北半球の南十字星 (ミステリ・フロンティア)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 84
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488017835

作品紹介・あらすじ

〈王国〉周辺の海賊を束ねる謎の青年リスターが、海軍提督バロウズを誘拐した。密命を受けた若き大尉アランを待つ波瀾万丈の運命とは?気鋭が満を持して贈る海洋冒険ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 「夜の床屋」を読んで、他の沢村さん作品も読みたいと思っていたので楽しみにしていました。
    「夜の床屋」とは雰囲気がガラッと変わって、海賊の話。最初は登場人物が多くてなかなか覚えれず、読むペースも上がらなかったが、途中からはテンポよく読めた。内容的には大変読みやすかった。色々設定は広大にされているが、ちょっとこじんまりと終わってしまったという印象。

  • 海賊団に囚われた提督を救い出すために、海軍の大尉が海賊に扮して、潜入する海洋冒険小説。作者さんの「夜の床屋」で興味を持った人でも、手に取らなそうだが、登場人物もすこぶる魅力的でよい。
    180ページぐらいで、やっとミステリだったんだと再認識できる。首切りの論理、4人の船長が其々鍵を持っている宝物庫、なぜ殺人が行われなければいけないのかのホワイダニットなど、ミステリらしくなる。
    米澤穂信さんの折れた竜骨が楽しめた人は、好みに合うだろう。比較すると、ロジックは弱いが、ストーリー展開はこちらの方が好みかも。

  • 童心に帰ってわくわくさせられる雰囲気の海洋冒険ミステリ。実のところ、孤島での連続殺人やその裏にあるさまざまな陰謀等々、かなりさわやかではない事件なのですが。海賊の宝や冒険などの要素が楽しくって仕方ありません。これぞロマン。
    それぞれの海賊たちのキャラも印象的で、楽しく読めます。なかなかみんなカッコいいんですよねえ。そして海賊ってなんだかとっても楽しそうに思えてしまうのは……私だけ?
    連続殺人の謎は案外シンプルだったのだけれど。動機に関してはここまで考え付かなかったなあ、という印象。そこまで仕組まれていたことだったなんて。

  • 借りてはみたものの海賊ものには入り込めず挫折。

  • 海洋冒険小説なら結構楽しめたが、ミステリーと言われると物足りなく…登場人物達も好人物だったが大半死んでるし…前作がよかったので期待しすぎたかもしれません。

  • 海賊が跳梁跋扈する中で,王国の海軍のバロウズ提督が誘拐される.海賊軍団はリスター船長を親分として,バラクーダ,ジーナ,グレンヴィル,カーティスはそれぞれ自分の海賊船の船長だ.海軍はクリフォード大尉をバート・ウィリアムズという名の海賊に仕立てて,リスター軍団に潜り込ませようと画策する.海賊島に監禁されていた提督を救い出すため,島に乗り込んだバートだが,リスターはバートの正体を見破っていた.この島でまずリスターが殺され,最終的には女海賊のジーナだけが生き残る.殺人犯を洗い出すためにバートと相棒のソープが調査をするが,犯人側の妨害で苦労する.この事件全体を画策した張本人は意外な人物であったことが,明らかになる.楽しい物語だが,海賊たちは酒盛りが好きな人種であることを再認識した.

  • 夜の床屋 が出色だつたので期待したのですが ざんねんです

  • 海賊退治の英雄が海賊に誘拐されてしまう。海軍に所属する主人公は海賊に変装し救出を試みるが、変装がバレて牢へ閉じ込められてしまう。その夜に海賊のリーダーが殺され犯人探しをするはめに。
    面白い。ジュブナイルのような設定だが、中身はちゃんとミステリ。全ての伏線がキチンと収まっていて読了感も爽やか。このままシリーズ化しても面白そう。

  • 海洋冒険ミステリ、とのこと。前半の「海洋冒険」は面白かった。後半の「ミステリ」はつまらなかった。わざわざ見取り図とかつけてるけど、密室トリックがあるわけではなし。動機や背景も証拠があるわけではなく推測。
    プロットは面白いと思うのだけど詰めが甘い。リスターが◯◯を送り込んだタイミングとか矛盾してる。カーティスの事情も、バラクーダの妹の存在、ジーナの心境などなど、料理しきれずに無理にまとめた感じ。今後に期待。

  • 「夜の床屋」がとてもよかったので購入。普段なら絶対に買わないであろう海賊の話だけど、つい期待値が高く我慢できなかった。で、結果はというと結構面白かった。海賊の話なのだけど殺人事件が起こり軽くミステリー要素もありつつ、なんとなく青春小説にも感じられた。読了感はかなり良かった。ただ「ミステリー」要素を期待するとちょっと違うかも。

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著者プロフィール

沢村浩輔:2007年、短編「インディアン・サマー騒動記」(「夜の床屋」に改題)で東京創元社主催の第4回ミステリーズ!新人賞を受賞。受賞の前年には「『眠り姫』を売る男」で同賞の最終候補に残る。これら2作を盛り込んだ連作短編集の『インディアン・サマー騒動記』(文庫化にあたり『夜の床屋』に改題)を2011年に刊行しデビュー。寡作ながら、作品が本格ミステリ作家クラブ選の年刊アンソロジー『本格ミステリ09』に採用されるなど、その実力が評価されている。他作品に『北半球の南十字星』『週末探偵』などがある。

「2019年 『時喰監獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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