人という怪物 下 (混沌の叫び3) (混沌の叫び 3)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 47
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488010034

作品紹介・あらすじ

移民船の着陸を前に、スパクルと人間との和解は成るのか? 3部作でガーディアン賞、コスタ賞、カーネギー賞を独占したYA文学の金字塔。巻末に付録短編「新世界」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 3 部作の最後の本作品は語りの主体が三つ巴でグイグイ読み手を惹き付ける。
    ヤングアダルトを逸脱した名作?
    「われは円環にして、円環はわれなり」
    という言葉を考えてみたくてネットで色々調べていると、
    ニーチェの永劫回帰思想やポアンカレの回帰定理なんかにたどり着き、
    面白いなと思った。
    多体問題の解の軌道はカオスなんだ。

    2011 年 カーネギー賞受賞作品。

  • 終わった。全体の感想は良かったです。
    SFでいいよね。
    腕輪がどうなったのか気になる…
    日本だったらアニメ化されてるかも。
    ノイズの使い方はあくまでも精神的な範囲に留まっていて物理的な干渉はなし。潔い、日本の漫画やアニメだったら謎の物理干渉してそう。

  • スパクルである、1017の視点も入ってきて、話がいろいろ複雑になっており、話の展開が早い。
    プレンティス総統のトッドへの気持ちが凄すぎて、怖い。
    ノイズを使って相手をコントローしたり、攻撃したり、、、恐ろしい。
    トッドの成長ぶりがすごい。最初の頃のトッドは、ノイズを、制御することもできず、考えたことがダダ漏れで、行動にもそれが出ていたが、自分を制御することができるようになる。
    ヴァイオラと出会ったからなのか、戦うようになったからなのか、プレンティス総統と一緒にいるからなのか、いろいろなことに影響され、人は成長するんだな。。
    最後が、そんな最後でいいの?こんな最後なの?ジェットコースターの途中から放り出されたような気持ちになってしまった!
    このシリーズは、本当に面白かった!!

  • ヴァイオラが乗ってきた移住船が、この星に着陸する日が迫っていた。大勢の移住者がやってくるのだ。だが、スパクルと人間は一触即発の状態が続き、人間のあいだでも権力を独占しようとするプレンティス総統と、爆弾テロも辞さぬ反政府組織の指導者ミストレス・コイルは互いを信用せず、共通の敵を前に結束できずにいた。なんとかスパクルと人間との和平をまとめようとするトッドとヴァイオラ。一方スパクル側には意外な情報源がいて…。巻末に付録短編「新世界」を収録。カーネギー賞受賞。『怪物はささやく』の著者が贈る、驚異の三部作完結。

  • 3部作終了。素晴らしかった。 下巻は怒涛の、まさに息もつかせぬ展開で、状況はめまぐるしく変わり、相変わらず主人公たちはそれに翻弄され、疲れ果てた頭と体で選択に次ぐ選択を強いられる。ネスさん、すごい力量!
    終わってみると、主人公たち、すべての登場人物たち(リターンや馬たちも含めて)の愛しいこと。終わり方も良かったと思う(付録はどうかな、蛇足な気も。)。
    誠実でいること、どんなに追い詰められても道を選び取り続け、その結果に責任をもって生きていくこと、その厳しさが全編を貫いてる。
    「だが、必死に正しい選択をしようとはするだろう。ヴァイオラ、それが選択するということだ。どうしようもなかったなんて口にするのは、責任逃れだ。自分の行動に誠実な人間なら、そんな無責任な言い訳はしない」(上巻)というブラッドリーさんの言葉がすべてを語っているかも。
    それから、 「人はあやまちを犯すものだ。問題は犯したあやまちではなく、そのあやまちにどう対処したかってことだ」というベン(ベン!)の言葉も。
    緊迫した場面で行の途中で文を分けたり、あまり効果的ではない場面の切り替えなんかはちょっと気になるところけど、でもこれだけの熱意(ストーリーの背後からものすごい熱意が伝わってくる)の前ではそんなこと些細な事かもしれない。

  • ちょ、ちょっと待ってね……うわあ…首長…まじかよ……
    途中、首長可哀想…という思いが止められなくなってきて笑った。日本の作品の主人公ならあんだけ熱心に口説かれたらちょっと絆されちゃいそうなもんだけど、きっぱりしたもんである。
    本当にな…タイミングがな…笑えるレベルでかわいそう。
    しかし面白かった!
    終わり方もいい。
    「親」ってものの存在がすごく大きい作品だった。

  • 2014.04.20

  • そう言う展開か?

  • 首長、粘着質でちょっときもいハゲオヤジ(そして肌がつやつや)を想像して読んでたけど、長身美形を思い描いていたらまた感じ方が違っただろう。
    この物語のすべての元凶にして、超重要人物。
    その狂信的なカリスマ性が魅力でもある。
    死に方なかなかいいじゃん。首長グッジョブww

    ミストレスコイルは、最後までブレなかった点は評価できるけど、その分人間としての魅力が半減。これも"人という怪物"だということか。

    けっこう登場人物死んでるし、リーは目はえぐられてるし、残酷な演出よかった。
    ボーイミーツガール、試練、絶望、諦め、混乱、そして希望。
    アニメ化したらおもしろいかも。


    …パスウェイズ・エンドで待ってる。


    付録短編:YA本らしく、ヴァイオラの感情がみずみずしく描かれていてよかった。

  • 自分の読書歴上ハリーポッター以上にわからんちんの主人公で苛立つことこの上なしの作品。その分ヒロインが出来すぎかも。でも3部作読まずにいられなかったのは、それだけの力があるからなんだろうなあ、とも思ったり。いろいろな設定の謎に驚くべき秘密があるわけではなかったり、大事な秘密が隠れているわけでもなく、ただ人の営み(愚かさ)ゆえってところが、哀しみと感動を出しているのかなー。新しいようでスタンダードな話でした。

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