マカロンはマカロン (創元クライム・クラブ)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488025526

感想・レビュー・書評

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  • 『パ・マル』3作目。
    1作目から読み始めてシェフの人間観察眼が相変わらず鋭い。でも優しさを感じる。
    そして料理の描写がすごい。
    目の前で見ているみたい。
    ブーダンノワール食べてみたいな。。
    見方によって違ってしまう価値観にも考えさせられた。

  • 良かった編
    ・コウノトリが運ぶもの
    残された物から知る、亡き人との和解。定番だけど素直によかった。しかしそんな頑なにフレンチにしなくても、父が作ってくれたならおにぎり1つでもよかったのに、やっぱお父さん自分の矜持を曲げられない、頑固で不器用だったのかなーと。

    よくなかった編
    ・マカロンはマカロン
    こんなメッセージで理解できる人は1%もいないんじゃないか。オーナーはお人よしだけど、性別がどうあれ、理由がどうあれ、無断欠勤&音信不通は社会人失格じゃないか。菓子なんか送ってくる前に大人ならきちんと話し合えよと思ってしまう。

    ・ヴィンテージワインと友情
    「抜栓料を教えてやって」と言った彼女も、何で自分で言わないんだウォーと思う。第三者から言われた方が目が覚めるってのか、当日周りから誤魔化されたくなかったのか、でも何か突き放したような気が。「アンタなんか嫌い、でもアイツらの浅ましさにもうんざりよ!」って匂いがプンプンする。ちょっと酷いよなー。

    総評
    ビストロ「パ・マル」第3段。
    美味しそうな料理が続々。お客の謎や擦れ違いを解くシェフの推理と博識も健在。だけど今回は良い話はどっかで聞いたことがあるような風で、嫌な感じの客の「そんなことしちゃう人いるの?」って印象が強かったような気がする。同じであってほしい、でももっと満足させてほしい、続き物の難しい所か。

  • フランス料理が敬遠されがちなのは
    料理をシェアするのにあまり向いてないし

    ブータンノワール(豚の血の腸詰)や
    マカロンダミアン(ピカルディ地方アミアンのマカロン)など一見して写真写りが良いものでもない。

    ただそこにはつくる人と食べる人の
    関係性や歴史がきちんと反映されている。

    三船シェフが謎に気づくのも
    そういったものに敬意を払っているからかもしれない。

  • 武士でシェフの主人公がお客の悩みをサクサクっと解決しちゃう短編集。このシリーズ作品本当におススメです。お話がどれもすばらしい。

  • 接客業は本当に難しい。客は店を選べるが、店は客を選べない。
    店は提供した料理を客が味わって楽しんでもらえればと、そのために努力をするが、客は必ずしもそうした思惑で店に来るとは限らない。
    もちろん殆どの客が店の料理や雰囲気を楽しむことを目的にしているが、そうでない客が来た時に、店側はどう対応するのか、それが試されているかのような作品だった。
    客の忘れ物を店側からは連絡しないのが思いやりなんて、正に現代らしい世知辛い話だなと思った。私なら連絡して欲しいけど。
    それでもたまにほっこりする話も挟まれていて、こうした時は接客業の方の幸せを感じる瞬間かも知れない。

  • 今回も全てのお料理が美味しそうで美味しそうで♥三舟シェフの推理はますます冴え渡り。最初からもう目頭熱くなる面白さ♪ちょっと後味悪いのは「青い果実のタルト」。その他にも三舟シェフの渾身のお料理がアリバイや踏み絵のようの使われるのは嬉しくなかったけど、あったかさ、切なさ、苦しさを纏ったそれぞれのお客様達が、きっと今後救われていくであろう、という期待に今は飲めないけどヴァン・ショーを傾けたくなりました。8編全て内容がぎゅっと詰まった物語。短編でこれだけの謎解きと美味しさを詰め込めるなんて近藤さん素敵すぎます。

  • ビストロ・パ・マルシリーズ、8年ぶりの新作。パ・マルのスタッフは三船シェフを始め、顔ぶれは変わらず、相変わらず、美味しい料理と日常の謎との組み合わせが堪らない。次作も8年待ちなのかなぁ。

  •  料理とミステリーって相性が良いのか、かなりの数の作品が出回っていると思うのですが、このシリーズは完成度の高さで一歩抜きん出ていると思います。
     お高いイメージの強いフランス料理を親しみやすく思わせるビストロが舞台であり、語り手であるギャルソンの青年の視点の癖のなさ公平さが心地よくて、それこそゆったり寛いだ雰囲気で料理を楽しむように読み進めました。

  • ビストロ・パ・マルのシリーズ物。まだ読んでなかった! と最近思い出したので急いで読んだ。今回も、三船シェフの名探偵ぶりを出てくる料理とともに充分、味わうことができた(読後感がどうかなあ…という章もあったけど)。気分転換にうってつけの一冊。「マカロンはマカロン」と「ムッシュ・パピオンに伝言を」が気に入りました。マカロンにもいろんな種類があるのね、マカロンがいまいち好きでない私は初めて知りました。文中にあるマカロンは味わってみたいなあ。あ、あと、パピオンに出てくるパンもね。

  • 今ひとに一番おすすめしたいシリーズです。
    前回の「ヴァンショーをあなたに」がとても良い読み心地で、続編を心待ちにしてました。

    前作二本に比べると各短編の落ちどころが少し曖昧に感じましたが、お気に入りは
    ●追憶のブーダンノワール
    ●ムッシュパピヨンに伝言を
    特にムッシュパピヨンは続きをぜひ書いてほしい!
    もうひとつの魅力は各短編に一品、料理のテーマがあって、その歴史などにも触れていること。
    ブリオッシュの起源とか、気にしたことなかったから興味深かった。

    メディアミックスも今後してほしい作品です。
    第4弾をぜひ!

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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