穢れの町 (アイアマンガー三部作2) (アイアマンガー三部作 2)
- 東京創元社 (2017年5月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488010683
作品紹介・あらすじ
月桂樹の館で暮らす男の子ジェームズ。館を逃げ出したジェームズは、フィルチングの町で、決して使うなと言われていた金貨でパンを買ってしまう。それがとんでもない事態を招くとも知らず……。物の声を聞く能力のあるクロッド・アイアマンガーと、召使いのルーシー。世にも奇妙で怖ろしい運命に見舞われた二人の運命は? 堆塵館に何が起きているのか。著者本人によるイラスト満載。『堆塵館』で読書界に衝撃を与えた三部作第二部。
感想・レビュー・書評
-
ゴミ屑まみれの赤き穢れの革命家。
ルーシー・ペナント。……こりゃ惚れるな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
舞台はルーシーの故郷、穢れの町へと移り、辛い現実を、さも当然であるかのように受け入れている人々に対するルーシーの勇気ある行動が気高く、まるで革命を起こす中心的人物であるかのよう。
ルーシーに負けず劣らず、クロッドの成長も清々しいものがある。かつてはアイアマンガー一族であることに、なんの疑いもなくひっそりと暮らしていたクロッドが、ルーシーと出会ったことで、世の中を見つめ直し、自分に出来ることを見いだしながら、
「自由でなくちゃおかしい。」とまで言うようになったのだから。こんなに行動的じゃなかったのにね。
こうした二人の成長も含めて、物語の展開に入り込んでしまうのは、どんな境遇であっても、挫けずに出来ることを探しながら、生きられるだけ生きてやるぞといった気持ちに、理屈抜きで共感させられる、私もこういう生き方をしたいといった、憧れの気持ちもあるからだと思いました。
ただ、それにしても、二人の再会と別れの繰り返しには、本当にやきもきさせられる。久々に再会したときの台詞のやり取りが素敵で、ホロリとした分、尚更である。要するに、早く第三部が読みたいということですね。 -
ネタバレクロッドとルーシーが再会を果たす。が、ごみの山があふれ出し、英国がフィルチング区を焼却消滅させることを決定したために混乱は拡大。堆塵館に続き月桂樹の館も崩落する中、クロッドとルーシーは別れ別れになってしまう。領主である祖父と対決するクロッドだが、彼はあまりに無力だった。そしてアイアマンガー一族はロンドンへ侵入する。いやもう、何と言っていいのかわからない。巨大な物語に翻弄される。
-
まさに”怒涛”の展開!
1部の終わりが「ええっ!!!」で終わったので、続きが楽しみな続編です。
第3部の完結まで発行されてから購入、読み始めたので、1部と2部の間隔があまり空いていないからいいものだけど、これ発行当初に読んでいたら待ちくたびれて、狂いそうなレベルです。
2部の主役は、完全に召使の女の子に代わっている。また1部ではそうでもなかったが2部では登場人物で一番好きなキャラになりました。
がんばれ、ルーシー・ペナント!! -
「月桂樹の館で暮らす男の子ジェームズ。館を逃げ出したジェームズは、フィルチングの町で、決して使うなと言われていた金貨でパンを買ってしまう。それがとんでもない事態を招くとも知らず……。物の声を聞く能力のあるクロッド・アイアマンガーと、召使いのルーシー。世にも奇妙で怖ろしい運命に見舞われた二人の運命は? 堆塵館に何が起きているのか。著者本人によるイラスト満載。『堆塵館』で読書界に衝撃を与えた三部作第二部。」続編
-
4.22/237
アイアマンガー三部作の二作目(「堆塵館」→「穢れの町」→「肺都」)
内容(「BOOK」データベースより)
『月桂樹の館で暮らす男の子ジェームズ。ある日館を逃げ出したジェームズは、フィルチングの町で、決して使うなと言われていた金貨でパンを買ってしまう。それがとんでもない事態を招くとも知らず…。物の声を聞く能力をもつクロッド・アイアマンガーと、勇敢な召使いのルーシー。世にも奇妙で怖ろしい運命に見舞われた二人の未来に待つのは?堆塵館に何が起きているのか。著者本人によるイラスト満載。『堆塵館』で読書界に衝撃を与えた三部作第二部。』 -
舞台を移した穢れの町が堆塵館のあるゴミ山とロンドンの間にあって,それが滅ぼされるというすごい展開の中で、再び巡り会うクロードとルーシー.物と人間の謎を秘めた関係が次第に明らかになってきた.新たに登場するロンドンに住む本当の?人間たち.アイアマンガーはどう攻撃を仕掛けるのか,クロードはどうするのか,いよいよ盛り上がる次巻,楽しみだ.
-
(1と3の間に読了してるのに載せ落としてたので後追い追加)
-
面白い。これ以上の感想が出てこない。
次々と明かされ、更に深まっていく秘密と謎。
めくるめく陰謀とアイアマンガーという一族の暗部・・・。
この世のおぞましさもけがらわしさも、ここにある。
まだまだ計り知れない物語の最下層へと、読者は誘われる・・・。