自閉症スペクトラムとこだわり行動への対処法

著者 :
  • 東京書籍
4.38
  • (8)
  • (6)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 111
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487807987

作品紹介・あらすじ

自閉症(高機能自閉症やアスペルガー症候群を含む)の「こだわり行動」は正そうとするとパニックに陥るなど、修正するのが難しいとされてきている。<br>本書では、自閉症の子どもと家族支援のエキスパートとして日本の第一人者である著者が、人間関係を築きながら「こだわり行動」ばかりでなく本人と家族の生活が好転する、そのノウハウを惜しみなく公開します。<br>一人ひとりの子どもにふさわしい導き方とはどのようなものか、数多くの実践事例を示す、納得の一冊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • こだわり行動には意味がある。
    「障がい」にはそれぞれ様々な名称がつくが、それはその子自身を表わしているわけではない。
    その子の個性をしっかり受け止め、二次障害を防止するためにもその子と向き合う必要があるのだと感じた。
    そしてそれは決して「障がい」の有無に限らず、すべての子ども達に対する共通の考え方になるのだと学んだ。

  • レーダーチャートでの整理は、こだわりのようすを可視化して対策を練るのに使えそう。どうしても頭の中で介入方法をごちゃごちゃ考えてしまいがちだけど、チャートがあれば他人と問題意識や対策の共有もしやすいと思う。強いこだわりはそれを活かした別の作業や遊び、楽しみに変える、ささいなこだわりは生活全体が改善されたらつられてなくなっていくものもある、というのがおおまかな対処法かと思う。大切なのはこだわりをなくすことに支援者がこだわってはいけないなということ。こだわりは撲滅するものではなく、関わりの間口を広める材料という著者の考えがとても参考になった。あとはこだわりの事例の種類の多さとその過酷さに驚く。こだわりの強いお子さんを育ててきた保護者の方々の気持ちには、必ず寄り添えるようになりたいと決意を新たにした。

  • 関係のズレに向き合う。
    具体的な対応方法が多彩でユニークで参考になる。
    著者の30年以上にわたる実績ならでは。
    レーダーチャートで分類わけでデータ対応するのがすばらしい。
    こだわっているけど実は飽きてるがやめられないという状態は知っておきたい。
    色々な興味の引き方やルールに事前情報が大事で、コミュケーション次第だなと感じる。

  • p.57 早期・コミュニケーション改善プログラムの解説

    p.175 親へのレクチャー

  • こだわりに対して,ABAとは異なるアプローチ。
    こだわりを守りつつも,少しずつ変化に慣れさせていったり,こだわりを適応行動に変化させていくことが重要なのだろう。

    こだわりは周囲がうんざりしてしまうようなことも結構あるけれど,無碍に扱わず,無視せず,かといって付き合いすぎずに丁寧に向き合うことも大切だと思う。

    子どものこだわりを活用し,かつ,子どもの興味を引きそうな課題を使いながら,徐々に変化に慣れさせていったりする方法は,かなりの職人的な技が必要だろうから,著者のようなことは簡単には真似できない。だけども,現場でやっていく以上は,経験で工夫と瞬発力を身につける努力を続けていくことが必要だなぁなんて思った。

  • 自閉症スペクトラムの人たちに見られる「こだわり行動」への対処法について、著者の30年にわたる経験とノウハウを総合的にまとめた決定版の本。OPAC → http://t.co/3dpkcyKmxX

  • すごく分かりやすく、そして優しい本でした。自閉症ってどういうことなのか、自閉の障害で困るってどういうことなのかがすごくよく分かった。世の中にはこういうことで困っている人たちがいるんだということを知るためにも、みんなが読むといいな、と思う。そして、情緒を育むための接し方って、発達障害の子に対しても定型発達の子に対しても変わらないんだなと実感できました。

  • 感動的でした。
    自閉症スペクトラムの人の不可解な「こだわり」。
    周囲の人間関係の中で、強化されたり、種類が増えたりする「こだわり」に真っ向から向き合い、ほぐしていく。「やりとり」を真剣に丁寧に積み上げていくのが大切なのですね。

    本題からは外れますが、どうして親や先生など、身近で理解や愛情を持って接する人との間で「こだわり」がこじれてしまうのでしょう。
    繰り返される数々の「こだわり」に疲れ果ててしまう人も多いのでは?
    「普通でない」ことに対峙するには、並々ならぬ体力が必要だと感じました。

  • 専門家すごいなあ。
    けっこう手強い子どもちゃんにどう介入してどう変わっていくのかと、
    すごいねえ。ただただ感心。
    タイミングとか読みとか、そういう技をつみかさねてきたんだろうな。
    自閉症って、こだわりってなんだろう、人との関わりってなんだろうね。
    なんて思いながら読んだり。

    でっかいビーズとオモロー電卓と超でかい鉛筆はほしいな。
    そういうものを見つけてこれる遊びゴコロも大事よね。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

白石雅一(しらいし まさかず)
宮城学院女子大学教育学部教育学科教授。1964年埼玉県生まれ。日本社会事業大学大学院修士課程修了。社会福祉法人嬉泉「袖ケ浦ひかりの学園」「子どもの生活研究所」、東海大学健康科学部や仙台白百合女子大学人間学部を経て現職。1997年から「子どもの療育相談室」を主宰。仙台市学校生活支援巡回相談員、宮城県発達障害者支援センター「えくぼ」心理相談員なども務める。臨床心理士、介護福祉士。
おもな著書に『自閉症とこだわり行動』(共著、東京書籍、1993年)、『自閉症スペクトラム親子いっしょの子どもの療育相談室』(東京書籍、2010年)、『こだわり行動への対処法 こだわり行動攻略BOOK』(アスペ・エルデの会、2010年)、『こだわり行動攻略BOOK 子ども用ワークブック やってみよう! ためしてみよう!』(アスペ・エルデの会、2010年)、『自閉症スペクトラムとこだわり行動への対処法』(東京書籍、2013年)、『ASDやADHDをもつ人のための 整理整頓おたすけブック』(アスペ・エルデの会、2017年)などがある。

「2018年 『こだわり行動 理解と対処と生かし方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

白石雅一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
最相 葉月
エラ・フランシス...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×