広く取るためか、ブックデザインにとても凝っているのも印象的。担当編集者さんが本書の企画・製作進捗・ブックデザインなどの狙いをSNSでかなりオープンにしてくださっていることもあって、一部で言われる「編集者いらねー」論はちょっと違うのではないかとも感じる。

    「練習すれば、(以下略)」ほかのキラーフレーズ満載で、自己啓発本の「とにかく進め」という檄じゃなくて、「明日から何かやってみようかな」とカジュアルに前を向ける本だと思う。

    なお、本書読者への特典をweb上で実施中(5月末まで)。また、鈴木智彦さんによる本書の補稿が、鈴木さんご自身のブログで読めます。

  • なんともすがすがしい。積年のピアノへの想いが炸裂しています。私もこんな経験してみたいけど、こういうのは本人の内面が整わないと出会えないんだろうな。

  • 最高です。動画は期限切れでしたがYouTubeで聴きました。思わず一緒に歌ってしまいました。発表会の緊張は解ります。私の場合は年齢40代でのフルートの発表会。出だしの全音符、音が全く出ませんでした。ピアノも憧れです。レイコ先生にピアノを教えてもいたい ♪♪

  • 牟田都子さんのXで知り、即図書館で借りて一気読み読了。笑いながら泣いた。なんという悦びの本、、!
    まず文章が面白すぎる。笑 52歳で突如ピアノを始めた挑戦を、ヤクザ雑誌編集者らしい、ハードボイルドチックな文章で綴ったお話。こんな語り口でピアノを描いた文章ある?!となった笑

    何かを好きになり没頭することの甘美な、悪魔的とまで言える快感、高揚感にわたしまで酔いしれた。ああだからわたしたちは幸せに生きてしまうのか、と納得してしまうほどの。わたしが鈴木さんと同じくピアノやってるから余計わかりみが深かったんかな(急に語彙力ない)

    何かを会得していく喜びきらめきは、わたしも同じピアノとサックスで持ってる。今までにゲットした喜びの欠片と、これからも続けて掴むだろう新しい欠片で、わたしはもっともっと音楽が好きになって、わたしの人生は死ぬまで豊かになり続けるんやろうなと思った(言葉にするとなんと大袈裟な、、と思うけど本当にそう思った)。
    で、人生のタイミング的にできなくなる時ももちろん訪れそう、その時に完全に辞めないようにしたいと改めて思ったな。毎日やれば上達する、それは間違いない、でもできないときはできないでいい、自分のちょうどいいペースで向き合えばいつでも、音楽は逃げずに待ってるんよな。そうやってずっとわたしの側に音楽を置いておけたらな、と思う。

  • 文章が上手い、というか、私好み。ぐいぐい読める軽快さと、ピアノへの溢れる愛。

    「練習すれば、弾けない曲などありません」

    若くて美人のレイコ先生に励まされて、52歳からピアノを始める作者。本業はヤクザ暴力団専門のフリージャーナリストなんだけど、ピアノの発表会の前に、

    “自分のメンタルがこんなにも弱いことを知って愕然とした。
    二十年以上、暴力団に脅され続けた経験は無意味だったということか。”

    と言うところは爆笑した(^^;


    “練習しないと弾けないの。弾ける人は練習をしたの。難しい話じゃない。”

    “練習をすれば上手くなる。練習をしなければ一切上達しない。”

    この言葉は、本当に当たり前なのに忘れがちで、心の支えにしようと思う。不安に思ったり人と比べて落ち込んだりする必要はない。必要なのは、ただ練習だけ。


    この本の中で、ピアノを弾くときの姿勢はとても大切で、悪い姿勢が癖にならないように気を付けなければならない、みたいなことが書いてあった…のは耳が痛い。

    というのは、私はピアノを弾くとき、椅子の上にあぐらをかいている…!これがいい姿勢のはずはない…けどググってみたら、別に構わないという意見も書いてあったので、まぁいいことにする(あぐらをかいてペダルを踏めないので、ペダルが出て来るとどうしても普通の姿勢に戻る)。

    学校の音楽の授業が音楽を嫌いにさせている(同様に体育の授業が運動を嫌いにさせる)という作者の主張は、本当にその通りで、もうだれもこれが正しいなんて思ってないのに、じゃあどうすればいいかがまだ分かっていないのではないかと思う。

    そもそも、一人一人違う子どもたちに、一斉に何かを教えるということが、もう時代的に破たんしつつあるのだろうと思う。昔は意味があったことなのだろうけれど。


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著者プロフィール

1966年、北海道生まれ。日本大学芸術学部写真学科除籍。雑誌・広告カメラマンを経て、ヤクザ専門誌『実話時代』編集部に入社。『実話時代BULL』編集長を務めた後、フリーに。週刊誌、実話誌などに広く暴力団関連記事を寄稿する。主な著書に『ヤクザと原発 福島第一潜入記』(文藝春秋)『潜入ルポ ヤクザの修羅場』(文藝春秋)『サカナとヤクザ』(小学館)などがある。

「2021年 『修羅の花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鈴木智彦の作品

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