ボディ・メッセージ

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488024642

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物が多すぎてわかりづらい。事件の真相も途中である程度予測できて、謎解きも消化不良気味。

  •  2人の探偵にある家で一晩過ごしてもらいたい──奇妙な依頼を受けたスタンリーとケンウッドが目撃したのは、切断され血の海に横たわる4つの亡骸。しかし、警官を連れて戻って来ると、死体も血も消えていた。
     死体の切断と消失には果たして何の意図が? 日本人探偵・被砥功児がアメリカで起こった事件に光明をもたらす。


     図書館本。
     簡潔で読みやすい文章ではあるのだが、作者の感性が独特なのか、私が常識外れなのか、意味の取り難い表現が結構多かった。
     いちばん気になったのが、アイスコーヒーの作り方。
    『普通のホット・コーヒーに氷を入れて作るんじゃない。最初から冷たく作るのさ。』
    と言っているが、それは水出しコーヒーでは? それとも、冷蔵庫で冷やしておいたのを出すから、最初から冷たいってこと???
     濃く淹れたホットコーヒーに大量の氷を入れて急冷するんじゃないのか……。

     また、脇役・ちょい役がかなり多く、再登場されても「これ誰だっけ?」となってしまうことが多かった。登場人物の一覧を付けて欲しかった。
     文庫化にあたって改稿されたようなので、この辺りが改善されたことを期待。

     鮎川賞の選評によると、島田荘司氏が本作を推すに当たって、家の“ある構造”だけで真相は見抜けないとの意見だったそうだが……わかる人にはわかっちゃうでしょ? 私も、“ある構造”が明らかになった時点でわかったよ? 動機の方までは無理だったけど。
     死体が切断された理由については、これでもかと言わんばかりに補強の手掛かりが出てくるので、そこら辺はかなりわかりやすいんじゃないかと。
     反対に、動機の核となる事柄の情報公開が非常に遅い。そして、かなり個人的なものであるため推測止まりになってしまう。動機の原因を生み出した人物をもう少し掘り下げてくれないとどうしようもない。
     
     他にも、携帯電話やスマホが不自然なまでに出てこないとか、被砥功児の推理におかしな点があったり、犯人の行動に無駄なものがあったり、探偵役が被砥功児である必要性が感じられなかったり……と色々あるが、概ね楽しめる作品ではあった。
     早い段階でタネが半分がたわかってしまっても、探偵社長・ディーの実直さが読み続ける原動力になっていたと思う。

  • 私は結構おもしろいと思ったけど、ブクログでの評価は結構低いね。
    流れもキャラの感じも悪くないけどな。

    ただ、結局のところ、誰が主役だったの?とは思う。
    スタンとケンなのかと思いきや、ディーか?と思ったけど、やっぱり被砥か?
    でも、3人称多元視点なのに、被砥さんの視点は頑なに出てこなくて。
    だからこそなのか?
    その辺りがすっきりしない。
    個人的には被砥さんより、ディー探偵事務所のほうが好きだけど。

    てか、被砥さんの名前て何か意味あんの?

  • 気持ちは★2.5

    シャム双生児という荒技は何回も使えないだろう。そこをミステリーの切り口にする所はフェアなようなアンフェアなような何とも言い難い。

    そして、犯人のペブルスって誰?

    意外とか意外じゃないとかではなく「誰?」って言うのが率直な感想。

    そして、ペブルスの兄貴って、尚のこと誰?

    居たかしら??というくらい背景描写が少ない。

    ちなみにペブルスとはしょっちゅう仕事を持ってくる依頼人で、一度などトースターが壊れたと電話してきたことがあった。(P73)らしいです。

    知らんがな 笑

    そして、読後の感想は「やっと終わった」の一言。長い割に読後感が、突き抜けない。

    そして、終わり方も唐突すぎる。
    ぅーん、なんだかなぁ。

  • 探偵が招かれた邸で起こった殺人事件。
    遺体は衣類とともに消え去ってしまう……、被害者は、そして事件の謎は?
    (アマゾンより引用)

    舞台がアメリカだけに、人物の名前がすんなり頭に入って来なくて、何となく理解しづらかった。
    遺体の状況もちょっと分かりづらい。
    Lの状態ってどんなん?

  • 謎が謎を呼び、解決の糸口すらつかめない主人公達。しかし読み進んでいくと意外な事実が・・・という感じで結構引き込まれました。それでも後半の謎解きはちょっと消化不良な部分も少し感じました。それでもこの顛末は読んでいてまったく想像出来なかったなぁ。やられた、という感じです。

  • 手慣れた文章ですし、途中の謎めいた断片も良い感じです。寂しい人たちが何とはなしに集まる探偵事務所と言うのもこれまでありそうでなかった設定ですし、好感が持てます。
    しかし、ダイイング・メッセージがいただけません。変に捻ったメッセージを残して探偵が混乱するという、ダイイング・メッセージの必要性が全くない一番駄目なパターンでした。「本人が死んでいないダイイング・メッセージは斬新だ」と評価する向きもありますが、単に珍しいというだけだと思います。

  • なぜに日本人作家がアメリカを舞台に?と思ったけど
    日本ではちょっと設定しにくかったんだなぁと納得。

    かなり派手で衝撃的な事件で始まり、どうおさめるつもり
    なんだろう?と心配までさせられたけど(笑)
    こういう決着のつけ方ですか・・・
    私の好みではないけど、伏線のちりばめ方などは
    良いんじゃないかしら。

    ただ主人公を誰か一人に定めてほしかったな。

  • まあ、デビューでもなかなかいい作品です。
    本格という物語がちゃんと出来ている。

  • 鮎川哲也賞受賞作。
    かーなり派手な事件が起こります。あまりに凄惨な切断遺体。さらに死体消失。これだけでぐいっとひきつけられて。さらに奇妙な家、行方不明の関係者、とどんどん深まる謎。とても魅力的です。
    ただ、メインのネタ自体は半分くらい読むと分かっちゃいました。でも犯人とその動機など、興味は尽きずに読み切れます。かなり特殊な条件のあれやこれやがあるけど、あまり不自然じゃない設定になってたかな。
    クイズの答え……あれっていろいろな答えがありそうです。ちなみに私が思った答えは、「部屋に酸素が充満してた」でした。それでも正解だよね?

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