シスターズ・ブラザーズ

  • 東京創元社
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488010041

作品紹介・あらすじ

乱暴な兄、優しいがキレると危ない弟。凄腕の殺し屋シスターズ兄弟は、ゴールドラッシュに沸くカリフォルニアへ仕事に向かう。読書界に衝撃を与えた、ブッカー賞最終候補作。

感想・レビュー・書評

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  • だいぶ前に読んだので、いまいち覚えていないが、映像化が目に浮かぶような作品だった。

  • 語り口が絶妙。ひねくれたユーモアセンスが読んでいて楽しかったです。【2023年8月17日読了】

  • 『みんなバーに帰る』でファンになったので、こちらも読む。硬派な文体がどんどん次を読ませる。男くさい物語ながら、どんどん引き込まれるのは何故だろう。時代の空気感や自然、乾いた土埃がありありと眼前に広がるから不思議。

  • おもしろいかというと…う~ん。
    味がある、と答えるかな。

    語り手がちょっとIQ低めな弟、っていうところが、話に深みをだしている。
    バンバン人を撃っちゃうお兄さんに対しても、
    他人であれば『荒くれ者で人でなし』になるが
    兄弟だからそれを受け入れる許容が自然と出てくる。
    それを語っても、血なま臭くならないのは、そんな弟が語っているからか。


    善き人のように描かれている弟。
    見返りをそれほど期待せずに女に金を与え、社会的弱者には少しの情けをかける。
    だが、踏み込んだ人間関係は一切遮断。
    だからこそ決して仲良しではないような兄弟の描かれ方だが、その絆が浮き出される。
    見え透いた『絆がテーマの感動作品』より、余程いい。

    読みやすい。が『このミス』4位っていうのはちょっと疑問。
    ミステリ??(苦笑)

  • 面白かった。ただ帯の文句にあるほどダークでもないし大笑いもしなかったし、マッカーシーとは舞台設定が似ているだけで、立ち位置は全然違うんじゃないかとは思ったけど。文章だとサラサラ読めてしまうので、映画化したらもっと面白くなりそうな気がした。

  • 時は19世紀の米国西部。
    兄弟の殺し屋が一人の山師の殺害を命じられてカリフォルニアに旅立つ。

    その道中 兄弟の力関係、頭の良し悪し、残忍さや温かさが明らかになる。

    例え殺し屋でも人間だれであれ
    何かにすがって 何かを手掛かりに生きている。

    それは自分の腕であったり、将来の希望であったり、人間関係であったり
    異性への愛情であったりお金であったりする。

    結構 内省的な 主人公(弟の方)の視線で語られる本書は
    そういった 人生を変えてくれそうな何かに振り回される生きざまを描いている。

    先の読めない展開なのに、次が読みたくなるプロット。

    構成力も表現力もなかなかである。
    日本の小説だと主人公の独白のようなもので心理描写をするが
    ここは行動で心理描写がされる。

    例えば二日酔いばかりしている兄は現実から逃げようとしてる。
    弱いものにやさしい弟は愛を求めている。
    駄馬にも 行きずりの女にもやさしい。

    それは 人に対する態度は 未来への希望から
    くる。

    お金やお宝を求めた兄弟が最後に求めたものは・・。

    一日でよみました。なんという傑作。
    素晴らしい読書体験。

  • 名うての殺し屋シスターズ・ブラザーズ。兄は危険で、弟はもっと危険。
    提督の命により今回狙うはとある山師。
    珍道中を経てターゲットの男を見つけたものの…。

    知性面でやや問題ありの弟が語り手で、普段は穏和だけれど切れると凶悪になると言う性格が良く表れている。
    凄まじく残酷なシーンをさらりと流す様は笑えるけど笑えない…。
    そして、この格好良さは残念だけど自分には分からない。
    作品として面白かったけれど、別格かと言われると首を捻るんだよなぁ。ノワールとかそう言うのが好きじゃないからってのもあるんだろうけど、こういうロマンはわからんな~。
    西部劇で兄弟ものだったら荒野のホームズシリーズの方が好みだな。
    あ、でも装丁はものすごくカッコいい!と思う。

  • 馬と銃と殺し合いに満ちた西部劇の世界だけれど、出てくる奴らはどいつもこいつもクールなキャラからは程遠い。優しくもなければ賢くもない、人生だって全く思うように進まない。
    皆がゴールドに魅せられて画策するなか、ちょっとマヌケで善良なイーライだけが、「生き方」や「幸せ」なんていう役に立たない事に想いを巡らせる。
    出てくる人物が(タブを含め)、皆魅力的で、大変楽しく読めた。人間、これくらい無責任でいいんだよ。たくさん人は死ぬけれど、根底には愛がある素敵な物語だった。

  • 文学

  • なんだろう、派手さや起伏は感じないんだけど、引き込まれっぱなしの面白さ。エピローグが、また良い感じなわけさ。面白かったぁ!

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