フレドリック・ブラウンSF短編全集2 すべての善きベムが

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (555ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488010935

作品紹介・あらすじ

奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第一弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、SF全短編を年代順に収めた全4巻の決定版全集。第2巻には「闘技場」「ノック」などSF黄金期の傑作15編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • SF。短編集。全集の2作目。
    既読の作品も多いけど、どの作品も面白い。
    全ての作品が面白いと思った短編集も久しぶり。
    大森望さんの解説通り、とにかくアイディアが良い。
    ユニークなバカSFの「夜空は大混乱」、ロマンチックな「狂った惑星プラセット」、結末の切れが良い「ねずみ」、メタミステリ的な「一九九九年の危機」が特に好き。
    本当に好きな作家です。

  • この作家のSFを読んでいると、安心するというか、ほっとする、癒しがある。気持ちよく、心地よい。いいなあ。

  • 「ウェイヴァリー」は地球人が電波Waveを頻用するようになったので、それを好餌とする不可視の存在がどこかから飛来して発電した刹那に食ってしまうので電気文明が壊滅して蒸気機関と移動には馬の時代に戻るという19世紀賛美のストーリー、「電獣ヴァヴェリ」の題名で心に残っていた。

  • ショートストーリーの名手・フレドリック・ブラウンのSF短編を年代順にまとめた全集の第二巻。どれもが傑作揃いでお腹いっぱい。個人的には<さあ、気ちがいになりなさい>が最高。センス・オブ・ワンダーな設定とサスペンス味のある展開、跳躍するラストにしびれた。<一九九九年の危機>はアシモフのような謎解きSFで、考えさせられる結末には唸るばかり。他に<ウェイヴァリー><狂った惑星プラセット><ノックの音が>など、おなじみの有名作。新訳にあたり変えられたタイトルには、古参の読者からの不満が多いようだ。

  • 目次
    ・不まじめな星
    ・ユーディの原理
    ・闘技場
    ・ウェイヴァリー
    ・やさしい殺人講座全十回
    ・夜空は大混乱
    ・狂った惑星プラセット
    ・ノックの音が
    ・すべての善きベムが
    ・ねずみ
    ・さあ、気ちがいになりなさい
    ・一九九九年の危機
    ・不死鳥への手紙
    ・報復の艦隊
    ・最終列車

    訳文にそれほど違和感を抱かないのに、タイトルの変更がとにかく気になってしまう。
    「不まじめな星」は「シリウス・ゼロは真面目にあらず」だし、「夜空は大混乱」ではなくて「狂った星座」でなくては。
    「狂った惑星プラセット」は別に旧タイトルの「気違い惑星プラセット」にはこだわらないけれど、「狂った」だと、最初から狂っていたとも途中で狂ってしまったようにも取れるので、「イカれた惑星プラセット」でもいいと思うのだが。

    そして、「ウェイヴァリー」はダメよ。
    確かにWaveriesを発音通りに書くとそうなるのかもしれないけれど、ここは「ウァヴェリ地球を征服す」よりもっと古い「電獣ヴァヴェリ」が断然良い。
    若い頃にはピンと来なかったけど、今の時代にこそ読まれてほしい作品。

    新しいタイトルがよかったのは「報復の艦隊」。
    「報復宇宙船隊」だといまいち重量感に欠ける気がするので。
    でもって、これこそSFのとある分野の金字塔と言ってもいい作品だと思っていますが、それしか書きようがないのがもどかしい。
    解題でも”テンポの良い語り、閃光のようなアイデア、皮肉な結末。ショートショートの見本のような作品である。ネタをわってしまうので、うっかり内容紹介ができない。”と書いてある通り。

    多分私が初めてブラウンの短編を読んだのはこの辺りの作品。
    作品としては長編の「発狂した宇宙」が最初だけど、短編がめっぽう面白かったので、手当たり次第に短篇集を買ったのでした。
    特に「狂った星座」とか「ノックの音が」が好き。

    「さあ、気ちがいになりなさい」は、タイトルのインパクトもさることながら、結構内容も衝撃的で、読後しばらく放心しました。
    そして、その中に出てくる「明るく輝くもの」は、「明るく輝けるもの」でお願いします。
    何十年もそれで刷り込まれているので。

  • 狂った惑星プラセットが楽しめた。

  • 巨匠フレドリック・ブラウンの短編全集、第2巻(全4巻刊行予定)。

    第1巻に引き続き、珠玉の短編SF小説が堪能できる。そして本巻には、私の最も好きなブラウン作品『さあ、きちがいになりなさい』が収録されている。作品を覆うサスペンスと、背筋をゾッとさせられつつも、思わず「なるほど」と唸ってしまう結末。そして何よりも、タイトルとなっている台詞が出てくる瞬間が最高に刺激的!(掲載誌が『ウィアード・テールズ』というのも納得。)

    その他の収録作品も秀逸なものばかりで、まさに「アイデアの宝石箱」。読み易い文体の短編ばかりなので、ちょっとした時間に気軽にSFを堪能できる一冊。

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著者プロフィール

フレドリック・ウィリアム・ブラウンは、アメリカ合衆国オハイオ州シンシナティ生まれの小説家、SF作家、推理作家。ユーモアあふれるショートショート作品で知られている。

フレドリック・ブラウンの作品

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