- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784487808298
作品紹介・あらすじ
脳科学者と温泉エッセイストの、あまりに異色な、あまりに刺激的な、対談エッセイ集。
露天風呂の高揚感、入浴時の脳の活性化機能、脳のメンテナンス機能、人が「裸」になることの意味、混浴と春画の共通点、欧米にはない温泉の冥利、男女の距離感、温泉と雑談力……などなど、お風呂と温泉の知られざる魅力を、脳科学という視点から明らかにします。
たとえば、お湯について著者の茂木さんは次のように語ります。
……「よくみんなは温泉の成分や効能がどうのこうのと言うんだけどね、脳に対する作用を考えるときに、そもそも大前提として、お湯って贅沢だったっていうことが大きいと思います。今の我々は蛇口をひねったらお湯が出るような生活しているけどさ。
戦後すぐの日本の山の様子を見ると、鎌倉近郊の山は全部禿山だった。要するに、薪をみんな採っていたわけだよね。お湯ってものすごく贅沢だったわけ。そんなことは我々現代人は忘れちゃっているけど。」……
と、お湯の贅沢さを脳が感じているかどうか、という鋭い指摘をされます。
そして、お風呂がもたらす脳の活性化機能については、次のように語ります。
……「お風呂に入ったりして、基本的に何かいわゆる感覚遮断の状態にするっていうのがとっても良いことなんです。感覚遮断、要するにあまり外からの刺激に注意を向けなくてもいい状態になると脳のディフォルト・モード・ネットワークというのが活動し始めてメンテナンス作業を始めるんです。ずっと気になっていたこととか、ちょっと整理出来てなかったことが浮かび上がってきたりして、整理できたりするんです。
そう考えるとお風呂は単に温まってきれいになるという機能で捉えるだけじゃなくて、脳のデフォルト・モード・ネットワークをいかに活性化するかという場なわけです。そこでいろいろな発想をしたり、整理したりする。発想ー整理ー記憶の呼び戻しをひとつのセッションとして考えると、すごく何か工夫のしがいがあるんですよね」……
このように、お風呂と温泉と脳をめぐって興味津々の話が続いていきます。
その他、人が「裸」になることの意味、混浴と春画の共通点、欧米にはない温泉の冥利、夏目漱石と温泉の関係、温泉と雑談力、大学と温泉の価値が逆転する時など、それぞれのテーマに沿って興味津々の面白い話が続いていきます。
日本人に生まれてよかった!温泉万歳!明日からお風呂が楽しい!
どうぞお楽しみに。
感想・レビュー・書評
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脳科学者×温泉エッセイストの対談集…という、あまり見たことのない組み合わせに興味がわきました。
いろんな人がみんな裸でお湯に入っていて、全然知らない人と会話が始まったり、湯船でお互い気にならない位置に落ち着いたり。
あの"心地よくいられる距離感"というのも、日本人のお風呂文化が生み出したものだったんだなぁ…。
ゆるゆると、いろんなしがらみがお湯に溶けていくのかもしれません。
話題がおもしろいだけに、活字になったときの会話のつながりにわかりづらい部分があったことが、少し残念。
実際の対談を目の前で聞いていたら、もっとおもしろいのだろうな、という気持ちになりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
お風呂が好きになれるかな…とかいう勝手な期待のもと読んだ。お風呂というよりは、温泉という場について、裸の付き合いがもたらすものについて書かれていた気がする。対談だからってのもあるかもしれないけど、同じことが繰り返し書かれていて、さらに温泉を通しての日本文化へのリスペクト具合が激しい感じがした。前半は結構楽しく読めたけど、飽きました。
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違うジャンルを…と手に取った本。とりあえず、裸になって、温泉に浸りなさいと‼️
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温泉の話が意外と少なかったので☆二つです。
お風呂そのものより、日本と海外の混浴ネタが多かったので。 -
茂木健一郎&山崎まゆみ「お風呂と脳のいい話」、2014.6発行。①温泉に求めるもの、男性はビールの準備運動、女性は美容など ②欧州人は男女一緒に素っ裸でサウナに、日本人ってシャイなところがすごく美しい ③混浴って男女平等な感覚がある ④日本の温泉は「情緒」
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旅行先のホテルの本棚から手に取った本。
茂木さんの話は、外国人の知り合いのエピソードなど異文化の紹介の話が面白いなと再確認。
10日くらい温泉宿にこもりたくなった。 -
No.803
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脳科学者の茂木健一郎のお風呂の話