- Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488013592
作品紹介・あらすじ
かつて実在し、その後歴史上から姿を消したバザール族。この謎の民族に関する事典の新版という形をとった前代未聞の事典小説。キリスト教、イスラーム教、ユダヤ教の交錯する45項目は、どれもが類まれな奇想と抒情と幻想に彩られ、五十音順に読むもよし、関連項目をとびとびに拾うもよし、寝る前にたまたま開いた項目一つを楽しむもよし、完読は決して求められていないのです。失われたバザール語で歌う鸚鵡、悪魔に性を奪われた王女、時間の卵を生むニワトリ、他人の夢に出入りする夢の狩人…。オーソドックスな物語文学の楽しみを見事なまでに備えながら、その読み方は読者の数だけあるという、バルカンから現われた魅惑に満ちた(21世紀の小説)。本書には男性版・女性版の2版があります。旧ユーゴスラビアNIN賞受賞。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
感想は男性版にて
-
パヴィッチの作品が日本語で読めるそれだけで意味がある。
-
相性が悪かったらしく、読み通すのに苦労した(寝てしまう)。『帝都最後の恋』はけっこう楽しく読んだので、もう一段凝った構成をとった本書でパヴィチ的奇想を楽しめなかったのはわたしの読書体力の問題かもしれない。同人物が三つの書のそれぞれで参照されるたびに情報がつながっていく感覚はあるのだが、それに盛り上がれず、「それで?」となってしまう。
のれない読書をしていると行間に著者のドヤ顔を幻視してしまうのだが、本書でもちらちらとパヴィチのにやにやが見えてしまった。残念。 -
部品!
-
入り込めずに終了。
辞書好きにはたまらないかも。 -
人物や出来事が繋がる快感、物語を楽しみつつも、頭を働かせる面白さがあります。色々な視点で同じものを見れるのも面白かった。
独特な構成が成功している素晴らしい作品だと思いました。 -
本に読まれて/須賀敦子より
-
1691年にわずかに出版されたハザール族に関する事典の第二版、という変わった設定を持つ小説。形式からして事典そのものだが、あくまでも小説である。
各項目間のつながりは、最初はさっぱり分からないが、読み進めるうちにこの本の重層的な構造が見えてくる。また、個々の項目で語られる話も十分に面白い。読書の楽しみが存分に味わえる傑作中の傑作といえよう。