お風呂と脳のいい話

  • 東京書籍
2.63
  • (0)
  • (3)
  • (15)
  • (10)
  • (2)
本棚登録 : 79
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487808298

作品紹介・あらすじ

脳科学者と温泉エッセイストの、あまりに異色な、あまりに刺激的な、対談エッセイ集。
露天風呂の高揚感、入浴時の脳の活性化機能、脳のメンテナンス機能、人が「裸」になることの意味、混浴と春画の共通点、欧米にはない温泉の冥利、男女の距離感、温泉と雑談力……などなど、お風呂と温泉の知られざる魅力を、脳科学という視点から明らかにします。

たとえば、お湯について著者の茂木さんは次のように語ります。
……「よくみんなは温泉の成分や効能がどうのこうのと言うんだけどね、脳に対する作用を考えるときに、そもそも大前提として、お湯って贅沢だったっていうことが大きいと思います。今の我々は蛇口をひねったらお湯が出るような生活しているけどさ。
 戦後すぐの日本の山の様子を見ると、鎌倉近郊の山は全部禿山だった。要するに、薪をみんな採っていたわけだよね。お湯ってものすごく贅沢だったわけ。そんなことは我々現代人は忘れちゃっているけど。」……

と、お湯の贅沢さを脳が感じているかどうか、という鋭い指摘をされます。

そして、お風呂がもたらす脳の活性化機能については、次のように語ります。

……「お風呂に入ったりして、基本的に何かいわゆる感覚遮断の状態にするっていうのがとっても良いことなんです。感覚遮断、要するにあまり外からの刺激に注意を向けなくてもいい状態になると脳のディフォルト・モード・ネットワークというのが活動し始めてメンテナンス作業を始めるんです。ずっと気になっていたこととか、ちょっと整理出来てなかったことが浮かび上がってきたりして、整理できたりするんです。
 そう考えるとお風呂は単に温まってきれいになるという機能で捉えるだけじゃなくて、脳のデフォルト・モード・ネットワークをいかに活性化するかという場なわけです。そこでいろいろな発想をしたり、整理したりする。発想ー整理ー記憶の呼び戻しをひとつのセッションとして考えると、すごく何か工夫のしがいがあるんですよね」……

このように、お風呂と温泉と脳をめぐって興味津々の話が続いていきます。

その他、人が「裸」になることの意味、混浴と春画の共通点、欧米にはない温泉の冥利、夏目漱石と温泉の関係、温泉と雑談力、大学と温泉の価値が逆転する時など、それぞれのテーマに沿って興味津々の面白い話が続いていきます。

日本人に生まれてよかった!温泉万歳!明日からお風呂が楽しい!
どうぞお楽しみに。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 脳科学者×温泉エッセイストの対談集…という、あまり見たことのない組み合わせに興味がわきました。

    いろんな人がみんな裸でお湯に入っていて、全然知らない人と会話が始まったり、湯船でお互い気にならない位置に落ち着いたり。
    あの"心地よくいられる距離感"というのも、日本人のお風呂文化が生み出したものだったんだなぁ…。
    ゆるゆると、いろんなしがらみがお湯に溶けていくのかもしれません。

    話題がおもしろいだけに、活字になったときの会話のつながりにわかりづらい部分があったことが、少し残念。
    実際の対談を目の前で聞いていたら、もっとおもしろいのだろうな、という気持ちになりました。

  • お風呂が好きになれるかな…とかいう勝手な期待のもと読んだ。お風呂というよりは、温泉という場について、裸の付き合いがもたらすものについて書かれていた気がする。対談だからってのもあるかもしれないけど、同じことが繰り返し書かれていて、さらに温泉を通しての日本文化へのリスペクト具合が激しい感じがした。前半は結構楽しく読めたけど、飽きました。

  • 違うジャンルを…と手に取った本。とりあえず、裸になって、温泉に浸りなさいと‼️

  • 温泉の話が意外と少なかったので☆二つです。
    お風呂そのものより、日本と海外の混浴ネタが多かったので。

  • 山口ひとみさんの7温泉へ行こう」は大好きです。つげ義春の世界もいいけれど、川端康成の「温泉宿」もエロスがあって好き
    比叡山延暦寺の千日回峰行を2度も満行された酒井雄哉さんに教えていただいたのですが、禅と言うのは外界との回路を絶つ状態に自分を置くことなんです
    老いも若きも男も女もみんな入っていて混浴でみんななごやかだった。なおかつ、お湯は病を癒す神様として崇められていた

  • 茂木健一郎&山崎まゆみ「お風呂と脳のいい話」、2014.6発行。①温泉に求めるもの、男性はビールの準備運動、女性は美容など ②欧州人は男女一緒に素っ裸でサウナに、日本人ってシャイなところがすごく美しい ③混浴って男女平等な感覚がある ④日本の温泉は「情緒」

  • 茂木さんの本は相変わらずあわない

    星野リゾートに置いてあったのでチラッと読む

    脳のデフォルトモードネットワーク
    感覚遮断、外からの刺激に注意を向けなくてもいい状態
    →この状態になると、脳のメンテナンス作業が、はじまる。
    →このとき、整理できてなかったことが整理できたりする

  • 旅行先のホテルの本棚から手に取った本。
    茂木さんの話は、外国人の知り合いのエピソードなど異文化の紹介の話が面白いなと再確認。
    10日くらい温泉宿にこもりたくなった。

  • No.803

  • 脳科学者の茂木健一郎のお風呂の話

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別招聘教授。「クオリア」をキーワードに、脳と心の関係を探究しつづけている。1962年、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。
著書『脳と仮想』(新潮社、第4回小林秀雄賞受賞)『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房、第12回桑原武夫学芸賞受賞)『脳とクオリア』(日経サイエンス社)『脳内現象』(NHK出版)『感動する脳』(PHP研究所)『ひらめき脳』(新潮社)ほか多数。

「2013年 『おぎ・もぎ対談 「個」育て論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

茂木健一郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
佐々木 圭一
スペンサー ジョ...
又吉 直樹
アンデシュ・ハン...
村田 沙耶香
宮下奈都
リンダ グラット...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×